二回目の書簡

平成16年の12月に同窓会報が届きました。そろそろ方はついたのかと思っていたら、未だ「負債が4500万円」残っている。去年の四月に6800万円残っていたのに比べると大分改善されている。しかし、4500万は大きいし、返済のピッチがどうか、という問題は残る。そこで、平成15年4月以降の残高の推移を定式化し、将来を予測してみることにしました。結論は数年といった短期間での完済は不可能であり、別の方法で問題を解決すべきであるという結論が得られました。そこで、以上の経緯に個人的な所見を含めて、同窓会長宛に文書で送付しました。もっとも、私自身、同窓会からまともな回答が返ってくると思うほどナイーブではありませんが。

 なお、これまでも、今回も負債の内訳については一切明らかにされていません。ただ2億円懸かった、4500万円未だ足らない。金を振り込んでくれ、と云うのみ。これでは全く”振り込め詐欺”。何故、何が、どれだけ足らないのか?どういう経緯でこうなったのか?その責任の所在は何処にあるのか、を明らかにしないから”振り込め詐欺”呼ばわりされるのですよ、


拝啓、長谷川会長殿。 15回卒業の横井と申します。私については副会長の榊原君を通じて、既にご存じのことと思いますので、自己紹介は省略させていただきます。

 先日、同窓会報を受け取りました。 100周年記念事業関連については、満足すべきものではありませんが、未払い金の支払い状況が公開された点は、情報開示という点で一歩前進であり、それなりに評価されると思います。しかし、事業決定の経緯やその後の対応についての情報が未公開なのは問題を今後に残す原因になるでしょう。

 ここでは、 100周年事業に関して現時点での疑問点をいくつか述べさせて頂き、最後に今後の対応について、私なりの方策を示したいと思います。
1、平成
15年度事業報告の内、100周年実行委員会で、平成15417日に「契約内容の確認について(竹中工務店と副実行委員長)」とありますが、ここで何が話し合われたのでしょうか。副実行委員長とは誰で、どの様な権限が与えられていたのでしょうか。その結果は緑窓会を拘束する性格を持っているのでしょうか

(注)緑窓会は任意団体で法人格を持たないから、契約行為そのものが出来ない。だから、一の確認は竹中工務店と副実行委員長との個人的な確認であって、その結果に緑窓会は拘束されない、と主張すれば出来ますよ。
2、当方の試算(後述)では、現状の募金方式では債務履行は不可能という結論に達しました。それとも執行部は何か秘密兵器のようなものをお持ちなのでしょうか。

 「残金の減衰曲線 (A)」、「同(B)」という図が同封されていると思います。これについて説明しておきます。
 1)「残金の減衰曲線(A)」;事業報告記載の未払い金残高から単純に未来予測をしたもの。この場合は年度毎の減衰定数はほぼ0.5(当該年度支払い額は前年度の1/2)になります。

    減衰曲線の近似式は

     y(残高)=-778.47ln(x)+6913.9                    (r2=0.9933)        x:月

        y=0になるxを求めると

        x=e(-6913.9/-778.47)=7196(月)≒600年
 2)残金の減衰曲線
(B)」;年度減衰定数の 0.5は厳しいのでこれを0.6〜0.7として、平成19年度までの残高を計算し、(A)と同様の処理を行ったもの。

   減衰曲線の近似式は

     y(残高)=-825.64ln(x)+6989.6                     (r2=0.9967)        x:月

        y=0になるxを求めると

        x=e(-6989.6 /-825.64)=4749(月)≒400年

 

                                  

無論このような計算の結果が非現実的であることは十分承知していますが、まんざら嘘でもない。まず、募金の受け皿の容量ですが、旧制中学等の高齢者会員の募金は概ね限界に達していると見るべきです。最大の受け皿である新制高校では、全体として募金率が低いのだが、特に 35〜36回卒業から極端に募金率が低下する。学校側と生徒の間になにかあったのか、とさえ思えるほど激減ぶりである。そして若齢会員の低募金率は一回目の追加募金時点から殆ど変わっていないように思える。だとすれば今後、募金率の劇的向上は期待出来ないと判断するのが常識でしょう。

 この結果の意味するところは次の2点です。

  1. 従来の募金方式では債務を、数年程度の短期間で完済するのは不可能である。
  2. 従って、別の方法で問題の解決をはかるべきである。

私は基本的には、資金不足分は本事業を推進した旧役員が共同で弁済すべきと考えているが、百歩譲って当面の問題解決を緑窓会が肩代わりするとして、以下に私の考えを述べさせて頂きます。

