´13年 豪雨災害と特別警報


 昨日昼の4chワイドショー。ゲストは防災評論家の山村。彼曰く水平方向避難と垂直方向避難とがある。何だこれ、ワタクシが既に述べていることを真似しているだけ。但し筆者ほどの具体性はなく、あれでは一般人はどうして良いか判らないでしょう。
(13/10/22)


【平成25年伊豆大島災害】

連日の伊豆大島土砂災害で、実際に災害を起こした東京都大島町とはどんなところか、グーグルアースと国土地理院の1/2.5万地形図で覗いてみました(但し1/2.5万はかなり古い地図で、現在ある施設が記載されていないケースがある)。下図はこれまでの報道や概略の地形判読から見た、大島町中心部周辺の災害マップです。大島町背後には、比較的大きな砂防河川は下図のA、B二つがあるが、どの資料でも災害を起こした「大金沢」という地名が載っていない。テレビ映像では土石流で埋まった砂防ダムがあったが、これは空中写真により下図の位置に該当する。従って「大金沢」は下図でB谷と判定される。



図-1

1)崩壊範囲;テレビ映像では両岸にかなり急峻な崖が発達している。この点から図の黒破線で示した範囲が崩壊範囲と判断される。
2)土石流堆積範囲;砂防ダムの下流で地形変換点から推定したもの。実際はこれより広がっている可能性もある。
3)青実線;砂防河川。既に何らかの砂防施設があったり、護岸が設置されている整備済み河川。
4)青破線;現在整備は行われていないが、今後何時崩壊を生じても不思議ではない渓流。

 結論を云おう。
1)まず砂防ダムが全く役に立っていない。下は砂防ダム付近の空中写真だが、決定的にポケットが容量不足で、何を想定して作ったのか、さっぱり判らない。下流区間でも整備されたのは接続部のみで、その下流は古い渓流のまま。河川容量が決定的に足りない。


