最近、面白い投書や談話を発見しました。
1、横須賀氏在住寺尾氏   「日本国憲法は骨抜き政策の一環」

「日本国憲法は骨抜き政策の一環」    自営業寺尾元宏70(神奈川県横須賀市)
 4月23日本欄「憲法9条むしろ世界に発信を」を読んだ。当時の政府が天皇制護持に躍起となっていたからGHQがマッカーサー草案を出してきたのだ。そして60年闇平和が保たれたのは憲法9条のお陰である。うんぬん……。
 それは現在の社民党及び護憲論者の論法そのものである。現憲法は占領軍の日本に対する膏抜き政策の一環で、しかも天皇を排除することは、敗れたとはいえ日本国民が許さず、戦後処理に重大な支障をきたすことを考慮したものだ。
さらに、マッカーサーが人間天皇の人柄に深く打たれた経緯も理解しようとせず、また60年闇平和が保たれてきたのは憲法9条のお陰と彼らは信じているようだが、それは全く誤った認識である。
 憲法9条は世界で唯一の平和憲法だから世界に発信すべきだ、と言うのは世界の現状を無視したおめでたい理想論であり、平和が保たれているのは、米国と同盟を結んでいる日本の自衛隊の努力のお陰であることを肝に銘じるべきである。

「日本国憲法は骨抜き政策の一環」    自営業寺尾元宏70(神奈川県横須賀市)について

 毎日新聞05/05付け朝刊投書欄に表記の投書が掲載されていた。その内容は戦後一部の言論人から出された、愚にもつかない噂話を真に受けているだけで、実に単純で浅薄。関東地方で振り込め詐欺被害が多い理由が良く判るレベルである。しかし、一面で、ある真実を突いている。投稿者寺尾氏の住所は横須賀である。横須賀という街は、終戦前は大日本帝国海軍の、戦後は米軍の植民地だった。しかもこの植民地は、通常の植民地のような搾取の対象ではなく、むしろ投資及び補助の対象だった。帝国海軍はここに大規模な海軍基地を作った。その投資額や半端なものじゃない。これを当て込んで各地から商人・実業家・虚業家が集まってくる。小泉首相の先祖もその一人。これによる経済効果は他地域の比ではない。戦後帝国海軍は亡くなったが、その替わり米軍と自衛隊がやってきた。日米安保条約とか「旧軍港地域振興特別措置法」他の特例措置により、こういう地域はある種特権的地位を占めることになった。政府公共投資に莫大な特別枠が与えられるのである。つまり、ほっといても国から補助金がドンドン入ってくる。行政としては、何の工夫もしなくても金が入って来るのだからこんな楽な話しはない。
 これに似た地域が原発地域である。電力会社や国から協力金や交付金が入ってくるから、何もしなくて良い。それどころか、原発で何か事故でも起きれば、その都度、見舞金とかナントカ訳の分からない金が入ってくる。原発で、時々事故が起こって貰わなくては困るんだよ。アハハ・・敦賀の街に行ってみなさい。あの活気のなさ。若者はみんな県外に出ていってしまっている。それでもやっていけるのだから。
 寺尾氏は投書の最後にこう云っている。「憲法9条は世界で唯一の平和憲法だから世界に発信すべきだ、というのは世界の現状を無視したおめでたい理想論であり、平和が保たれているのは米国と同盟を結んでいる日本の自衛隊のおかげであることを肝に銘じるべきである」。ここで、日本を横須賀に読み替えると、云いたいことが非常によく判る。もし、憲法9条が世界に発信されて、戦争が亡くなり米軍が撤退し、自衛隊も横須賀から居なくなれば、横須賀の街はどうなるか。失業者とホームレスにあふれ返る。これまでは補助金だけで安穏とやってこれたが、もし自由化になれば、自助努力のノウハウもないのでどうして良いか判らない。氏はそれが怖いのだろう。かつての尊皇攘夷思想と同じなのだ。当に寺尾氏こそ安保条約と補助金行政で骨抜きにされた過去の遺物である。


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