談合の奨め(2)

注意! 世間では落札率が高いことが談合の証拠とされますが、落札率と談合の有無には何の関係もありません。又、 OBによる談合の指導が取りざたされていますが、OBが業者の選定や落札価格に干渉することはあり得ません。イノセのような三流テキヤのタンカ売に騙されないように。アメ横じゃないんだから。

 橋梁談合の調整役が逮捕されました。あの業界にはこういうドンがいて業界秩序を作ってきたわけだ。うらやましいですねえ。それに引き替え地質の業界はそういうドンがいなかったためにデタラメの繰り返し。周りの業界から馬鹿にされるだけ。
 談合とは利潤を均等に配分するシステムです。その結果、談合参加企業は確実に利益が挙げられるので、それが国の税収増となり、周り回って社会資本の充実、資産形成に寄与する。一方、談合を止めてフリーにすると、とんでもない業者が赤字受注するため税収増に繋がらない。更にこれが実績となって工事単価が下落して、まともなことをやっていたのでは利益があがらなくなるのでますます税収減になる。これが周り回って、福祉切り捨てや増税に結びつくのである。つまり、談合禁止はマイナスの連鎖しか生まない。青森県では有名な談合破り業者がいて、再工事の常習犯らしい。頭の悪い(つまり計算が出来ない)文系マスコミは、工事の監督を厳しくすればよいとか、業者負担で再工事をさせればよいなどとノー天気なことを云うが、それが出来れば誰も苦労しない。工事の監督や再工事でも、なんらかの形で発注者側(つまり納税者側)にコストが発生する。例えば技術吏員を最小限にした場合、工事発注が集中すると監督員の数が足りなくなり、「厳しい監督」ができなくなる。それどころか、今時役所側にキチンとした工事監督が出来る役人などいないよ。みんな業者任せでやってきたからね。逆に要員に余裕を持たすと、予算の端境期に無駄な人件費が発生することになる。それこそ、マスコミや市民団体などのアホ集団に狙われる素になる。
 それなら談合を黙認して、業者の利益をある程度確保し、自主管理に任せた方がやすく付く。更にフリー受注の場合、業者は設計図面通りにしか作らない。設計にミスがあった場合、訴訟事になるでしょう。発注者側にとって、勝っても負けてもコストの発生は避けられない。尤もそういう時こそ我々技術士の出番なのだから、大いに期待したいですがね。もっと酷いのは、供用後手抜き工事が見つかって、工事会社に再工事を命令しようとしても、その業者が倒産しておれば、再工事は発注者負担で別業者に委託しなければならないことになる。談合機構が維持されて居れば、このようなケースは考えられない。つまり、手抜き工事で発注者や談合機構のメンツを潰した場合、その業者は談合機構から追放されてしまう。指名停止にならなくても、受注チャンスを奪われてしまうのである。このシステムにより、公共構造物の安全性は担保される。しかし、この連鎖がどこかで断ち切られたとき、安全性は誰がどの様にして担保するのでしょうか?何度も云いますが、今や日本の役所にキチンとした工事監督が出来る能力は残っていないのですよ。自由競争主義者にその辺のところを詳しく聞いてみたい。(07/14)

 昨日(07/16)、何気なくTVのスウィッチを入れると、鋼製橋談合の討論会をやっていて、例の馬鹿のイノセが何か訳の分からぬことを言い立てていた。それを受けてアナウンサーが落札価格は7割が常識ですよ、と云う。そんな常識、何処にあったか知らないが7割だと元請けには利益は残らない。神戸市や鉄建公団が当にそれで、始めから発注者が3割はねるから受注価格は下請け価格。更に会社はこれから粗利3割をはねるから、現場実行予算は予算の0.7×0.7で半分以下になる。現場経費に1割はかかるから、実際の工事原価は予算の4割以下に抑えなくてはならない。この場合、まず下請けと材料費を叩く。しかしこれにも限界がある。そうするとどうすればよいか?バブル崩壊以降、どの会社でも「目に見えないコスト削減につとめよう!」といったスローガンが流行った。これの意味することは、目に見えない所で手を抜け、ということだ。明治安田の「死差益を拡大させよう!」というスローガンと同じである。現場担当者としては、如何に眼に付かないところで手を抜くか、が腕の見せ所になるのだ。これが現場だけで済めば未だましである。
 この結果、将来起こるであろうと懸念されることの一つに過積載の横行がある。バブル崩壊以降過積載が増えている。これが鋼製橋入札がフリーになると更に増えるだろう(予算の7割以下が常識らしいから)。鋼製橋の場合、資材を工場から現場に運搬しなければならない。この運搬費が工事原価で馬鹿にならない。これを低減させようと思えば運搬回数を減らすしかない。従って、運搬業者は過積載に奔るし、過積載を受け入れる業者でなければ下請けとして生き残れない。過積載が横行するとどういうことが発生するか?まず道路や橋梁の劣化が進む。バブル以降、よく起こる事故に道路からの湧水や陥没がある。これの直接原因は水道管や下水道管の破損であるが、過積載がこういった埋設管の劣化を促進している可能性は高い、と私は考えている。鋼製橋の場合、構造物が明確に視認出来ること、検査技術の進歩から、構造物本体で手抜きすることは殆ど不可能である。従って、直接検査の対象にならない間接経費項目で原価を低減し、そのコストは社会で負担していただくという発想になる。つまり、目先の談合摘発などと言った三文小説みたいなことをやっていると、知らない間に自分の身の回りや足下が浸食されていくのだ。結果として社会コストが高いものに付く。
 本日サンプロにまたまた、イノセが出演。郵政民営化が道路公団改革の本命と主張。更に東洋大の松原が「建設業は競争すると質が低下するというが、そんな業界聞いたことがない」などと云う。今回の参議院で郵政法案が否決されれば、本来なら内閣総辞職、総選挙になった場合でもコイズミ政権が持続する可能性は低い。つまり、イノセは今年の秋でクビだ。それが見えているからほえ立てているのだろう。松原に至っては噴飯としか云いようがない。全く中身を勉強していない。知的レベルは中学生以下である。土木建設業は一見、企業間競争は無いように見える。しかし、技術間競争は熾烈を極めている。例えばトンネルはNATMになってから、掘削単価は半分以下になった。他の事業でも同様で、60年代以前の古い工法は概ね追放され、機械化を前提とした新世代工法しか生き残っていない。つまり、今の日本のマスコミや経済学者は、競争といえば企業間競争しかないと思っている。実はそれとは別に技術間・工法間競争というものがあるのだ。それが理解出来ないから談合の構造が理解出来ないのだろう。これの次に狙われるのは安全管理費でしょう。(07/17)

