アメリカの栄光と挫折

横井技術士事務所
技術士(応用理学) 横井和夫


 アメリカトランプ閣議で、閣僚みんながトランプヨイショパフォーマンスという報道。何処まで本当か分からないが、日本の閣議でも似たようなことが行なわれているのではないでしょうか?
 そのヨイショの仕方で、内閣府での出世の仕方が変わってくるわけだ。トランプも四代目のお坊ちゃん。アベ晋三も三代目のお坊ちゃん。似たようなものだ。
(17/06/13)

 トランプが地球温暖化に関するパリ協定離脱を発表する模様。一旦は軟化する様子を見せていたが、帰国するなりこういう行動。おそらく、次第に低下する支持率が気になって、コアな支持層が多い中西部産炭地帯、いわゆるサンクスベルトの支持を確保したい狙いだろう。
 ではこのサンクスベルト地帯は、何故こうなってしまったのか?その理由の一つは、石炭企業経営者、石炭労働者とその労働組合、地域議員(主に共和党下院議員)の強欲と無責任、もう一つがレーガノミックスです。この両者が組み合わさって、この地域の構造改革を遅らせ、全米一の産業後進地帯にしてしまったのです。
 日本のケースと比べてみましょう。かつて日本にも産炭地はありました。北九州・北海道道央部などです。昭和30年代後半、日本(岸内閣・・・アベ晋三の母方の祖父)はアメリカの要求に屈して、エネルギー政策を石炭中心から石油中心に変えた。このことから、現在まで続く日本の対米従属外交が始まるのです。
 それはともかく、そこで始めたのが石炭合理化。当然これに対する反発も凄く、100日に及ぶ三井三池闘争に発展する。これに岸派が動員したヤクザが加わって泥沼化。これが60年反米安保闘争に発展し、岸信介は惨めに退陣。後を継いだ池田内閣は国民融和を掲げ、産炭地振興事業法を作って、炭鉱失業者の救済を図った。それに貢献したのが、公共事業である。炭鉱や鉱山の掘削に使う技術は、そっくり土木、特にトンネル技術に転用出来る。筆者は地質屋だが、技術パートではどちらかと云うとトンネルが得意だ。炭鉱・鉱山の技術がなければ、青函トンネルも何もできなかっただろう。現在の日本のトンネル工法はNATMと呼ばれるものだが、この特徴はロックボルトを用いて地山を補強しながら進むというものである。実はこれは既に炭鉱で用いられていた。この経験があったから、紆余曲折はあったにせよ、日本でNATMが受け入れられた原因でもある。
 かくして日本は公共を旗印にして、建設産業に産炭地で発生した失業者の吸収に成功したのである。これは80年代超円高時代でもとりあえずの効果を発揮した。しかし何時までもこの手が使えるとは限らない。
 翻ってアメリカはどうか?ベトナム戦争が終わって、アメリカは深刻な景気シュリンク状態に陥った。これを立て直そうとしたのがレーガンだが、彼が頼りにした経済政策のバックは、フリードマン率いるシカゴ学派。シカゴ学派の主張を簡単に言えば「プロフィト無き投資は悪だ」というものである。つまりある事業に投資しても、そこから何も利益が産まれなければ、それは投資家あるいは一般市民に対する背信行為に当たるというものである。
 一般に公共事業と云うものは、利益を伴わない事業に対する投資である。これだけでシカゴ学派の定義から外れるから、レーガン政権は公共事業を止めてしまった。その結果が、現在アメリカの社会インフラの劣化とラストベルトの形成である。

