基礎工法色々

技術士(応用理学) 横井和夫


  昨年新名神で起こった橋桁落下事故直後の写真。このほどやっと施工した横河Bの現場所長を在宅起訴。理由は中央の架台基礎の不等沈下と架台の傾斜への対策を怠ったというもの。
 現在の仮設工事では架台には傾斜計が設置され、傾斜は基準値を超えると、コンピューターと連動して警告音が出たりする。それに従ってジャッキを操作して姿勢を修正するのが普通。
 おそらく前日には警告が出ていたのだろう。ところが、桁はすでに併合直前に達しており、工期も迫っているので、「エイこのまま行け「ということになったのだろう。この場面を支配するのは、科学的データではなく、昔ながらの職人的3K(カン、ケイケン、キアイ)である。これではいくら事前に地盤調査をしても、精密な計測を行っても何にもならない。現在テレビで流行っている日本ホメ番組で、やたら職人のカンを持ち上げるのも、この傾向を助長しているのではないか?
(18/07/27)
 
    これはある展示会場に現れたサイレントパイラー。油圧で鋼矢板を圧入する装置。ネット(アホのサンケイ)では、これを国土を守る切り札だと、ベタ褒め。大方メーカーから幾らか貰っているんだろう。
 どんな機械にも適用範囲というものがあって、これも例外ではない。細かい理屈は省略するが、圧入力を大きくしても、地盤の圧入抵抗力がそれ以上あれば、肝心のクイが座屈する。こんな大型機でも、粘性土でN値10以上、砂質土で20から30以上は、施工が著しく困難か無理。抵抗力を弱めようと、振動やジェット噴射などを併用すれば、周辺地盤を緩めてしまう。
 問題は工事を発注する役所がアホで、メーカーの宣伝をそのまま受け取ってしまい、不適格な設計をやってしまうことである。サンケイはまさにその愚行を、自ら行っているのである。
(18/05/15)