 今の道路公団総裁はイトチュー(CI)の出身。今時、国内メーカーは自動車用鋼板のような高付加価値商品に特化しているから、構造用鋼材のような安物は作らない。鋼製橋のようなトンなんぼといった鋼材は韓国・中国製が当たり前。だから小渕がいくら公共投資をやっても、景気回復に火がつかなかったのは当たり前。儲かったのは、韓国と中国のメーカーとその間を取り持つ日本の商社だけ。橋梁メーカーが談合を繰り返している裏で商社が儲かっているのだ。その一つが総裁の出身会社であるCIだったりすると、これは実に悪い冗談ですね。

史上最大の談合;
 これはバブル崩壊後当時の不良債権処理である。ここでは、預金金利は最低(手数料を考えるとマイナス金利)に抑えられ、貸し出し金利は高いまま。銀行は明治安田がやった死差益拡大手法を先んじてやっていたのである。しかもこれは大蔵省、金融庁主導で行われた。だからどの銀行も金利・手数料は同じ。これを官製談合と云わずして何を官製談合というのか?これによって消滅された国民資産の総額に比べれば、橋梁談合などかわいらしいものだ。これこそ史上最大・最悪の官製談合である。イノセなど、それに気が付かないのか?気が付かないのならただの馬鹿。気が付いているのなら詐欺師だ。(07/20)
 作家のイノセは、郵政と道路公団にはかみつくが、新幹線には何も云わない。新幹線族のドン、古里がコイズミ支持に回っているからか?もしそうならイノセこそ正義の味方面をして国民を欺く君側の奸、ペテン師である。新幹線こそ談合の塊。列島を駆け抜ける弾丸列車、じゃなくて談合列車だ。(07/26)

マスコミ談合

 マスコミは他人の粗はしつこくほじくり返すが、自分の都合の悪いことには黙して語らずだ。最近のマスコミスキャンダル。例のフジTVアナウンサーKによる未成年者飲酒教唆事件。これは立派な刑事事件だが(何故、宮城県警は立件しないのか不思議?まさか裏金が未だ残っていて、それをマスコミにもみ消してもらおうという裏取引じゃないだろうねえ)、TVマスコミには全くいっていいほど登場しない。タマに登場してもワイドショーかなんかの軽薄番組で、芸能リポーターや三流芸人が現れて、Kの弁護をしたり、Kと未成年者との男女関係などという下世話な問題にすりかえようとする。他にフジアナウンサーSがかつてドイツで買春したと自白した。この結果、フジTVは買春事件を非難する権利がなくなる。問題はそういうことではなく、一部産業の企業コンプライアンス無視という社会的不公正の存在である。こういうことを敢えて他のTVマスコミが無視するのは一種の情報談合ではないのか?(07/26)

 今を去ること、25年ほど昔。神戸市は北神ニュータウン(今は北六甲台とか云っているらしいが)の一次土質調査の入札で話しが付かず、フリーになって、当時筆者が勤務していた会社が無理矢理受注した。受注額は予算のおおよそ7割。結果は大赤字でこれが筆者がその会社を退社する原因の一つになった。無論筆者が受注調整をやったわけではなく、当時の技術部長が積算を間違えていただけなのだが、会社と言うのは常に直接担当者に責任を持って行きたがるものである。その一年後、今度はその団地の造成設計をやっているコンサルの下請けで団地外周の軟弱地盤対策調査と対策工設計をやった。その過程で現地の神戸市現場事務所に行った所、思いがけない話しを聞いた。筆者が調査をやった後で、二次調査が発注された。これもフリーである。我が社は指名にも入っていない。二次調査の内容は主に弾性波探査。どこの業者が受注したかというと、神戸では名うての悪質業者。技術力など何にもない、弾性波探査が出来るなど到底思えない。そこでその会社の報告書を見せて貰ったところ、「ウーン、これは弾性波探査をやっていないな!」とうのが印象。無論そんなことは神戸市担当者には云わない。何故、やっていないと感づいたかと云うと、@速度層断面図が綺麗すぎる。普通神戸層群で弾性波探査をやると「飛び」という現象が発生し、速度層断面図は教科書どおりにはならないものである。現に一次調査ではそういう現象が見られた。A走時曲線が添付されていない。
 要するに、弾性波探査などやらずに適当に成果をでっちあげたのだろう。問題は神戸市の役人・・・だけでなく世の中の土木屋に弾性波探査がどういうものか理解出来る人間がいないことだ。入札を完全フリーにすればこういう問題が各地で発生するだろう。(07/27)

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