 さてアメリカがパリ協定を離脱したところで、アメリカ経済の回復は可能でしょうか?これにOKという経済学者や評論家は殆どいない。みんなダメだと言っている。こういう人たちは物事をグローバルに、相互の複雑な関係をまず考える。こういうのをいわゆる”知性派”と呼ぶ。知性派でも右もいれば左もいる。良い人間もいれば、嫌な奴もいる。ニューヨークの投資銀行のデイーラー達は、人間的には嫌な奴だが知性派には間違いない。
 逆にトランプとその支持者達は”反知性派”と呼ばれる。彼らの特徴は、視野が狭く自分やその周囲(地域・国家)の利益しか考えず孤立主義的である。昔のやり方を絶対視し、新しい手法やシステムの導入を拒否する。ここからはイノベーションは生まれない。これは何もアメリカラストベルトだけのことを言っているのではない。近年ヨーロッパを中心に、日本でも勢力を増している保守・復古主義的傾向を指しているのである。
 反知性派の代表トランプが意識しているのは、アメリカ中部のペンシルバニアやアイオアと云った、かつての産炭地と炭鉱労働者のことだろう。石炭産業は第一次産業で、これに関連する第二次産業業の代表的なもの、は鉄鋼と電力である。ところが今のアメリカ鉄鋼業は全く競争力をなくしている。その証拠が政権発足後すぐに打ち出した、中国・日本製鉄鋼製品に対するダンピング課税である。電力でも同じで、同じ化石エネルギーでも、石炭は石油に比べエネルギー効率が格段に悪い。無論現在ではエネルギー効率を高める技術も開発されているが、それを使えば当然コスト増になる。
 もう一つの問題は、設備の老朽化と採鉱技術の継続性である。永年のレーガノミクス路線で、炭鉱設備はすっかり老朽化している。一昨年だかに、アパラチア地方のある炭鉱で落盤事故が発生し抗夫が閉じ込められるという事故が発生した。トランプ声明を良いことに、炭鉱主が、設備更新を怠り採掘範囲を安易に拡大すれば、今後同様の事故が多発する可能性がある。特に坑道を深くすると、落盤だけでなくガス突出などの事故が発生する。今でも中国でよく発生する炭鉱事故はみなこの類である。炭鉱事故が増えれば、雇用拡大どころかみんな他所にいってしまう。以上はほんの一例であるが、トランプ政策で割を食う産業は、利益を得る産業よりはるかに多いだろう。
 この程度は誰でも分かる。トランプだって分かっているはずだ。しかし彼の必殺アイテムは”雇用”である。彼曰くパリ協定を呑めば、アメリカは25年までに250万人、45年までに650万人の雇用を失うとする。ところがこの数字の出典・根拠は甚だ怪しく信憑性に乏しいとされる。仮にこの数字が正しいとすれば、普通の政治家なら、この失業者を吸収する新しい産業を考える。それを考えない、考えることを拒絶するのが”反知性派”の特徴なのである。
 では日本に、このようなトランプ現象は無いだろうか?実はある、それがこのほど厚労省が立案したが自民党の反対でつぶれた、全面禁煙法である。他にも国際的批判があるにも拘わらず、ゴミのような漁業組合の反対で、未だに続けている調査捕鯨がある。
 アベ政権は加計学園獣医学部問題を、岩盤規制を打ち砕く突破孔にしたいと云ったが、調査捕鯨こそ岩盤規制そのものである。日本GDPで捕鯨業など全く問題にもならない。それにも拘わらず相変わらず捕鯨を続けるのは、捕鯨基地のひとつである下関が自分の選挙区だからである。この点から見ても、アベ晋三とトランプとは性格・手法が極めて似ているのである。要するに同類なのだ。
(17/06/04)

 昨日行われたNATO28か国会合式典の写真撮影で、トランプが前列にいた各国首脳を押しのけて最前列にたった騒ぎで、各国メデイアはこれがアメリカファーストと皮肉り、アメリカメデイアは国家的大恥だと非難。
 しかし過去に似たようなことをした人物はいる。それは誰あろう我が国総理大臣だった中曽根康弘である。レーガン時代のサミット撮影で、ヤスは知らぬ間にちゃっかりレーガンの横に潜り込んでしまった。
 筆者の今年小5になる孫が、幼稚園の年小組の時の祖父母参観。先生が「みんな前に座りなさい」と号令をかけると、ざわざわしていたガキどもが順番に並びだす。すると少し遅れてやってきたうちの孫は、少しずつ隙間をすり抜けて、最後は前から三列目の中央、先生から一番よく見える場所に座ってしまった。4才にしてこの要領のよさは一体誰に似たのか、うちの家系にはいなかったがなあ、と感心してしまった次第である。
 つまりトランプも中曽根ヤスも,、知的レベルは4才の幼稚園児とたいして変わらないとうことだ。
(17/05/27) 