図-2

 この点が火山斜面の砂防事業の難しさである。火山斜面では、降水量と河川流量との関係はリニアーにはならない。火山斜面を構成する火山灰や火砕流は空隙が多く、更に溶岩も噴火時にガスが噴出するので穴だらけ。こんなところに雨が降っても、みんな地下に潜ってしまって地上を流れない。だから大きな川が発達しない。それは大島だけでなく、富士山や岩手山でも同じである。せいぜい、沢・渓流の類なのである。そういうところでは、春の雪解けとか、年に一度か二度くらいしかない大雨のときにしか水は流れない。それもチョロチョロ水だ。砂防ダム下流の川の様子を見れば、地元の認識がどうだったかがよく判る。だから、図-2の様な役立たずの砂防ダムが出来てしまうのである。では翻って今回のような過去に経験の無い豪雨にも対応せよ、という砂防ダムを作るべきか?これは、こういう災害が発生すると、必ず無責任だけでなく、経験も脳もない評論家や学者、マスコミが言い立てるのだが、そんな事業計画を作っても、本省から「アホか!」と一喝されて追い返されるだけ。仮に認めると、それこそやれ共産党や左派系市民団体・学者・朝日のような偏向マスコミが「やれ環境破壊だ!やれ税金の無駄遣い」と騒ぎ立てるのである。結局はウヤムヤで双方の顔を立てた中途半端解決。その結果が図-2の様な役立たず砂防ダムになるのである。
 この原因の一つに、筆者は砂防工学の画一化があると考える。日本の砂防工学は、元を糺せば欧米の河川工学に由来する。ところが欧米には、日本のような活発な火山が存在しない。その結果欧米流砂防技術は、非火山性地質を前提として組み立てられる事になった。それを日本に直輸入してしまったのである。古典的河川工学は、降水量と河川排出量が、最終的にバランスするという前提で組み立てられている。しかし、上で述べたように、火山斜面ではこの前提は成り立たない。そこで、筆者は砂防工学を、「火山砂防」と「非火山砂防」に分けるべきと考える。
2)事故後、土木学会がこの災害が2段階に分かれて発生した、と発表した。筆者は当初3段階を考えたが、今回地形図を見直すと、やっぱり2段階でよいと思うようになった。災害は主に次の2ステップで起こっている。
     (1)砂防ダム上流部での斜面崩壊
     (2)下流への土石流災害
(1)通常の雨なら、雨水は全て地下に浸透してしまうから、滅多なことでは崩壊は生じない。起こっても小規模なものである。しかし今回は短時間に大量の雨が降ったため、地下に浸透する時間が足りなく、地表に滞留し間隙水圧を発生させた。これが斜面崩壊の原因である。しかしこれは極表層に留まる。最近流行の深層崩壊には至らなかった。その証拠がテレビ映像でも判るとおり、崩壊地に道路が残っているからである。しかし、降雨がもっと長時間継続すれば、本格的な深層崩壊に至る可能性はある。
(2)(1)で生じた崩壊土砂は、水と混合し混濁流となって下流に流下する。これが今回の災害の主要因である。混濁流の中には空気がまざっており、これが速度を高める。これまでの火山山麓での研究では、土石流の最大流速は数〜10数m/sec(中には毎秒40m/secと言うのもある)に達する。カールルイス並の早さと思えば良い。こういうのがやってくれば、下流集落など、ほぼ一瞬で呑み込まれると思った方が良い。
3)図-1と図-2とを見比べると、大金沢下流での家屋密集度が大きく変化していることが判る。図-1が作成された時以降、この地域の住宅化が急速に進んだのである。実際大金沢も砂防ダム接合部では河川改修が行われているが、下流は手つかずである。つまり、上流では砂防事業が行われている・・・ということは、その川が災害を発生させる可能性があるということ・・・が、下流では市街化が進むという矛盾がある。これが、今回の土石流被害を拡大させた原因の一つと考えられる。下流も砂防指定地にしてしまえば、川の両岸50mは開発が出来なくなるので、被害はもっと縮小出来ただろう。大金沢の管理者が国か東京都かどちらか知らないが、今回の災害に関しどちらも無関係とは云えないのである。その点を週刊文春は認識していない。ところが、こういう場所は日本国中に結構多いのである。何故そうなるかというと、やはり地元の権利が強いからである。
4)何年か前の兵庫県但馬災害では、深夜避難中の住民が佐用川の氾濫に呑み込まれ、多くの犠牲を出した。このとき関大の河田恵が「真夜中に避難するなんてとんでもない」と発言。当時筆者は河田発言に対し「今はそんなことを云っているが、避難せずに災害に遭ったら、深夜でも避難すべきだ」と云うだろう、と思っていた。それは別にしても、この事件が自治体首長の心理に、ある影響を与えたのは否めない。実際、大島町長が避難指示を見送ったのには、この記憶があったからと思われる。ところが先日の某民放BS番組で、ある学者(心理学者と言うのがよく判らない)が「深夜でも避難させるべきだ」と、仰る。全く学者はその場その場で言い方を変える、煮ても焼いても食えぬ生物だ、と言うのがよく判る。学者と言う生物は決して結論を出さない。出してしまえば自分の食い扶持がなくなるからだ。しかし明かな事は、3)で述べた土石流速度から見れば、避難が昼であろうが夜であろうが、一旦土石流に遭遇したら、逃げることは出来ないという事実である。
 大島町は筆者の分類で云えば、全体として上流域に入る。従って、避難する場合は水平方向避難が妥当で、そのための避難所・避難ルートの確保が重要である。
5)ではどんな対策が考えられるでしょうか?下図は大雑把に考えた対策工のスケッチです。少々粗っぽい図面ですが、それなりに考えてはいる。
(1)大金沢は上流の山腹斜面が未だ不安定なので、対策が必要である。対策としては当初ロックボルトによる補強も考えたが、地山が火砕流と言うことで、補強効果が期待出来るかどうか疑わしい(ロックボルトに引き抜きを掛けると、すっぽ抜ける可能性が大)。従って、基本的に待ち受け工とし、現砂防ダムを嵩上げし、更にウイングを延長して大規模崩壊に備えるものとした。又、地形が緩傾斜斜面なので、大規模土石流を受け止められるポケットが決定的に足りない。そのためダム背面を開削し、ポケットを確保するものとした。下流は本来なら大断面開水路を作って、越流してきた土砂を速やかに海に排出出来るようにした方が良いが、今の河川断面で十分かどうか判らない。
(2)大金沢北のA沢も同様な対策とする。現在小さな砂防施設は見られるが、これではとても規模が足りない。問題は下流河川である。これは一応整備が行われているようだが、途中で直角に曲がっている。おそらく過去に流路の変更をしたのだろう。しかし、上流からの洪水や土石流は、こちらの思惑通り曲がってくれるとは限らない。つまり、洪水・土石流はこの曲がり角を越え、市街地に被害をもたらすだろう。これを防ぐには、流路を直進させ、海に直結する開水路を儲けるべきである。
(3) 大金沢の南にも不安定な河川が見られるが、この下流には住居はなく、道路だけなので(1)(2)の様な大規模な対策は必要でなく、あくまで道路防護という観点から、既崩壊地に対する砂防施設の設置、河川整備で対応するのが妥当と思われる。

