こんなことは考えられないでしょうか
匿名希望


緑創館建設疑惑についてこれまで発表されている記事を綜合的に考えた時、次のようなストーリーは考えられないでしょうか。判りやすいようにQ&A形式でまとめます。ここで、Qは一般会員、Aはそれなりに業界の表裏に通じた有資格者と考えて下さい。


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Q;「緑創館の追加募金が思うように集まっていないみたいで、このまま募金が集まらないとどうなるんでしょう?」
A;「・・・・・むむ、暫く考える・・・。金が集まらなくて、工事費を債権者、つまり竹中工務店に払えなくなった。それでも一般会員には何の問題もありません。要するに工事費を踏み倒しても何の問題もありません。だから、一般会員はこれ以上募金に応ずる必要も義務もありません」
Q;「随分大胆なご意見ですね。何故そうなるのですか。」
A;「一般に物事をたのんだときには、それに対する対価を支払わなくてはなりません。これは資本主義・民主主義の根本の原理です。この関係は、個人対個人・法人対個人・法人対法人の3パターンに別れますが、基本的には皆同じです。もし、どちらかが支払い不能に陥った場合、売り手つまり債権者は、買い手つまり債務者を相手に法的手段をとって、相手の財産や担保を差し押さえて、未払い債権を充当する権利があります。」
Q;「緑窓会が訴えられるということですか?」
A;「いいえ、必ずしもそうではありません。緑創館の場合で考えてみましょう。発注者である緑窓会は只の任意団体で法人格を持っていません。要するに、個人の集合であって実態はあってないようなものです。原理的に云えば、緑窓会側が支払いを拒否した場合、債権者である竹中工務店は、緑窓会会員一人一人を相手にとって訴訟を起こさなければならないのです。例えて云えば、地下鉄サリン事件でオウム側弁護団が、当初とったやり方です。しかし、これは裁判所側から否定されました。緑窓会会員は3万人位いるわけですから、これを相手に訴訟を起こすことは、非現実的です。従って、民法上はその代表者だけを相手に訴訟を起こすのです。緑創館の件で云えば、工事発注契約書に押印した人だけが債務者になります。私は契約書を見ていないので、誰が債務者になるか判りませんが、一般には、会長とその周辺に留まるでしょう。だから、一般会員は高見の見物でも構わないのです。」
Q;「最終的に緑創館が差し押さえを受けることはあるのですか?」
A;「これには、二つの可能性があります。第一は完成建築物件、この場合は緑創館になりますが、これが担保になっている場合です。施工業者は建築物件を差し押さえる権利があります。兵庫県の見解では『緑創館は教育施設として寄付を受けているので、差し押さえは無い』ということらしいですが、債権者の権利を考えると、これはいささか甘いと思います。債権者はあらゆる方法を使って、債権を回収する権利もあるし、義務もあるのです。兵庫県の言い分は裁判所も税務署も認めないでしょう。何故なら、この言い分なら、寄付は無制限の債務隠し、つまり脱税の温床になるからです。緑創館が担保に入っている場合は、竹中工務店と兵庫県との争いになりますから、緑窓会は関係ありません。勝手にやっておいてもらって構いません。又、債権者つまり竹中工務店が緑創館の差し押さえを申請したところで、訴訟が継続している間は、施設を従来通り使用して何の問題もありません。昔よくあったマンション訴訟などでは、訴訟になれば、事業者は工事をどんどん進めていくのです。告発者は黙って見ている他ありません。実力で工事を阻止すれば、威力業務妨害になるので、それだけで裁判は負けです。だから、普段どおり会館を使用して、何の問題もありません。但し、会館使用で緑窓会に何らかの所得が発生した場合は、それは何処かに供託しておいた方がよいでしょう。経費の細目、例えばガス代や電気代なども、県高とは別個に記録を残すべきです。何故なら、仮に裁判に負けたときには、所得も差し押さえの対象になるかもしれないからです。
 第二は発注者が独自に担保をいれている場合です。上で述べたように、緑窓会は法人格を持っていませんから、会長とその周辺が個人で債務を保障する事になります。しかし小西会長の個人財産も、地震後の白雪酒造の設備復旧や、その他の設備投資で、おそらく二重三重の抵当に入っている筈なので、果たしてどの程度の担保価値があるか、疑問なしとはしません。この場合も、一般会員は高見の見物で構いません。但し、背に腹は代えられない、で会長・役員が緑窓会の基本財産を流用しないよう、注意する必要はあります。」
Q;「現実に竹中工務店が訴訟に訴えることはあるのでしょうか?」
A;「実に鋭い質問です。この問題を,、ずーっと考えていると、現実にそういう事態は無いのじゃないか、という気になりました。そしてこれこそが、緑創館建設問題の本質と考えられるのです。これまでのいくつかのレポートで指摘されているように、小西会長、つまり白雪酒造と竹中工務店とは、特別の関係にあることは周知の事実です。他にも小西、つまり白雪酒造所有の土地は伊丹市内や周辺にあるはずです。これを考えると、竹中が小西を相手に訴訟を起こすでしょうか。訴訟を起こせば、緑創館のン千万だかの取りはぐれは、取り戻せるかもしれませんが、小西との縁はそれで切れます。その隙にライバル会社に、せっかく耕した田圃を荒らされるのです。それだったら、緑創館のン千万はほっといて、その替わりに小西の土地を地上げしたほうがよっぽど儲かるでしょう。半年に一回ぐらい『あの金はどうなってまんねん』と耳打ちすれば、小西は慌てて、同窓会員から金を集めてくるんですよ。竹中はなにをしなくても濡れ手で粟、という訳です。つまり、竹中は訴訟に訴える必要はありません。少なくとも、小西の土地を全部取り上げるまでは。」
Q;「そうすると結局、竹中はトータルでは損はしないということですか?だったら、追加募金というのは、新手の『オレオレ詐欺』みたいなモノではないですか。」
A;「『オレオレ詐欺』というのは言い過ぎかも判りませんが、近いかもしれませんね。というのは、これまでの募金者には旧制中学卒業生のような高齢者が多いからです。年金生活者から金を集めるのが、今一番楽なやり方なんですよ」
Q;「竹中は始めからこういうことを狙っていたのでしょうか?」
A;「難しい質問ですね。これまでの資料では、『そうだ』と云える証拠はありません。当初は、竹中が工事を随契で取れるように、色々と画策があったと思いますが、小西の土地を狙うというところまでは行かない。もし、そこまで考えが及ぶとすれば、工事代金の未回収が確実になった時点です。それが既に過ぎたのか、これからやってくるのか、契約の細部が公開されていないので何とも云えません。」
Q;「一般会員は、これから先どうすればよいのでしょう。」
A;「追加募金がこれ以上にならなくなったときは、緑窓会は債務不履行状態になります。最も重要なことは、現役員が緑窓会の基本財産に手を付けることを防止することです。そのためには現役員を一旦解任し、新役員で緑窓会への債務不存在確認を裁判所に申し立てることが考えられます。要するに、債務支払いの期限と範囲を限定し、債務を明確にした上で、問題を竹中と旧役員との関係に絞るのです。未回収分は旧役員から回収してくれ、つまり銀行の不良債権処理と同じやり方です。今のやり方では、一体幾ら債権が残って、何時になったら払い終えるのか、さっぱり判らない。極端にいえば、現役員の胸先三寸でどうにでもなるのです。そんなやり方が、今時許される訳がありません。少なくとも、一般会員はあのような無責任な役員の求めに応じて、募金に応じる義務も必要もない、とは云えます。」