トランプ政権の痛手。トランプがロシアのラブロフに重要外交機密を漏らした疑い。ところが本人、これを重要機密とは思わず、単なる手土産程度に思っていたらしく、これでロシアと良い関係が出来たとご満悦。国家間交渉を、ただの不動産取引程度にしか思っていないのである。何故こういう,ことをやったのか?
 まず第一に指摘できるのは、彼の気性と育ちである確かWSJではなかったかと思うが、トランプの性格について、彼は自己愛が強く、家族や近親者に褒められるのを好む、そのため周辺にIはイエスマンのみを置く、という評論があった。こういうタイプの人間は、如何に自分が偉大かを見せびらかしたいために、云わなくてもよいことを喋ったりするのである。それがトップシークレットだったりすることはよくある。大富豪の子供として生まれ、何不自由なく育った彼は、世の中自分を中心に回っていると錯覚しても仕方がない。
 ところが世の中、結構こういうタイプの人間は多い。何かの拍子に営業情報を他社に漏らしたりするのである。役所のOBに多いタイプ。
 彼は大統領になると云ったが、大統領が何をなすべきか、あるいはしてはならないかを、全く学んでいなかった。ただの勢いで大統領になってしまった。本人もびっくりしただろう。そしてこれは彼自身だけでなく、家族も側近・スタッフも同じだった。大統領になって大量のスタッフの首を切ったが、後任は殆ど埋まっていない。主要閣僚は何んとか埋まってきたがそれでもまだ半分くらいだ。その間彼の政策を取り仕切るのが大統領補佐官だが、みんな本人の家族・親戚か知人のみ。全員シロートである。つまり今のトランプ政権は、かつての欽ドン劇団みたなものなのである。欽ドン劇団はまだトップの欽ちゃんがプロだったが、トランプ劇団は座長も脚本書きもみんなシロートだ。
 こんなシロート相手など、海千山千のラブロフにとって、赤子の手をひねるようなもの。これからもトランプにうまくささやけば、あとはアメリカや西側の重要機密は、幾らでも引き出せる。情報自動販売機のようなものだ。話にならないね。
 そして上で述べたトランプの性格は、実は今の日本の総理大臣にそっくりあてはまるのである。日本もアメリカも、地雷を抱いているようなものだ。
(17/05/17)

 トルコの改憲国投票で、エルドアン支持票が51.4%で、エルドアンが勝利宣言。事実上の大統領選だが、4年前の韓国大統領選でも、朴保守層の得票率はこの程度。それが今や逮捕起訴され、投獄の可能性もある。50%±1%程度ではこれは誤差の範囲。数年後エルドアンは逮捕され、イスラム法に依って斬首されているかもしれない。
 エルドアンの主張は簡単に言えば、議会制民主主義のような義西欧文明からの脱却=ケマリズムの否定、大統領への権力集中、イスラム主義の復活という、かつてのオスマントルコ帝国への回帰である。
 彼が目指すのは、プーチンやサダム・フセイン、古くはヒトラーやムッソリーニのような強権政治。エルドアンが目の敵にするケマリズムは,、第一次世界大戦後トルコ近代化革命を主導したムスターファ・ケマル・パシャ=アタチュルクに由来している。以来トルコ軍部は、このケマリズム守護が義務となった。そしてケマリズムにとって最も重要なカテゴリーは、政教分離、つまり脱イスラムなのである。そのアイテムとして採用されたのが、アラビア語、女性のスカーフ、男性のトルコ帽の禁止である。
 しかしイスラム教徒が90%を占めるトルコでは、しばしばイスラム化政権が誕生する。その都度軍部はクーデターを行うことによってバランスを採ってきた。昨年トルコで起きたクーデター未遂事件は、エルドアン政権のイスラム傾斜主義に対するけん制である。これは西欧諸国にとってプラスになってもマイナスになることはない。
 ところが西欧諸国はクーデターという手段=枝葉末節の問題を捉えて、ケマリズムの重要性を無視した。もっとも滑稽なの、は日本国総理大臣のアベ晋三である。
 ケマル・パシャは大の親日家で、彼のトルコ近代化革命は、日本の明治維新に倣ったともいわれ、彼の執務室には、常に明治天皇の肖像が飾られていたもと言われる。明治維新の理念を受け継ぐトルコ軍部が起こすクーデターなのだから、日本政府・国民は挙げてそれを支持すべきである。
 ところが事件後、アベ日本政府が打ち出したのは、これまでの日本・トルコ関係を無視したエルエルドアン支持声明。誰がこんな声明文を用意したのか?おそらく当面の試験答案しか書けない、東大出身の能無し無知秀才の仕業だろう。この結果、多くのケマリスタが逮捕拘束され、トルコはあたかもケマル以前の中世国家に逆戻りしたようなものだ。
 エルドアン政権が今後何年維持できるか分からない。下手するとケマリスタの多いヨーロッパ側が独立するかもしれない。GDPつまり経済力ではヨーロッパ側の方がアナトリア側に比べ、はるかに大きい。さて、そうなったときアナトリアに支持基盤を持つエルドアンを支持した日本の、対トルコ政策はどうなるのか?
 アベもアホだが、ホそれを支える霞が関官僚の能力劣化が問題なのだ。
(17/04/19)