 では、この対策案が受け入れられるでしょうか?私は全く期待していません。例えばこれを役所やコンサルに持ち込んだところで、せいぜい「主旨は判りますが、もっと現実的な案を持ってきて下さい」と云われるのがオチである。だからどっちみちダメ覚悟で云いたいことを云っているだけなのです。
(13/10/29)

 台風27号の接近で伊豆大島町では住民避難が始まりましたが、これが何と観光バスを使った豪華なもの。さすが観光地は違う。何でもメデイアに載ると、気合いの入れ方が違ってくるのだ。
 兵庫県なんかは、洪水被害が出るのは但馬地域が大部分だから、予め全但交通と協定を結び、予備のバスを借り上げる手もある。避難というのは、警察や消防から避難命令が出てからやらなくてはならないものではない。その前に自治体の判断で、住民に緊急避難サービスをしても良いのである。その点を自治体・・・特に役人は・・・勘違いしているようだ。
(13/10/20)


 この間出した特別警報について、気象庁が各自治体に、対応や効果の聞き取り調査をやっているらしい。筆者は特別警報を出すのに反対はしないが、あんなもの何の意味も無いと思っている。理由は警報と避難との間に、何の整合性も無いからだ。
 理由は、気象庁は風や雨ばかりやっていて、実際の水、特に川とその歴史についての知識が全く無いからである。川を知らずして、災害を予測出来ないし、避難計画も立てられない。


 筆者が前々から疑問に思っていたのは、気象庁「特別警報」で繰り返される「命を守る行動を採って下さい」という言葉。これ行政の住民に対する責任転嫁ではないか?
 今回京都で26万人、大阪市でも3万人に対し避難指示が出されたが、一体何処へ逃げればよいのか?全く行動規範がない。そもそもそんな大勢の人間を避難させる施設など、ありもしないし、作れる訳がない。大阪など低地帯だから、避難そのものがあり得ない、警報そのものが馬鹿げているのだ。
 洪水の場合は、河川から離れた平野部なら、二階に逃げれば大丈夫。問題は紀伊半島のような、川に近い山間部。ここでは、氾濫水の流速が大きいので、家ごと持っていかれるケースがある。しかし、それを少し離れれば、流速は急激に低下するので、只の洪水になる。その性格を掴む事が重要。
 通常川は蛇行するのが普通。それを近代に入って、河川改修で無理矢理流路を替えた。だから同じ沖積平野でも、河川に影響された土地と、そうでない土地がある。その区分をしていけば良いのである。
 重要なことは、地方行政が「命を守る行動」とはどういうものか?それを理解した上で、対策方を災害の性質毎に組み立てていくことである。


