岸田内閣の場合

技術士(応用理学)  横井和夫


 真犯人はその事件で最も利益を得るものである、というのは古典的推理小説のお決まりパターン。今度のアベ殺害事件で最も利益を受けた者は誰か?それは現総理岸田である。というと犯人のバックに岸田がいるように見えるが、無論そんなことはない。しかし岸田が最大利益を受けるというのも間違いない。
1、94人という最大派閥を束ねるトップがいなくなったのだから、党内におけるアベ派の影響力低下は免れない。場合によっては派閥分裂の可能性もある。トップがいなくなって、後継者も決まらない派閥は、他派閥の草刈り場になるのが普通。
2、岸田が安定政権基盤を築くには、人事を掌握することが必須である。このためには参院選大勝というハードルが必要だったが、アベ死亡でそのハードルが下がった。また、党役員や内閣人事でもアベの干渉が酷かったが、今後はその恐れがなくなる。何故なら、何処に誰を押し込むかは、アベ個人の判断だったが、今やそれをやる人材がいない。もし誰かが勝手に動けば、それこそ派閥分裂だ。つまりアベがいなくなったおかげで岸田は思い通りの人事が出来る。
3、さらに重要なことは今後の選挙戦略である。現在のアベ派議員の半数以上は、12年選挙で当選したいわゆるアベチルドレンが占める。又それ以外にもアベが自ら引っ張ってきたのもいる。彼らの大部分は自前の組織を持たず、いわばアベの応援が無ければ自前の選挙もできない。例えば杉田水脈とか稲田朋美だ。
 彼らが当面くぐらなければならない関門は、次の衆院選での公認争いである。現在の自民党規約では、公認権はほぼ総裁・・・とその派閥・・・が握っている。そこで興味が沸くのが衆院山口三区(合区で4区がなくなる)。ここにはアベの元秘書が立民から立候補する。アベ晋三が死んだから急ぎ代役が必要だが、それが決まらない。弟の岸信夫は1区からが決まっている。これまでの自民党のやり方では、嫁の身代わり立候補が定番だが、嫁のアッキーが立候補するとは思えない。第一安倍家のゴッドマザー洋子とアッキーは犬猿の仲。仮にアッキーが了承しても、洋子はウンと云わない。かくて伝統の山口下関選挙区は野党の手に落ちるか?
4、以上のことから、今年9月末臨時国会明けにサプライズ衆院解散総選挙もあり得ると考えられる。衆院議員の皆さん準備は怠らないように。
5、昨年末から所謂アベ人脈と云われる人物が、次々とこの世を去っている。昨年末には石原慎太郎、今年に入ってからはJR東海の葛西、つい最近は富士フィルム古森。残るは日銀の黒田とかキャノンの御手洗位だ。黒田は来年退任が決まっているが、後任には当然岸田の意向が反映される。つまり財政再建派が力を持ち、利上げ円高誘導が始まるだろう。当然株価は下落する。アベ円安インフレ政策で濡れ手で粟の荒稼ぎをしていた堀江とか村上、竹中平蔵などがショックを受ける。ネットでアベ賞賛を繰り広げるのは、みんなこの手の連中。彼らが地獄を見る日がやってくるのか?
 さてアベ晋三とは何者か?権力を自分の周辺に集め、政敵をたたき、臣下でありながら国家を自分のものにしようとした。例えていえば平清盛か。しかし安倍を清盛に比較するのは余りに清盛に対して失礼だ。なぜなら我が横井家は、伊勢平氏に連なるれっきとした平家の一門。
 例えるなら郷土の先輩、山縣有朋だろう。ある人物が山縣を評して「候は自分の近親や近づくものには親切で面倒見もよいが、遠いもの、批判者には冷淡である」と。なんだかアベのお友達・依怙贔屓、自民党員であっても石破のような政敵に対する無視路線とそっくりである。これが長州特に萩人の特性だろう。 
(22/07/09)

