日大事件の本質

技術士 横井和夫


 元スマップの中居正弘というタレントが、某テレビ番組で、元日大アメフト部の宮川選手の対応が立派だったのは、井上コーチの教育のお陰だと馬鹿発言。こういう馬鹿タレントはテレビだけでなく、芸能界からも追放すべきである。
 そもそも宮川選手の堂々とした態度に比べ、井上のオタオタした態度、説明になっていない言い訳など、どちらが人間的に優れているか一目瞭然である。宮川があああいう態度をとれたのは、内田・井上のお陰なんかではなく、その呪縛から解放されたからである。ワタクシがスポンサーなら、番組提供を降りるよ。スポンサーが何処か知らないが、アメリカなら不買運動ものだ。今頃中居やテレビ局は炎上中だろう。
(18/06/07)

 連日大騒ぎの日大の日アメフト悪質タックル問題。アメフト界としては、内田・井上の除名、森コーチの資格停止で一応のけじめをつけた。しかし日大の中では、全く処分は行われていないのが実情。しかし警察の動きはこれらとは全く別である。被害学生が加害者並びに内田・井上を障害・障害教唆で刑事告発している。更に違法タックルのビデオも残っているから、これは殆ど現行犯とおなじである。この結果警察は、事件について捜査を進めなくてはならない。
 まず加害者である宮川選手については、本人も深く反省していること、被害者との示談や減刑嘆願書も多いことから、逮捕せず任意取り調べで奉書を取って送検ということになるだろう。
 一方内田・井上は共同正犯の疑いがあり、反省もなく更に口裏合わせという捜査妨害に出る可能性もあるので、逮捕拘束して供述を取る可能性もある。問題はこれだけでは済まない。双方の供述の裏付けを取るため、関係者(他のコーチや選手・卒業生)への聞き込みも必要である。これが無ければ公判が維持出来ないから、送検も出来ない。この過程で、今回だけでなく過去の暴行障害脅迫事犯が、明るみに出る可能性がある。そうなれば、この事件は更なる広がりをみせることになる。
 警察の最終的な狙いは内田・井上だけではなく、トップの田中、その腹心とされる井ノ口らと、闇世界ずばり右翼・暴力団との係わりだろう。田中英寿が日大でトントン拍子に出世出来たのは、50年前の日大紛争当時の古田会頭の引きがあったから。
 古田のバックには佐藤栄作始め自民党右派がいた。その手先をやっていたのが、当時公安警察にいた無知無学の佐々淳行である。そしてこの係累に繋がるのが、今の公安警察で、その多くのOBが日大危機管理学部に天下っているのだ。今回の例を見ても、日本の公安警察が、いかに危機管理能力がないかが、よくわかる。トランプやポンペオ(元CIA長官)は、この顛末を見て、日本政府の危機管理能力に、大いに疑問を持ったのではないか? 
 というわけで、今回露顕した日大アメフト部問題は、舛添要一のような間抜けが言う小さい問題ではなく、日本の危機管理、ひいては外交にも関係する重大問題なのだ。
(18/06/05)

 例の舛添要一が連日続く日大アメフト騒動に業を煮やしてか、「今日本は国際的には北朝鮮問題やTPP問題、庫内的には改憲問題等、課題が山積しているにもかかわらずマスコミは、日大問題のような小さい話題ばかり報道する。これでは国家が滅亡する」と説教。自分自身がマスコミ報道で首を斬られたと思っているから、よっぽど腹に据えかねるのあろう。それとももっとオレを登場させろと、マスコミにお願いしているのか?
 しかしこれは、舛添の無知無学ぶりを表したものに過ぎない。日大アメフト問題は舛添が思っているほど小さい問題ではない。これは帝国崩壊プロセスを、現代でまざまざと見せつけた実例なのである。帝国を作るのに何が必要かというと、人知を超えた権威・・・通常は神か予言者・・・、強力な軍事力と支持者達。政策など二の次でよい。そしてライバルが退場するのに必要な時間である。
 内田は理事長の田中英寿という権威をバックに、常務理事・人事部長という要職を兼ねて全体ににらみを利かせ、保健体育協議会事務局長も兼ねて、体育会系予算を独占し、更にOBの就職やその他で大学内外に支持者を増やし、日大内にアメフト部を起点に内田帝国ともいうべき組織を作った。
 人事・予算更におそらくは同窓会組織も手に入れて盤石の体制を作ったはずだった。しかし対関学交流戦という、いわばマイナーな試合に、余計な口をはさんだためにとんでもないことになった。アメフト会からは追放、日大でも役職を外され、おまけに側近の井上も追放の目。帝国が滅びる時は大体似たようなものだ。だから日大アメフト事件の研究は、世界史に数多い国家興亡メカニズムの研究にもつながる。そんなことも分からない舛添など、最早馬鹿」を通り越して老害の域に達している。なお、野村も又おかしなことを言い出したようだが、これも老害。この世から永久追放した方がマシだ。
 舛添もいやしくも国際政治学者の末端なら、少しはそういう目で物事を見なければならない。
 なお、今の日本の国政を見ると、当にアベ一強帝国である。国会銀に対しては自民党総裁の公認権を使って脅しを掛け、内閣人事局を使って官僚を操り、経団連首脳にお友達を送り込んで経済を牛耳る。まさに勢い留まるところを知らない状態。しかしモリ・加計問題の始末を誤ったために難問山積。場合によっては、内田帝国同様、」あっという間に崩壊するかもしれないのである。
(18/06/03)

