17’東名衝突事故

横井技術士事務所
技術士(応用理学) 横井和夫


 先週起こった東名の衝突事故。原因は乗用車が斜めにはしったとか、中央分離帯のマウンドがどうとか言われていますが、これらは全て枝葉末節くだらないものです。原因は10年程前に起こったJR福知山線脱線事故と同じ急カーブ地点での速度オーバーです。
 一昨日の新聞に事故地点の空中写真が載っていました。それを見ると事故地点のRは如何にも小さい。特例区間ではなかったか、という疑いも残る。Rが異なる区間の接続部には緩和(クロソイド)区間が設けられる。これを使うとドライバーは一々ブレーキを掛けず、ハンドル操作だけで、次の区間に入っていけるから渋滞が発生しにくい。但しRが小さくなるからその分、スピードは落とさなくてはならない。

バスからの映像。事故区間のRが小さいことがわかります

 本件の場合、乗用車は手前の直線区間からハンドルを切らず、減速せずにまっすぐ緩和区間に入り、左側壁に衝突し、その反動で追い越し車線に跳ね飛ばされ、中央分離帯を飛び越えたと考えられる。この間何があったか定かではないが、自動車に欠陥があったとは考え難いので、ドライバーの身体に何らかの異変・・・例えば居眠り、心臓麻痺とか無呼吸症候群・・・があったと考えるのが妥当と思われる。
 この手の事故をを防ぐ手段はあるか?だが、筆者は可能と考える。最終的には、完全自動運転だが、今の技術でも、カーナビシステムの中に高速道路の線形パラメーターを組み込み、速度が制限速度をオーバーすれば、自動的にブレーキが掛かるような手法は可能だ。ATCの自動車版である。
(17/06/13)