 これをもっと具体的に見ていきましょう。通常川は上流・中流・下流に大きく分かれる。日本の川は流路が短いので、それが典型的に表れる。下図は日本の川の様相を模式的に現したものである。ここで
1)上流・・・山頂部の谷頭崩壊から山地を抜けるまでの区間。
2)中流・・・川が平野に出てから、次の下流域に達するまでの区間。
3)下流・・・川の末端はしばしば三角州を形成するが、そうで無くても、かなり上流まで感潮河川となることがある。この区間が下流域。


 では各区間でどういう災害が発生し、それに対してどういう避難方法があるでしょうか?
1)j上流域
 しばしば両岸には山地斜面が迫り、河川勾配は大きく、急流河川となる。ここでは降雨により、両岸の斜面崩壊やしばしば土石流が発生する。川が増水して堤防が破堤したり氾濫したとする。この区間での水はまだまだ大きなエネルギーを持っているので、これにより木造家屋など押し流される可能性がある。又、山地斜面との距離が短いと、斜面崩壊土砂で埋められてしまう危険性も高い。一昨年の紀伊半島豪雨で大災害を出した熊野川は、全体が上流域のようなもので、単に洪水だけでなく大規模深層崩壊を生じ、土砂ダムを作ったのは記憶に新しい。
 この区域では、河川に接近した地域の住民は、一刻も早く安全な避難所に避難すべきである。つまり水平方向避難である。但し避難所の立地条件が重要である。(1)まず洪水を避けられるレベルの高所にあること。上流域でも、河川沿いに段丘面が発達することが多いので、それを利用すること。(2)斜面崩壊に対し安全であること。この要件としては、斜面と避難所の間に十分な離隔を採ることが必要であるが、これは山間部では極めて難しい。やむを得ず斜面裾に避難所を設ける場合は、斜面に対し安定化対策工を行っておくこと。
 又、避難のタイミングも重要である。上流域は一般に過疎化が進み、居住地と避難所とが遠く離れている場合が少なくない。従って警報が出た段階では、既に手遅れになるケースがある。行政は出来るだけ早め早めに、手を打っておく必要がある。川の水位が危険水位に達してから、避難指示を出しても、手遅れになるケースがあるのだ。