 米朝会談始め国際情勢を無視して・・・というより国際的に無視されて・・・大騒ぎの日大アメフト部騒動。昨日関東学生アメフト連盟から内田前監督、井上前コーチらへの処分が下され、ひとまず決着。 この騒動、よく見ると一種の世代間戦争のような点もある。世間の評価は、自ら事件のかかわり方を公表した加害選手に同情的で、更にその態度に対し高評価を送っている。他大学や企業からもオファーが来ているらしいから、捨てる神あれば拾う神在だ。更に被害選手が加害選手にエールを送ったり、日大アメフト部選手が共同声明を出すなど、加害選手擁護の輪が広がっている。
 それに引き換え、ケチョンケチョンなのは内田・井上ライン。殆どひとでなし呼ばわりだ。批判は更に広がり、理事長田中・・・相撲部出身だけあって、やくざも顔負けのコワモテだ。最近は力士でもあんな面相は駄目で、インスタ映えするイケメンでなくてはならない・・・まで批判の矢面に立たされる。内田などすっかりヒール扱いだ。
 さて興味があるのは、今評判を挙げている日大選手、それを許す関学選手。みんな20才前後で、「ゆとり教育」まっただ中で育った世代。逆に批判の矢面に立たされている井上元コーチはプレゆとり教育。内田も年から云えば戦後民主教育を受けているはずだが、実は共通一次の走りだ。又この世代は「巨人の星」世代でもある。内田のスパルタ手法は、この手の安物スポコン漫画に影響されたのだろう。無論井上はセンター試験世代。競争が一番の世代である。
 子は親に似るというが、内田の親はどんな世代か、と考えると、丁度80代後半20から90才台。終戦の年に10代から20代と云ったところ。いわゆる高度成長期のモーレツサラリーマン世代だから、競争心や滅私奉公精神が強い。そういう親に育てられると、ああいう人間が出来るのである。なおこの世代今から30年程昔のバブル期。数多くの金融不祥事を起こして、日本経済を破滅に追い込んだ世代でもある。因果は巡る回り灯篭、親の因果が子に報い、だ。なお、今回評判を上げた日大アメフト部選手始め、平昌オリンピックでメダルを量産した日本若手、特にスケート女子の殆ど全員が「ゆとり世代」だ。
(18/05/30)


 大騒動の日大アメフト悪質タックル事件。筆者は日大にもアメフトにも関心はないが、この騒ぎから見えてくるのは、一部の特権階級による公的組織の私物化である。一つは内田監督による日大アメフト部の私物化。その背景にあるのは、田中現日大理事長と常務理事兼人事部長である内田のコンビによる、日大そのものの私物化である。1970年代の学園紛争は日大争議が出発点。古田日大総長の大学私物化に反発した学生が、古田退陣を求めて全学ストライキに入ったのがきっかけ。これが東大その他に飛び火して、全国的大学紛争に発展した。そう考えれば、日大という大学は、相変わらず騒ぎの火付け役だ。
 メデイアに出てくる論調は、次第に悪質タックルよりも日大批判にシフトしている。その油に火をつけているのが、日大側の対応。選手との意思の乖離とか、そんなことは言っていないとかの言い訳の連続。メデイアだけでなく、みんなこれをモリ加計問題での政府高官や財務省の対応に重ねて見てしまうのである。何故かというと、現在の日本の政治がアベ一強体制の下、与党はアベー麻生ライン、官邸はアベー経産省ラインに連なる一部の特権階級(アベ夫婦もその一部)によって私物化されているからである。
 国家が一部の特権階級によって私物化される政治システムは、エジプトやローマなど古代帝国に特徴的な現象である。そこでは、社会を支配するルールは、法律ではなく魔法である。魔法は信ずるものは救われ、信じないものは祟りを受ける、と人々に囁く。日大の宮川選手は、内田監督から魔法に掛けられ、そして悪質タックルに奔ったのだろう。ちなみに中世社会を支配したのは宗教、近世社会はマネー(現金)、近現代は武力と証券。
 一方古代の帝王はポピュリストでもある。彼らは常に人民の支持を欲する。そのためにやるのがバラマキ。内田監督は選手に一流企業への就職斡旋というバラマキをやって、地位をたもってきたのだ。
 人々はこのバラマキ菓子に毒が入っているのも知らず、それに飛びつく。ただバラマキには経済学の根拠がないから、たちまち帝国の財政は赤字。赤字を埋めるために外征を行う。成功すれば大儲けだが、失敗すれば大変な負債を抱え込む。古代からの帝国の歴史を見れば、永久にバラマキを続けられた国はない。アベノミクスというバラマキ政策をみると、今のアベ政権と日大アメフト部、そしてついには滅亡してしまった古代帝国が重なって見えるのである。
(18/05/24)