銚子沖地震と液状化

 3月14日銚子沖で発生したM6.1の地震。地震発生後の発表では、この地震は太平洋プレートのサブダクション帯上のものとされるが、筆者は場所からみて、「中央構造線」*1上の地震と見ている。「東北太平洋沖地震」の一ヶ月ほど後に、同じ場所でM5級の地震が起こっています。これも「首都圏直下型地震」に含まれます。当日のNGKニュース動画から見てみましょう (03/15)。

 この地震が昨年の太平洋沖地震の余震だろうということには異論はありませんが、震源地の地形から見て、大陸の延長上にあり、必ずしも太平洋プレート沈み込み型とは云えないと思う。
*1;この辺りの「中央構造線」の位置は不明確で、もっと北にシフトする画もある。銚子付近の温泉ボーリングなどでは、ジュラ紀付加体のコアが採取されている(高木他「関東平野岩槻観測井の基盤岩類の帰属と中央構造線の位置」地質学雑誌VOL112 NO1)。これを秩父累帯のものとすれば、中央構造線の位置は銚子先端よりやや北にある、という見方もあり得る。
 実際昨年の地震の後、銚子沖だけでなく、静岡県や長野県で起こった地震は、北米プレートとユーラシアプレートとの境界で起こった物であり、前者は富士川断層沿い、後者は跡津川断層か糸魚川ー静岡線沿いと見られる。
 巨大海溝型地震が、内陸直下型地震を引き起こす例と考えられる。将来の課題である、南海、東南海地震が生じた時、例えば中央構造線地震を誘発する危険がないのだろうか?

 
なお、この地震で、銚子の先端辺りで液状化が生じたが、これは当たり前。液状化が生じるかどうかは、現地を見れば判ります。極端に云えば、地面に書いてある。それを読みとれるかどうか、が能力の有無の違い。
 なお千葉県も茨城県も、液状化マップはとっくの昔に作っています。それを公表していないだけの話し。誰かが公表を阻んでいるのです。誰でしょう?それは地域不動産業界と、それにつるんだ議員と役人。これもムラを作っていますから。
 これが液状化で生じた砂火山。土質は暗灰色の細かい砂で、典型的な液状化砂層。
この種の砂は、三角州の前庭層と呼ばれる物で、分布は海岸沿いの低平地から、浅い海に掛けて。所謂遠浅の海岸周辺に限られる。これに注目すれば、液状化する地盤かどうかは容易に見分けられる。
 なお、千葉県浦安は別で、あれは新しい埋め立て地盤。どういう土を埋め立てに使ったが問題。おそらく成田層群の中の稲城砂層辺りを埋め立て材料に使ったのではあるまか?
(12/03/16)



RETURN         一覧へ      TOPへ