 森友問題で日本の総理大臣も頭が痛いだろうが、もうひとり頭が痛いのが、海の向こうのアメリカ大統領。まず最近のギャラップ調査で、大統領支持率が37%と、就任来最低記録を作ったこと。無論本人は、そんな調査など無意味だと意地を張るだろうが本心はどうだか分からない。じわりじわりと効いてくるだろう。
 次にこのところのNY原油価格大幅下落。これにつれて、NYダウやナスダックも下落傾向。既に市場ではトランプ景気も終わりだ、などという噂も流れている。原油価格の下落は腹心テイラーセンの出身母体であるエクソンモービルや、その他の石油メジャーの株価下落にもつながるし、トランプが力を入れたい中西部の石炭価格も下落する。ついでに金もさがっているから、金ぴかトランプタワーの資産価値も下落する。
 おまけに閣僚も半分しか決まっておらず、政権は発足後2カ月以上になるのに、片肺飛行状態。だからなんでも自分で決めなくてはならないが、それが出来る知識も能力もない。たかがテレビ芸人が、キャラだけで売り出した結果だ。その所為かトランプはワシントンはほったらかして、支持層の強い中西部や南部でゴルフ三昧。これはうつ病の先駆症状とも考えられる。ワシントンにいると抗議デモやメデイアの攻撃でストレスが溜まる。このストレス過剰状態が鬱を産む。人間は鬱状態になると、現実を逃避して仮想空間に逃れたくなるものだ。
 さてわが国で鬱予定者として挙げられるのは、アベ本人もあるが、最右翼は稲田トモミとアッキー。特にトモミの場合、国会で答弁に詰まると、アベが突然横から割り込んで駆けつけ答弁をしたり、トモミに対する不満ももらすとか。これがネット情報で流れる。これは本人にとっては大変な侮辱であると同時に強いプレッシャーとなる。
 かつて第一次アベ内閣の時、松岡農水相が野党追及とアベ強硬主義との板挟みになって、自殺した例が当にそれだ。
(17/03/23)

 突然のフリン(安全保障担当特別補佐官)辞職。大統領就任前にロシアと連絡をとっていた疑惑。さてこの問題、プーチンに接近し、トランプを踏み台に日ロ交渉を進めようとしていたアベ政権に、どのような影響をもたらすでしょうか?
 今のトランプ政権には、これに似た話が次々出てくるような気がする。例えば国務長官と石油メジャーとの関係とか。財務長官(ムニューチン)からGSやプーチンへの情報漏洩とか。トランプの娘婿の利益相反(平たく言えば八百長)とか。この政権、スキャンダルの種が尽きない。

(17/02/14)

 米中が一転手を結ぶ。これは何かあるなと思っていたら案の定、中国からの対米投資の拡大というお土産。又、日本にはアベをフロリダのゴルフ場へ招待するという厚遇ぶり。但しこのゴルフ場、トランプが所有する会員制クラブだから、その経費負担によっては利益相反という、ややこしい話に発展しかねない。これと云うのもアベが国会にも与党にも諮らず、勝手にアメリカに51兆円投資70万人雇用創出なんて言ったことの副作用。
 トランプは従来自分はデイーラー(取り引き屋)だといっていた。つまりなんでも取引でことを解決するのが得意と云うわけだ。上に挙げた2件はいずれも取引の産物。 しかし取引と云うものは、その場での勝ち負けを争うだけで、長期的な信用やリスク回避にはつながらない。逆に相手に足元を見られかねない。
 今回の取引で、中国の習は「一つの中国」をトランプに確約させた。日本のアベは尖閣安保適用を確約させた。どっちもメンツは立つし、首も繋がった。メデタシメデタシと云いたいところだが、相手は名うての取引屋。これですんなり引き下がると思ったら大間違い。ああいうのは、一度甘い顔を見せると、幾らでもつけあがって値段を釣り上げてくる。古代ローマのアッチラみたいなものだ。
 トランプだって日中両国から莫大な融資・・・それも無担保無利子で返さなくてもよい・・・を受けたから鼻高々。しかし巨額の外資導入は、必ずバブルを産む。そしてバブルは必ず潰れる。そのとき酷い目にあうのは、トランプに期待して巨額のローンを組んだ一般庶民とか、地方金融機関。リーマンショックの再来だ。日本だって他人事ではない。最悪51兆円もの債務を抱えることになる。そのときアベは知らん顔をしておさらばだ。昨今巷に流れるアベ三期目続投なし、というのはそのための布石か。
 アッチラは古代の立派な取引屋。ローマに法外な要求を突き付け、これを呑まないと国境で暴れるぞと脅し、大枚の賠償金を巻き上げた。ローマはこれで一安心と喜んだが、一年もすると又同じ要求を突き付けてくる。これの繰り返しを、20年ほどやっていたのである。これはアッチラが四度目の新婚初夜の晩に腹上死して終わったが、その挙句がフン帝国の解体と民族大移動という大混乱。ローマから巻き上げた莫大な財宝も、途方もない贅沢と無計画な浪費、部下へのばらまきで、死後何にも残らなかった。取引屋というものは、ろくなことは残さないのである。
 こんなろくでもない取引屋に、ペコペコ参上する長州人というのは、まことに度し難い産物である。なおアベはトランプに年内の訪日を要請・・・イギリスのメイの真似か・・・したらしいが、トランプ政権が、年内維持できるかどうか分からない。現在司法(裁判所)相手に喧嘩を始めたが、その内議会を相手に喧嘩を始めるだろう・・・その兆候はある。そうなれば、大統領弾劾も非現実ではなくなってくる。更にイラクへの軍事介入を始めて、米軍に死者が出れば、彼を支援する勢力はなくなってしまうのだ。
(17/02/11)