 昼過ぎ少し外出した。家の近所に府道の交差点があって、その角の一つが自民党のポスター掲示板。見ると、松川るいのポスターがない。また松川の選挙カーが通り過ぎたが、何も云わない。
 さてアベ晋三暗殺・・・今のところ未遂…事件。あの年で心肺停止だから、多分駄目だろう。アベは元総理だから、アベが死んでも国の外交方針や全体の政局が大きく変わることはあり得ない。むしろ自民党内政局、中でも安倍派が大きく影響を受けると考えられる・・・なにせボスがいなくなるのだから・・・。上に述べた松川はアベ派。場合によっては清和会の分裂、自民党派閥の再編成。野党でも維新がどう影響を受けるか、が興味の的。
 こういう事件が起こると、たちまち起こるのが「民主主義への挑戦だ」、「言論への弾圧だ」てな言葉が、与野党を問わず定型句のように出てくる。本当か?そもそもこんな事件を起こす人間が、民主主義や言論自由の原則を理解しているとは思えない。理解しておればやるはずがない。最も民主主義や言論自由の原則を敵視していたのがアベ晋三自身なのだ。本望ではないか。
 はっきり言えば、アベは総理をやめた時点で、政局から足を洗い、引っ込んでおけばこんなことにならなくて済んだのだ。
(22/07/08) 

今日日銀黒田が官邸を訪問したよし。さては進退伺か。さてアベはどう出る?
(22/06/20)

人間誰でも思い通りにいかないと、イライラ焦るものだ。今世界で一番焦っている人物といえばロシアのプーチンだろう。原因は無論ウクライナ戦線の不調。それに自分の健康状態が追い打ちをかける。次が中国の習近平。新型コロナ対策で打ち出したゼロコロナが、上海で躓き思わぬ人民の批判。盟友プーチンの苦境が追い打ちをかける。更に先般日本で開かれたIPEF、QUAD会合で、まさかのインドとアメリカの接近。
 では日本で一番焦っているのは誰か?といえば、おそらく元総理のアベ晋三。かつて優柔不断だのお公家さんなどと侮っていた岸田が、政権発足後コロナ第六波も沈静化を見せ、支持率は高いとは言えないが安定水準をキープ。そしてIPEFもQUADも無事終了。特にQUADはアベ本人が種をまいた案件だけに、岸田に油揚げをさらわれた感じだ。このままでは岸田長期政権が誕生する。それはイカン、なんとかせねばと連日あちこちの講演で岸田の足を引っ張る作戦。しかしどれも上手くいかない。例えば「日銀国の子会社論」、「敵基地攻撃能力」、「核共有論」など。特に「日銀子会社論」は世間の評判が悪い。他の発言も悪乗りだとか、火事場泥棒だとか返ってブーメラン状態。
 挙句の果て、代貸の細田を使って衆院議員定数見直し案の見直しを諮った・・・心は定数が4人から3人に減る山口県での、自分の議席を死守するため・・・が、細田が議員の給料は安いからもっと増やしてよいなんて余計なことまで喋るものだから、世間から叩かれるは、おまけに自分のセクハラ疑惑まで飛び出す騒ぎ。とんだ藪蛇だ。それを陰でニタニタ笑って見ているのが、岸田、麻生、菅といったところ。
 「去るもの日々に疎し」とか「サルは木から落ちてもサルだが、代議士は選挙に落ちると只の人」なんてことばもある。更に中国には「水に落ちた犬も打て」という言葉もある。一旦権力を握った者は、それを手放した時の反動が怖いから、常にびくびくしなくてはならない。それが冒頭に述べたイライラ焦りに繋がるのである。
(22/05/25