(終わり)


(所見) なかなか面白い見解です。2、「山田さんの手記抜粋」がいわば小西・竹中密約説とするなら、これは「本事業は竹中の竹中による竹中の工事」という竹中単独説になります。小西は単に竹中の手の平で踊っていただけ、ということです。果たしてどちらが本当か、なかなか興味が尽きません。

 なお、最近もJR伊丹駅の西の、筆者の実家の近くで、かつての小西の土地に高層マンションが竹中の施工で出来上がりました。この土地はかつての倉庫の跡で、倉庫は古い木造、阪神大震災で写真のような被害を受けた建物です。なお、これの斜め向いにも、小西(白雪か)所有の空き地があります。これも、いずれマンションか何かになるのでしょうねえ。

 写真の左側の区画が現在、高層マンションに変わっています。倉庫の奥が右側に傾いているのが判ります。この種の変形は建物の上部が強い水平力(地震時の横揺れ)で揺さぶられて出来たものと考えられます。地盤が悪いと、基礎地盤の支持力が無くなって基礎が不当沈下したとも云えますが、この付近は地盤が良いのでそういうことはあり得ません。ところで、神戸から阪神間にかけては、初期鉛直力が大きく、殆どの構造物はこれにより骨組みが破壊されてしまって、次に来る水平動は破壊にはあまり寄与していません。この建物は水平動の影響を残しているのが非常に珍しいので、写真に残しました。おそらく、非常に粘り強い構造を持っていたのではないかと思われます。
 なおこれは緑創館の問題とは何の関係もありません。                                                               (横井 記)
(追記・・・・竹中工務店の責任の範囲について)
 やはり疑問に感じられるのは竹中工務店の役割です。いくらお得意先の小西の紹介だといっても、緑窓会は只の任意団体。実態が無いのは先刻承知の筈。2億の債権を全額回収出来ると思ったのでしょうか。会員数が仮に3万人あるとしても、その内約半数は女性で、更にその2/3位は姓が変わってしまって、任意に募金に応じられる立場にはありません。従って募金に応じられる立場にある人間は約2万人になります。その内何人が募金に応じるかというと、当時の景気情勢を考えれば、良くて1/3せいぜい1/4がいいところでしょう。募金者は5000〜6000人、一人平均2万円として、個人募金は1億〜1.2億、企業募金を3000万として、総予算は1.3〜1.5億になります。経費に2000万かかるとして会館建設費は1.1〜1.3億。これでもかなり甘い数字です。まともに考えれば2億なんて数字は到底出てきません。安全側を考えて建設費1億未満の立て替え案を緑窓会側に提示するのが、常識あるゼネコンのあるべき姿と思いますがね。それとも小西から2億という数字を出されて、営業が舞い上がったのでしょうか。そうだとすれば竹中工務店は只のアホということになります。どんな契約でも、契約前には相手の実態を十分調べておかなければなりません。それを怠っていたのなら、竹中の経営者責任が問われることもあり得るでしょう。(横井 記)



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