このところ風が変わってきたのが、トランプドクトリンの見直し気運。アメリカ国務省は駐イスラエル大使館のエルサレム移転を時期尚早と判断。イスラム系7か国の入国規制にワシントン州連邦地裁が違憲判断を出すと司法省は異議を唱えたが、国務省はビザ所有者の入国を許可する。国防長官のマテイスが日本に来て、尖閣諸島は日米安保の範囲内というオバマ政権政策踏襲発言をしたり、日本の防衛費負担は満足出来ると、トランプの選挙期間中発言を修正。稲田は喜んでおるようだが、この程度で喜んでいては日本の防衛大臣は務まらない。日本の防衛負担費もドイツや韓国並み(4割り程度)にまけろと交渉すべきだ。
 なんとなくトランプに路線修正方向が見えてきたかに見えるが、油断できない。何故ならこれらは全て政府の発現で、トランプ自身のそれではないからだ。あの男の性格から、いつ何時これらの発現をひっくりかすか赤らない。逆にその時が、トランプ政権崩壊のきっかけになるだろう。
 ある情報では、既に政権内部に権力争いが生じていると言われる。トランプ政権を支える勢力は概ね4グループに分かれると考えられる。
1)近親者グループ・・・・クシュナーや嫁のイヴァンカなど親族。
2)バノンなど選挙途中からトランプ陣営に加わった極右の一旗組。女の報道官もこの一味。
3)テイラーセンやムニューチンなどのウオール街系。トランプ政治に興味はないが、これを利用して一儲けをたくらむ腹に一物組。
4)マテイス、フリンのような旧軍人系。但し海兵隊出身者に偏っているのが問題。陸海空軍がどう思っているかわからない。
 これらに経験や思想・価値観などの共通点は全くない。あるのはトランプとの距離や彼個人の好みである。こういうグループでは、ボスとの関係で必ず不協和音が発生し、抗争が生じる。
 1)2)のグループが内政・外交で強硬論を唱えるが、4)は否定的に回る。3)は是々非々で、儲かる方へ賭ける、てなところか。かくしてトランプ政権は内部に大きな矛盾・不確定要素を抱えて出帆した。果たしてこの航海は何時まで続くのでしょうか?こんなボロ船といつまでも付き合い、船長とゴルフまで楽しもうという、東洋某国首相の頭の中が見てみたい。
(17/02/05)

トランプ入国禁止令に対し、全米15州の司法長官が異議申し立て。内訳をみると、ニューヨーク州をはじめとする東部諸州と、カリフォルニアを代表とする西海岸諸州が大部分。これらの州は民主党が強く、昨年大統領選でも民主党が取った。それと重要な点は、これらの州は海に面し、海外との接触が多い地域でもある。この点が、共和党が取った、いわゆるラストベルトと大きく違う。
 アメリカを南北に連ねるラストベルトが何故疲弊したか?という点については、もっと吟味する必要がある。そもそも繁栄か疲弊かは相対的なもので、大概はかつて繁栄していたのが何かの拍子に落ちぶれてしまって、それで疲弊してしまった、誰の所為だー!というのが事の発端になる。
 現在のラストベルは、実はものすごく繁栄していたのである。繁栄の基は鉄・石炭そして石油という資源。これから五大湖の鉄鋼産業、それを使う自動車産業・電気産業、更にテキサスの石油産業が起こった。これらの産業の需要は主にヨーロッパの経済発展向けで、戦後それにアジア特に日本が加わった。そのおかげでアメリカ経済は随分と潤った。
 風が変わったのは1973年のオイルショックである。更に欧州で盛んになった環境保護運動がこれに加わる。この結果、日欧は一斉に省エネ・環境適応型商品開発にシフトした。これはアメリカでも増えてきた、都市型中流階層市民のニーズにも適応した。しかしアメリカメーカーは相変わらずアメリカファーストで、ガソリンがぶのみ車の製造を続け、結局は国際競争力を失ったのである。また、アメリカは広い。ラストベルトの広がる中西部は、大西洋にも太平洋にも遠い。これではヨーロッパやアジアに商品を売ろうにも、輸送コストがかかって、輸出には不利である。
 これに輪を掛けたのが、レーガノミックス。これは「小さい政府」の名のもとに、公共事業を削減し、グローバリズムによる自由主義経済を導入し、経営者と労働者との所得格差の拡大を是認した。この結果、アメリカ企業の海外流出が盛んとなり、アメリカ国内に失業者を作り出した。トランプが攻撃する、ニューヨークのエスタブリッシュメントや、中西部の雇用減少、つまりラストベルトの疲弊は、この時期に始まったのである。
 