 ロシアーウクライナ戦争が始まって暫くはダンマリを決め込んでいたが、戦況がロシア不利となると、いきなりロシア批判、ウクライナ支持を打ち出したのが、ウラジーミル・アベこと、日本元首相にして現職国会議員のアベ晋三。
 この変わり身の早さというか、強いものにおもねるへつらい精神というか、二股膏薬振りにあきれる。何を言い出すかというと「ゼレンスキー大統領には過去4、5回会ったことがあります。夫人にも会いました」。小学生の言い訳にも劣る。会った回数が問題なのではない。そこで何を語ったかということが政治家として問題なのである。
 何も語らなければ相手の記憶には残らない。今回ウクライナ外務省が発表した支援国の中に、日本が入っていなかったことが話題になりましたが、その理由はこれまで日本の政治家が、何も語らなかったことだろう。特にアベのように、かつてプーチン支持を鮮明にしていた人物が長期に渉って政権を維持していたことを考えれば、俄かに日本を信用できないのも当然かもしれない。
 それはそうと、先月からアベの発言が活発化している。やれ核共有化とか、敵基地攻撃能力とか、防衛費GDP比2%とか、なかでも噴飯はこの円安で物価高騰を招いているにもかかわらず、円安は良いことだ、アベノミクスは断然正しかったと怪気炎。おかげで日銀のプーチン黒田は金融緩和を継続し、売国円売りを加速させている。
 何故か?アベが今一番気にしているのは内閣支持率。これは岸田内閣を支えようということではない。内閣支持率低下こそが望みなのだ。そうなれば再び政局に影響を与えることができる。ところがこのところ、内閣支持率は持ち直してきている。更にあるメデイアの調査では、夏の参院選で自民党圧勝という予測がでている。
 6月参院選は岸田内閣初の国政選挙。これに敗れれば、これを機に一挙に倒閣、萩生田内閣を、とふんでいたが、圧勝となると岸田長期政権という芽が出てくる。これはいかん。おまけに次の衆院選は、10増10減で山口県は選挙区が一つ減る。自分の選挙区に寄りによって自分の元私設秘書が野党から出てくる。おまけに隣の山口2区には天敵林芳正が出てくる。なんとなくアベ包囲網が作られているようだ。プーチンではないが、この際なりふり構わず敵を叩き潰すべきだ。敵とは云うまでもなく岸田だ。そのためにはテレビでもツイッターでも何でも使う、いや使わざるを得ない。さて彼が用意できる核兵器はあるのか?維新と手をつなぎ、橋下を核弾頭に使うという手も考えているだろう。
(22/04/28)

 あきらめたはずの佐渡金山世界遺産登録申請を復活。「聞く力」と並んで、最早岸田内閣の定番となった「朝令暮改」が本当になった。これで一番慌てたのは文科省と外務省だろう。この件を裏で操ったのは、死んだはずのアベと死にかけの高市。この二人の背後にいる自民保守派という亡霊に脅えて、突然申請方針に踏み切った。踏み切った以上後戻りはできない。申請の途中で取り下げれば、二度と再申請はできず、将来の新たな申請の障害にもなる。
 表向きは参院選に向けての保守派支援維持とか、反発する韓国に対する対抗とかいっていますが、本音は別のところにあるのではないでしょうか?この問題は直接の当事者は外務省。ユネスコの審査委員会は21か国。日韓でもめているとなると、委員会もはいそうですかと聞き流すわけにはいかない。日韓両国が各国に働きかけることになる。つまり両国の外交力が試される場にもなる。
 さて今の外相は林芳正。衆院10増10減で山口県は4区から3区になる。アベとしてはなんとしても林を落としたい。そのために無理難題を押し付けてイメージダウンを図る。一方林も負けていられないから、この問題をうまく片付けることにより山口政界を抑えられることになる。同時に岸田内閣の支持率もアップするから良いことづくめ。本当は佐渡金山世界遺産登録が失敗するのを望んでいるのが、アベ・高市。登録成功でウハウハは岸田・林陣営という摩訶不思議な世界。白土三平の弁証法の世界だ。
(22/01/30)