2)中流域
 中流域の特徴は、周辺に広い沖積氾濫平野が発達することと、河川が蛇行を繰り返すことである。蛇行河川の周囲に、洪水による堆砂が生じ、自然堤防を作る。自然堤防の外側は湿地帯となり、軟弱層が堆積する。ところが、日本では中近世以降、農地拡大のため河川改修を繰り返し、流路を直線に近く作り直してしまった。問題はこの河川の付け替えである。付け替え前の河道には軟弱土質(軟らかい粘性土とか、緩い砂・砂礫)が堆積している。付け替え時に、この様な軟弱土質を撤去しておけば良いが、大抵は何も考えずに土を盛立て、表面だけ綺麗に仕上げる。韓流整形美人の様なものである。こういうところに上流から濁流が押し寄せるとどうなるか?かつての付け替え地点が堤防の弱点となり、そこから破堤が始まり、全体が洪水に侵される。
 しかし、河川の流勢は随分収まっているので、上流のように家毎持っていかれることはない。比較的流勢が大きいのは、河川改修前の蛇行範囲とその周辺に収まるので、その範囲内にある平屋などの低層家屋のみが避難対象になる。無論鉄筋のマンションや団地、蛇行範囲から離れた地域では、面的避難の必要はなく、高層階に避難すればよい。これを垂直方向避難と呼ぶ。又、中流域地帯は近年都市化が進んでいるので、うっかりした避難は、却って災害を発生・助長するおそれがある。
 台風18号では、桂川流域の京都市南部住民約26万人に避難指示が出た。しかし指示に従って避難所に行ったのは、たった1%以下だった。これを問題視する人もいるが、それは避難という言葉の意味を取り違えているのである。
 桂川は北方丹波山地に源流を発し、亀岡盆地までは大堰川、その下は保津川と名を変え、保津峡の南で京都盆地に入り、桂川となって、三川合流点で淀川に合する。今回災害を出した京都市南部での桂川は、典型的中流域と云えよう。ここでは桂川が氾濫し、流域全体が浸水した。しかし人的被害は殆ど出ていない。死者が何人かあったが、これは裏山が崩れ、生き埋めになったものである。平野部の住民はどうしたか?みんな自分の家の2Fに”避難”しているのである。特別警報・避難指示が出たのは夜中であり、そんな時間に住民が一斉に避難行動を採れば、道路は渋滞し混乱するのみ。そこへ濁流が押し寄せればどうなるか?当たり前だが大変な被害が発生する。第一、26万人もの住民を収容出来る避難所など存在しない。ここでは、行政が定めた公的避難ではなく、住民の自主避難が成功したのである。
 つまり、中流域では河川近傍では水平方向避難、そこから離れた場所では垂直方向避難が有効である。又、上で述べたように河川付け替え部が堤防の弱点(破堤の原因)となるので、この部分の補強が重要である。付け替え部の認定は難しく、かつては筆者の様な専門家が、地形図や空中写真で読みとらざるを得なかったが、今ではレーザースキャナー探査などで映像化出来るので、誰でも判るようになっている。 

3)下流域 
 所謂三角州帯であるが、かなり内陸まで感潮河川になっている。この流域では河川勾配は小さくなり、流速も小さくなる。又都市化の進展に伴って流域下水道が発達する。雨水の大部分は都市下水道を伝って海に放流される。従ってこの流域では、仮に越流が起こっても上中流域の様に、水で家屋が押し流されることはまずない。従って、水平方向の避難は必要ではなく、高所避難だけで十分である。
 むしろ河川の洪水より注意しなければならないのは、港湾地区での高潮災害や、地下鉄・地下街の浸水対策である。日本の地下街・地下鉄は全般に浸水被害に対し脆弱である。この様なことが起こるのは、下水道の容量不足である。但し、下水のマンホールから水が噴き出して、道路が冠水するなんて事は、災害の内には入らない。

 以上をまとめると、避難タイプには大きく
1)水平方向避難・・・・住居から避難所への避難
2)垂直方向避難・・・・住居内或いは近隣で、高所への避難
があり、それを河川の流域別に分けると

1)上流域・・・・・主に水平方向避難
2)中流域・・・・・水平方向と垂直方向の組み合わせ
3)下流域・・・・・垂直方向避難のみで十分。むしろ地下浸水対策に注意。
となる。

 さて冒頭の問題に戻る。何か災害が発生すると、役人か学者かよく分からないのがテレビなんかに出てきて、「住民一人一人が、自分の住んでいるところがどんなところか、よく考えるべきだ」などと説教がましいことを宣う。説教が現実とかけ離れ、役に立たないのは、文明発祥以来、洋の東西変わらないが、これもその一つである。自分の住んでいるところがどんなところか、具体的な説明がない。洪水に対し危険なところか、避難のパターンはどうあるべきかどうかは、筆者が上で説明したとおりである。但しそれを一般ピープルが認識出来るかどうかは別問題である。本来これは行政が災害危険マップを作り、住民に周知徹底・指導を行うべきなのである。ところが問題は、これが出来る土木系職員が不足していることである。これは最も住民に接近している市町村レベルで著しい。その原因は橋本行革以来の公共事業縮小で、地方行政での土木系職員のリストラが進み、技術力が劣化してしまっているからである。高槻市や岩国市など酷いものだ。全国的にJR北海道現象が進んでいるのである。
(13/10/17) 