ところがこの政策はうまくいったでしょうか?実際には失敗と云ってよい。一向に自動車は売れない、だから製鉄所も動かない。石炭鉱山は潰れる一方だ。そこでレーガンが考え出したのが日本叩き。当時日本は第二次オイルショックを切り抜け、ゼロシーリングマイナスシーリング政策のおかげで輸出産業は好調。とうとう世界第二位の経済大国まで上り詰めた。これをやっつけろというわけだが、これも結局うまくいかなかった。この点については、後でもう一度述べる。
 レーガノミックスの失敗の原因は、レーガンとその支持勢力が当時台頭してきたアジア経済、ヨーロッパ経済統合といった世界経済構造の変化を無視し、アメリカ経済の構造改革を怠ったからである。これは特に中西部の重厚長大産業地域で著しかった。議員が選挙の票欲しさに、支持者に甘い言葉を投げかけ過ぎたからだろう。
 一方クリントン民主党時代になると、第三次産業革命と言われる、インターネットを中心とした新ビジネスが誕生した。その中心地がカリフォルニアを中心とする西海岸。又、レーガン時代に始まった経済のグローバル化・・・その狙いはアメリカ企業の支配力強化・・・はインターネットの波に乗って、世界中に広まる。その中心地はニューヨークのウオール街。つまり東海岸。そしてこの傾向は次のブッシュ政権でも強化された。そして東西両海岸地帯は情報と金融革命によって大発展したが、取り残されたのが、構造改革を怠った中西部地帯つまりラストベルトなのである。
 では日本にはラストベルトは無いのか?ベルトは無いがゾーンはある。それが地方である。

 

 戦後のアメリカ大統領の共通点・・・・全員ではありませんが・・・の一つに、就任早々何らかの軍事行動を採ることが多いことがあります。ジョンソンのガムラン湾上陸作戦(ベトナム戦争の始まり)とか、カーターのイラン大使館奪回作戦。他にブッシュ(父)のグラナダ襲撃、クリントンのソマリア上陸作戦とかだ。その目的は就任早々で、国民の支持も定かでないときに、こういうパフォーマンスをやって、求心力を高めるということです。
 パフォーマンスをやられた方はたまらないから逆襲する。だから上手くいかなかったことの方が多い。ソマリアの例では、ヘリで着陸しようとしたが、ヘリが不時着してしまって、海兵隊員が住民につかまり、引きずり回された挙句殺されるという始末。おまけにこの事件は映画にまでなった。この結果、クリントンとその後継者は、こういうパフォーマンスはやらなくなった。
 しかしそれにも懲りず同じことをやったのがトランプ。昨日イエーメンに軍事介入した。目的はイエーメンのアルカイダメンバー(ACAP)の打撃.。ACAPメンバーと関係者10数人を殺したが、その内8人は女子供。又、米兵一人が死んだ。この作戦はサウジの要請によるとも言われるが、サウジはトランプの値踏みをしているのだろう。
 さてこれがどういう結果を産むのか、未だわからない。しかし過去の経験則から見ると、アメリカにとっても世界にとっても、ろくな結果を産まないのは顕かだ。一人ご満悦はトランプだけ。
(17/01/30)

 イギリスのメイがトランプに会って、年内のトランプ放英を女王が望んでいる、と伝えた。これだけ見れば、女王もトランプに屈したように見えるが、アングロサクソンの女王は、そんなに甘ちゃんではない。筆者の勘では、かつて、ヒトラーと米英を手玉に取った、スペインのフランコのような二枚舌外交。
 年内というのがみそで、これが何時かは分からない。年内には17年12月31日も含まれる。未だ一年近くある。その間、トランプの様子をじっくり見ておこうかということか。つまり、トランプの状態や国内世論によっては、呼ばないかもしれないということ。何んとなく、女王という飛車を使うために、相手の角の頭に銀か桂馬を打った感じがする。
 これに対し、我がアベ内閣の出方はどうか?将棋でいえば、プロとアマチュアの差の感がする。
(71/01/30)