 佐渡金山の世界遺産登録を巡って、政府は登録申請を見送り。理由は韓国からの抗議にあった。その元になったのは、かつて中国が南京虐殺事件を記憶遺産登録しようとしたときに、日本が反対して潰したこと。このとき日本が用いた論理が「加盟国全部の支持を得られる必要がある」。とんだブーメランだ。
 このときの首相はアベ晋三。本人今回の政府決定にいたくご立腹のようで、「全体をよく理解させなくてはならん」とか云って、自分がやったことをすっかり忘れている。この様にアベ晋三の精神的特徴の一つに「幼児性」がある。
 それはともかく、筆者は何故佐渡金山が世界遺産として保護されなくてはならないのか、さっぱりわからない**。佐渡金山は確かに日本に富をもたらした。しかし佐渡で採れた金の多くはヨーロッパに安値で流出したり巻き上げられたりして、むしろ幕府の財政赤字の元になったのである。
 その例の一つが長州がやった下関戦争の賠償金だ。たった2時間の戦闘で下関砲台は陥落。連合国は30万両の賠償金を要求。幕府はそれをローンではなく、現金で支払った。第一次大戦でフランスはドイツに対し天文学的賠償金を要求したが、ドイツは粘ってローン支払いで時間稼ぎ。その間に大恐慌が起こってマルクは暴落。これをチャンスにドイツ中央銀行はマルクを切り下げ、賠償金をチャラにしてしまった。
 日本人の金銭感覚の無さお粗末さを、日本国民に記憶させるには意味はあるかもしれないが、世界的には何の意味もない。むしろ佐渡金山は囚人労働の場、水銀汚染*の中心地としてなら世界遺産にしてもよいかもしれない。
*当時の金の精錬法は水銀アマルガム法。
**旧鉱山の文化遺跡といえば長崎沖の通称「軍艦島」こと端島炭鉱がある。日本で最初に石炭が見つかった処だ。佐渡金山は明治以降三菱鉱山が所有運営していた。戦後は財閥解体で分離した三菱金属鉱業が所有運営していたが昭和30年代には操業を停止し、手を引いた。
 筆者は昔三菱鉱業の系列会社に居たことがある。当時の鉱山会社は膨大な土地資産・・・但しみんな不採算遊休資産・・・を持っていた。これが経営上の重荷となって、とうとう遊休資産の有効利用法・・・要するに邪魔者の処分法・・・を社員に公募することになった。それが系列にもおよんできた。ある時支店長から「長崎の軍艦島をどうすればよいか」と尋ねられて、「ギャンブルセンターがよいだろう。ドッグレースなんかどうだ。あそこなら海に囲まれているから暴力団もシャットアウト出来る。長崎だから中国韓国からも人が呼べる」といったら「ウンそうだな」という返事。
 その後鉱業と兄弟分の金属との合併話が持ち上がり、筆者の会社にも親会社の人間が入り込んできた。合併で当然リストラがあるから天下り先を見に来たのだろう。そして連中の話を聞いていると、やっぱり「軍艦島」はカジノだ、という話。つまりみんな考えることは同じなのだ。三菱の誰も旧鉱山に文化的価値をみいだしていなかったのである。それがいつの間にか世界遺産だ。佐渡金山も誰かが言い出したのだろうが、少なくともかつてのオーナーだった三菱マテリアルではないことは間違いない。
(22/01//21)

 昨年来からの半導体不足に怖気づいて、政府が国立8高専に半導体コースを新設。どっちみち経産省の指金だろうが、何故我が国政府、中でも経産省系はこうも泥縄・場当たり・その場しのぎ主義なのか。今を去る50年ほど昔、第一次オイルショックに腰を抜かした政府は、いきなり全国の理学部や工学部でも資源系学科の増設、定員増を始めた。これも通産省(当時)の強い要請があったからである。学科・定員問題は文部省の所管。しかるに通産省のような実務官庁が文部省に強い影響を与えるというのは、国家100年の計を誤る基になる。
 その当時筆者が感じたのは、理念も何もない場当たり主義で定員を増やせば、将来地質屋の大量失業に繋がるだけだ。何故なら、地質教育には大変な時間と手間暇が掛かるのである。たかが大学4年でおざなり教育をやっても、出てきた学生の殆どは使い物にならない。現場が迷惑するだけだ。そしてバブル崩壊後、筆者の懸念は当にその通りになったのである。
 他にも慌てて有資格者を増やして失敗した例は幾らでもある。80年代、宇宙ロケットの打ち上げ失敗が相続いたり、メーカーの性能偽装がばれたりしたため、経産省は技術士の増員を要請した。しかし数を増やすだけで。技術士に何の権限も与えなかったから、結果は同じ。
 そもそも技術士という制度は戦後アメリカの制度を導入したもの。最も積極的だったのは建設省で、アメリカに倣って弁護士同様業務独占制を導入しようとしたが、最も強く反対したのが通産省。三菱他のメーカーが既得権益を奪われるを恐れて通産省に圧力をかけたからだ。結局技術士の権限は抑えられ、企業側の力が残った。その結果がどうなったか。最近相次いで明らかになったメーカーのデータ偽装。 例えば東洋ゴムの免振ごむデータ偽装、神戸製鋼のデータ偽装。中でも三菱電機が最も性質が悪い。これらの企業は皆経産省直系の主流。
 この原因は技術系が営業の下請けと化したからである。その原因は、新自由主義経済の影響で経営者が株価ばかり気にかけ、業績優先で内部拡充を怠った。経営者がこんな状態で技術士の数だけ増やしても、技術の劣化を招くだけである。さて今回のにわか作りの半導体エンジニア速成作戦。果たしてうまくいくでしょうか?
 日本の技術水準を元通りまで取り戻すには、まず産業界がいかがわしい新自由主義やアベノミクスと手を切ること。経営者は目先の利益に捉われず、視野を広げ長焦点でものごとを考えること。そのためにはくだらない経済学教科書や解説書などごみ箱に捨て、歴史書を読むこと。株の上場を取りやめるのも一法である・・・劇薬だが。政府はアホだから政府の言うことを信じてはならない。市場の状況は自分の目で確認すること。てなところか。
 そしてなんといっても重要なことは、自社で人材を育てることだ。社長にとって最も必要な能力は人を見る目である。親友社員というものは、将来の幹部候補生であり、会社の未来を託す原動力だ。その採用を人材コンサルタントに外注したり、AIで機械的に選別して満足などもってのほか。そんあ会社に将来はない。マキャベリ曰く「国家は自前の軍隊をもたねばならない。傭兵は信用できず、外国の援軍はあてにならない」。
(22/01/03)