桂川の増水で、京都市南部26万人に避難勧告。元々この辺りは三川合流地帯で、古くは小椋池という天然調整池があった。それが戦後小椋干拓地となり、更に平成に入って、第二京阪、京滋バイパス、京都外環状を連ねる久御山jJCTに変身。当然調整池能力は低下する。ところが、その代替施設の整備が全く行われなかった。そのツケが今回きたわけだ。
 代替施設とはなんでしょう?ズバリ上流のダム。大戸川ダムはその一つだが、下流の大阪府や京都府が反対してOUT.。
 しかし考えてみれば、これ国交省が考えてきた筋書き通りに、事が運んだのでないでしょうか?桂川の堤防を嵩上げすれば、下流の八幡や寝屋川・高槻辺りで氾濫の危険性が増す。話しはドンドン広がって留まることがない。そして出てくるのは、上流vs下流の対立。そこに国交省が「おおそれながら」と乗り出してきて、話しを元に戻してしまう。てなストーリーが見えてきます。しかし、ワタクシには、ここに大戸川ダムがあれば、事態はかなり変わっていたように思えます。
(13/09/16)

 福知山盆地は昭和42年にも大水害に見舞われている。ワタクシは丁度その時、下流の大江町という処の崖崩れ調査に行っていた。現場も終わったので、明日は引き上げと思って、翌日朝旅館の窓を開けると、一面泥水の海。旅館は由良川沖積面より少し高い段丘面にあったから別状無かったが、下の国道や鉄道(当時は「河守鉄道」というガソリンカー、今の北タンゴ鉄道)は完全に水没し、陸の孤島状態。仕方が無いのでもう一泊し、翌日昼頃から水が引いて、鉄道も動き出したので、福知山経由で帰った記憶がある。その時の水難碑は今も福知山市内にある。
 その後広域下水道が整備され、福知山も水害から解放されたかに見えた。処が今回の水害である。根本的な問題は地形にある。今回氾濫を起こした由良川は下流の河守付近で大きく東に蛇行し、更に大江山の東で北に向きを変えるが、この変曲点が地形上の狭隘部で、河川断面が小さくなる。又、この地点と日本海との間の標高差があまりないので、満潮時には水が流れにくくなる。
 今回の水害は、おそらく短時間に集中的に雨が降ったため、降雨量が下水道の流下能力や調整能力を超えてしまったのだろう。と言うことは、当面の対策は、既設下水道の規模拡大ぐらいしか思いつかない。
(13/09/18)
JR函館線の路床流出現場(08/17NHK)。テレビ映像だけではよく判らないが、画面右上には小さい川があり、本線はこれをBLで渡っているらしい。路床流出区間はこの手前の低盛土部。古い河道の跡で、旧河道堆積物が洗掘された所為でははなかろうか?。これでは何回バラスを注ぎ込んでも結果は同じ。現在何となく、14000円手前で足踏みしているアベノミクスのようなものだ。下手すれば、来週にも13000円割れ。北海道南部には更に強い雨がやってくる。又も路盤は崩壊だ。同じ事を繰り返しても意味はない。旧河道を開削し、BLを延長した方が良いかも知れない。(13/08/18)
写真はNHKの動画を採用したかったのですが、あいにく更新されているようで、仕方なくMSNサンケイの写真を用います。これは秋田県仙北町での土石流現場です。何故、この写真を採用したかというと、背景の杉が直立していることです。土石流の上にも多くの杉が倒れています。このことは、この地域の地盤が長期に渉って安定していたことを物語っています。しかし、一旦深層崩壊が襲うと跡形もなくなってしまいます。
 つまり植林による治山治水工法は、今回のような局所集中豪雨と、それに伴う深層崩壊には、殆ど無力だと言うことです。
 ではこのような災害をコントロールする方法はないのか?残念ながら、有効な方法は無い、と云ってよいでしょう。出来ることは、さっさと逃げることです。
(13/08/20)