 18世紀、英仏戦争の最中、英国とフランスは世界中で戦っていた。しかし英国民は相変わらずフランス製贅沢品を愛用していた。そこで英国政府はフランス製品の輸入を禁止した。ところがその所為で増えたのが密輸品。なかでも増えたのがワイン。ワイン密輸を防ぐため、英国政府はブドウを原料とする醸造酒に高率の税金を課することにした。さてそこで密輸業者が考え出したのが、ブドウを発酵させたのち蒸留する方法。蒸留酒だから税金はウイスキー並みになる。これがブランデーの起源である。高級酒の代表であるブランデーは、実は密輸から始まったのである。
 トランプはメキシコとの国境に壁を作ることにした。しかしこんな壁、何の効果もないことはみんな分かる。壁(保護貿易主義)を作れば、そこから始まるのは密輸、闇経済。アメリカの海岸線は長い。どこからでもブツは持ち込める。
 トランプは壁建設費用はメキシコからの輸入品に20%の関税をかけることで賄えるとする。これは今後ともアメリカが、従来通りメキシコとの貿易を維持することを前提とする。しかしトランプの政策はNAFTA離脱や、自動車メーカーのメキシコ工場移設禁止などを見る通り、メキシコとの貿易を遮断することである。壁費用の前提となるメキシコとの貿易がゼロとなれば、関税収入もゼロになるから、結局は連邦政府・・・アメリカ国民・・・の持ち出しだ。
 上に挙げた英仏戦争時のワイン密輸も、英国側にワイン需要があったからだ。メキシコからの麻薬密輸も、アメリカに麻薬需要(麻薬ビジネス)があるからだ。これを何とかしない限り、メキシコからの輸入を禁止しても,、必ずどこかから入ってくる。それが彼の盟友プーチンのロシア*からかもしれない。逆にメキシコルートを潰そうとするのは、プーチンルートに道を開こうという企みか。
*国際的にケシの栽培が認められているのはトルコ。その他旧ソ連領だった中央アジア諸国もケシ栽培は盛んだ。現在、トルコとロシアは融和関係にあり、プーチンも、中央アジア諸国の取り込みに熱心だ。これらの国からの麻薬がロシアルートを通じて、アメリカに流入する可能性はないとは言えない。そのときトランプオーガニゼーションがどのような動きをするのか?中継点は、ずばりクリミア。
(17/01/27)

 トランプ就任演説については、既に様々な視点で批判が寄せられ、且つ世間に広まっています。本人や側近はそれを意に介さないポーズをとりますが本当でしょうか?本当は気にしてショックも受けているのだが、うっかりまともに反論するとかえって藪蛇。ここは無視するに限る、と逃げの一手が実際だったりして。
 それはそうと、彼の演説の中で、筆者に一番嗤わせたのが新しいニーズの下り。「新しい道路、堤防、・・・トンネル・・・」と次々とプロジェクトの名を挙げるが、具体的なものは何もない。
 この下りで筆者が思い出したのは、90年代終わりのわが国小渕政権による景気浮揚策の失敗である。この政策は公共事業を前倒し発注し、景気刺激を行って、全体の景気浮揚を惹起しようとするもの。なんてことはない、今のアベノミクスのトリクルダウンと変わらない。
 筆者もこの関連事業に若干関わったことがあったが、やってみてこれはダメだと思った。何故かと云うと、公共事業の柱となる産業は鉄とセメントである。ところがその両方とも「、当時既に日本は競争力を失って、韓国・中国製品が中心だったのである。ということは、政府が事業を発注しても、基幹素材はみんな輸入品だから国内的にはなんの効果も生まない。つまり、日本人の税金で中国・韓国産業を支援していたことになる。
 この結果が後のコイズミ政権、コイズミ改革を産んで、日本は空前の産業空洞化に進んだ。これで漁夫の利を得たのが、実はアメリカと、そのスパイである竹中平蔵だ。
 トランプはそうではなく、あくまで自国産業内でやると言っている。しかし果たしてそれが可能か?無論鉄もセメントも自給可能だが、問題は労働力である。公共事業の、そもそもの目的は失業者の吸収である。従って本質的に労働集約型産業*である。ところが現在アメリカの失業率は4〜5%でほぼ完全雇用状態になっている。果たしてこの状態で公共事業・・・主に山間僻地での過重労働・・・の要求に耐えられる労働者が確保出来るだろうか?
 トランプ政策では公共事業を中心に2500万人の雇用を生み出す、としている。その根拠として3000万人の失業者イコール不法移民を挙げている。そしてこの不法移民の追放も公約に掲げている。一方、白人労働者と移民非正規労働者との間の賃金には、約0%の格差があると言われている。トランプ政策は移民労働者を白人失業者に置き換えることである。
 賃金が3割り安い移民労働者がなくなり、高い人件費の白人労働者が増えれば、当然労働コストは上がる。更に鉄鋼などの素材産業はとっくの昔に競争力を失っている。そうなれば企業は海外に逃げていかなくてはならないが、トランプは保護主義によってそれも禁止する。結果、企業は倒産し、失業者が再生産されることになる。
 これは一例だが、他の産業でも似たようなことが起こるだろう。その結果はアメリカ経済の崩壊となり、かつてトランプ支持者で満員だった、アメリカ中西部は再び、更に酷いラストベルトとなり、トランプは彼の支持者によって殺害されるだろう。
 なおこれは、アメリカ一国のことを言っているのではない。我が日本も似たような状況だ。長州山口を潰さないと、酷いことになる。
(17/01/25)