 何故か日本の自民党支持率が低下すると再開するのが、北朝鮮のミサイル実験。アベ時代このおかげで自民党政権支持率は、モリかけなどで低下したかと思うと回復してきた。まるで金正恩とアベ晋三が裏で手を握っているかのようにだ。
 過去最低レベルまで支持率が落ち込んだ菅政権に変わって岸田政権が発足すると、途端に始まったのが北朝鮮ミサイル実験。これに付き合っているのか、韓国までSLBM実験。この結果、たちまち復活してきたのが「敵基地保有能力」保持論。総裁選では高市だけで岸田jは消極的だったが、衆院選自民党公約にきっちり盛り込まれた。高市(=アベ)に押し込まれたのだ。この点が岸田の限界。
 なんとなく怖いジャイアンからこうしろと脅かされると、ヘイコラと従ってしまうのび太の印象なのだ。これも育ちが良すぎるためか。戦うための基本が出来ていない。岸田の陰気なポスターを見ても、自民候補者はモチベーションは上がらないだろう。ここ1年の短期政権に終わる可能性が高い。
 なお野党は今の状態では政権交代は目指さず、自公に責任を押し付けたほうが良い。理由は台湾情勢である。もし日本で政権交代が起これば、間違いなく中国は台湾で問題を起こす。今の野党にそれに対抗できる能力はない。敢えて火中の栗を拾う必要はない。
(21/10/17)

 国会論戦二日目。初日はまあまあだったが、二日目・・・各論・・・になると途端に腰砕け。やれ金融課税は見送るとか、成長あって分配だとか、まるっきりアベノミクスの焼き直し。総選挙を控え保守派・・・細田派、麻生派・・・への気配りだろうが、背後にアベの影がちらついているのが見え見え。この点が岸田の欠点か。いざというときに踏み切れない。
 これは彼自身の性格というより、出身校である開成の校風か?とにかく東大ー官僚コースがメジャーだから、いざというときに度胸が出ないのは当然。あの与野党バラマキ批判を文春に公開した財務次官も、結局は前・現大臣のウンを貰わなけりゃ、何もしなかったはずだ。あの財務次官論文は、本人の考えというより、バックの麻生やアベの意図を受けたもの。一種のアドバルーンだよ。
(21/10/12)

 なんと岸田内閣支持率が63%%強とV字回復。それもアベシンパにして自民保守系拡声器のフジサンケイグループ調査だから驚く。フジサンケイはこれはご祝儀だ、と云うが、通常ご祝儀とは政権発足直後の数字。今回の数字は岸田が国会で所信表明を行った後の数字。全く意味が異なる。これは60年、岸から池田への政権交代を思い出させる。
 岸内閣はアメリカからオイルメジャー救済のための資源エネルギー転換を迫られ、結果として出てきたのが、原発・・・これはGE救済策・・・と三井三池争議。更に続く60年安保闘争で、遂に退陣。ライバルの池田勇人に政権を渡した。この時岸は三池争議や安保反対デモ潰しに、全国の右翼・やくざを動員した。その走狗として全体を取り仕切ったのが児玉譽志夫。両者の腐れ縁は満州時代に始まるが、岸の内地帰国で一旦断絶。総理の東条がやくざとの付き合いを嫌ったのだろう。ライバルを倒すのなら、やくざじゃなくて憲兵を使う。:戦後岸が巣鴨から出獄して再び復活。
 岸の一見理念主義・・・というより吉田松陰以来の独りよがりのバカげた思い込み、木戸、山縣に至る権力主義・・・による強引政治が、結局政権崩壊に至った。次の池田は「対話と協調」を掲げ、ライスカレー会議で世論を和らげ、「所得倍増」を掲げて高度成長を成し遂げた。これが宏池会の原点である。
 「成長より分配」は池田の「所得倍増」に、「聞く耳を持つ」というのは同じく「ライスカレー会議」に通じる。フジの世論調査結果はそれを反映したものだろう。但しこれに党内保守派は猛反発する。これに対し岸田の姿勢が揺れれば、支持率はまたユリ戻す。総選挙まであと3週間。短いようで長い。一時の油断でひっくり返る可能性は十分ある。
*やくざとの付き合いを嫌った東条が死刑で、拒まなかった岸の量刑が少なかったのは何故か?東条には思想がなく、見方によっては共産主義に近い点もあるが、岸は徹底的な反共主義者だった。当時(1948年)、ヨーロッパではソ連の攻勢が強く、ヨーロッパ共産化の恐れもあった。アメリカとしては反共主義者の岸の方が利用価値があったのだ。
(21/10/11)