  1. 出来るだけ早期に代理人(弁護士)を立てて竹中と債権放棄について話し合いをもつべきである。重要なことは、代理人を表に出すこと。小西や秋田のような素人では、竹中にとっては赤子の手をひねるようなもの。いや、小西や秋田は裏で竹中とつるんでいる疑いがあるから、全く信用できない。中立性が確保された弁護士が出てくれば、相手も少しは真剣になる。腕の良い弁護士が必要。
  2. それで話しがつかなければ法的処理に入る。事業の経過を考えると、@緑窓会に債務返済義務はない、A竹中にも落ち度があった、と主張出来る。@の根拠は緑窓会が法人格をもっていないこと、Aの根拠は後述します。
  3. 竹中側にもゼネコンとしての落ち度がある、と強く主張すれば、この裁判は勝てると思う。そのためには竹中側には次の点で落ち度があったと主張すること

   @緑窓会が法人格を持たない(担保を有しない)という事実を知悉しながら、安易に契約行為に及んだ。竹中側に特別背任の疑いがある(1)。
   A緑窓会員の会員数、会員構成、更に計画当時の経済情勢から見て、2億円の募金など到底不可能であることは、経験あるゼネコンとして当然試算し確認しなければならないの にそれを怠った。同上。
   B山田証言から見て、竹中は旧会館の改築案があることを知悉していたはずである。どちらが合理的であるかは議論の余地はない。もし、新築案が竹中サイドで行われたとすると、竹中と旧役員会との関係が疑われる。又、緑窓会側からの働きかけであったとしても、竹中には両案を比較し、より合理的な案を事業者側に提示する義務があった。

   C施工時は建築単価が大幅下落した時期である。それにも関わらず設計変更を行っていない。また、建物規模や内外装が同窓会館に不適当なほど過剰である。過剰設備で不当に工事費を嵩上げし、不当利益を得ようとした疑いがある。

 私ならこうします。

 工事代金の 2割位は値切れる。大体、大手ゼネコンの見積もりというのは、実質経費に対し3割はさばを読んでいるので、2割位値切っても常識の範囲内。ということは、負債の内、4000万は消えるということです。これで不足なら旧役員相手に訴訟でも何でもやってくれ、ということです。但し、これがうまくいくかどうかは、H15/4/17に、副実行委員長と竹中工務店との間で何が話し合われたのか、が重要な意味をもちます。だから、これの情報開示が必要なのです。

 なお、竹中工務店との交渉は(ゼネコンだからといっておそれることはない。たかが土建屋なのだ。○○○○○の類。下郎下がりおれ、といえば良い)あなた方執行部では能力的に無理なので、私が引き受けても良いのだが、今の執行部の体質では、後ろから足を引っ張られそうなので、やっぱり止めておきます。おまけに私の場合は有料になります(技術士法)。

 なお、このやり方で、債務が減免されたところで、この事業を推進した旧役員会の責任が無くなるわけではありません。こちらだって犠牲は出さなくてはならない。彼らの責任は、今後とも厳しく追及していかなくてはならないのです。

 長谷川会長には、以上の疑問点や私見に対する所信を、例えば同窓会 HPで披瀝されることを期待します。但し、うっかりしたことを云うと、長谷川会長自身が竹中との関係を疑われかねないので、その点に御注意!

 なお、この書簡は時期を見て、おそらく 1〜2週間後に、当方HPで公開するつもりです。                                  (以上)

                            04/12/20    横井和夫

(追伸)

一、「単純計算では一人 2000円で4000万円集まる」などと馬鹿げたことを、いい年した大人が云うものではない。これが県高の教師の云うことかと世間に知れると、県高生(卒業生も含め)全員が恥をかく。発言には注意するように。

二、この書簡の意図は、卒業生の中にも、執行部とは異なる考えをする人間がいることを明示しておくことです。


(1) 理由はわかりますか?これまでの経緯を見ると、この事業は緑窓会(正確には旧役員会)が樺|中工務店に直接発注した形になります。この場合、竹中が工事完成までの全費用を肩代わりする、つまり竹中が工事費用を緑窓会に融資している形になります。担保の無い物件に対する融資は、確か昭和50何年かの商法改正で禁止されているのですよ。このような違法行為を認めたこと自体、竹中の経営者が商法の特別背任に問われる可能性があります。

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