 岸田新内閣発足三日目で、マスコミ各社の世論調査結果が出そろって来ました。筆者はご祝儀も含め少し甘めに55%前後と予想しましたが、やっぱりオオアマでした。朝日の45%、毎日の49%というのは、アンチ自民の両紙なら当然かもしれないが、それでも50%割れは酷い。自民応援団の読売が54%、日経の59%というのも意外。これらマスコミ各誌の調査結果は世論全体の傾向というより、購読者の支持傾向、つまり朝日・毎日はアンチ自民(リベラル)系、読売・サンケイ・日経は自民(保守)系の傾向を表す。これらの結果から、云えるのは岸田新内閣は左右両派から十分な支持を取り付けていないということだ。
 まず、岸田は当初「新しい資本主義」というフレーズを掲げ、「成長より分配を」、というテーゼで金融課税強化等アベノミクス見直し路線を示唆した。これは宏池会の伝統でもある。また一連のアベ疑惑にも「丁寧な説明を」とアベ政治との決別を示唆した。これは党内左派だけでなく、野党にもウイングを広げる効果を狙ったもの。ところが、党内右派の反発を受けると途端に「モリかけ、さくらで再調査はしない」とか、「憲法改正」、「女系天皇否定」、「敵地攻撃能力保持」等、保守派の主張を受け入れる方向に転回。これにより左派リベラルの支持を失った。
 一方、対する保守派にとってアベノミクスを否定する分配重視経済は認められないし、総裁選の土壇場に、とってつけたように打ち出した右旋回も、実際は高市のところへ行く細田派票を横流ししてもらうための方便で本心ではない、要するに信用ならん奴だ。ということで保守派の支持も上昇しない。
 おまけに新政権人事の内甘利幹事長、高市政調会長は左右両派に歓迎できるものではない。この結果、支持率が伸びなかった。世間はご祝儀相場にならなかったというが、筆者はむしろ20%程度はご祝儀はあったと思う。これを差し引けば、実際の支持率は25~35%程度。つまり菅政権末期と変わらない、ということになる。
(21/10/08)

 岸田次期内閣メンバーの名前が次第に出てきています。筆者が興味を持つのは法務大臣です。法務大臣なんていてもいなくてもよい盲腸ポストじゃないかと思う人もいるだろうがとんでもない。今年国際問題にもなった名古屋入管のスリランカ女性死亡事件。これはそもそも法務省の所管。法務大臣が馬鹿で頓馬だから、またまた日本の国際評価を下げてしまった。
 問題はそんなところではない。例のアベ晋三「さくらを見る会」事件は検察審査会の命令で東京地検の強制起訴の捜査対象。これがあるからアベは表に出てこれない。もし検察が起訴ということになれば政治生命を絶たれる。これはなんとしても防がなくてはならない。
 検察の独走を防げるのは法務大臣だけ。法務大臣に自分の息がかかった人物を押せば、いざとなれば指揮権を発動できる。思い返せば大叔父の佐藤栄作が造船疑獄事件で逮捕寸前まで行ったとき、犬養法相の指揮権発動でピンチを逃れたことがある。この手を使おう。法務大臣を使って検察をコントロールする。これこそ岸一族のお家芸。
(21/10/03)