 トランプ記者会見で世界中の政治家やマスコミがあたふた。これが奴の狙いかもしれないし、たまたまそれに乗っかっただけのまやかしかもしれない。そこで問題はトランプという人物をどう評価するか?ということである。評価の方法には二つあって、一つは本人の言動・行動、成長過程等のデータから、心理学的・脳科学的に推察する方法。もう一つは既存の人物とのアナロジーで性格を推察する方法。彼はアメリカ大統領だから、誰でも良いわけではなく、歴史上著名な人物との対比が必要である。
 まず第一の方法だが、選挙期間中以来、彼の言動の際立った特徴に攻撃・挑発・自慢の三点が挙げられている。これを単純に自己顕示欲が強いとか、攻撃的性格などという、古典的且つ皮相な見方をする向きもあるが筆者はアドレナリン過多症状と考える。
 アドレナリンは自己防衛本能を司る物質で、危険な敵は避けるが、それが度を過ぎると、身構え逆に攻撃的になる。野生生物では熊や虎がその典型だ。これらの生物はそもそも臆病です。だから人間を避けて、山やジャングルの中で生活する。単独で行動し、オオカミやハイエナの様に、チームを作って共同して狩りをすることはない。つまり水平方向のコミュニケーションを作ることが苦手なのである。
 さてトランプはどれに似ているでしょうか?ワタクシの見立てでは熊です。彼の攻撃的性格について、今更説明するまでもありませんが、自己防衛本能の強さ(臆病さの強さ)は、次の点から伺えます。
1、周辺を身内で囲むこと。当選後の政権移行チームの約4割りは彼の親族や近親者だった。新しい閣僚・ホワイトハウスメンバーも、知識・経験・能力より、自分との距離の近さで選んでいる。上級顧問が自分の娘婿というのはその象徴。これにより合衆国政府予算のデリケートな部分が、トランプ財閥に垂れ流しになるだろう。
2、選挙期間中も今も、彼の情報発信手段はSNS、特に一方向性のツイッター中心である。記者会見は先日の一回だけ。それも彼の攻撃性が発揮されただけで、マスコミとの対話はなかった。これが彼のコミュニケーション能力の低さを表している。
 つまり彼は自分に対する批判・意見を好まない。この場合、彼の周辺に集まるのは、彼をおだてて分け前をもらおうとか、彼を自分の利益のために利用しようとする連中ばかりになる。その結果、彼は真の意味でのコミュニケーションをつくれなくなる。
 ではこういう人格がどうして産まれたのか?筆者は親の育て方が間違っていたと思う。彼が実業家としてデビューする前、既にトランプ一族は不動産業として財をなしていた。彼はそれを引き継いだだけだが、果たして業を拡大したかは疑問である。その意味では、アッチラ大王に似ている。アッチラは父のルラから何を学んだか?何も学んでいない。学んだとすれば、権謀術数とローマに対する脅し・すかしのやり方だけだ。だからアッチラが女の上で腹上死した時、フン帝国には何も残らず、滅亡してしまった。
(17/01/15)

 GM、フォードに次いでトヨタもアメリカ投資を表明。今後5年間で1兆円超の対米投資を行うらしい。これもトランプの手柄に数えられるだろう。しかし、筆者が昨日指摘した自動車サブプライムローン問題が明らかになれば、これは絵に描いた餅になる。それにも拘わらず対米投資を続ければ、トヨタは将来大損害を被ることになる。果たしてこの問題、ウソか真か、今は藪の中。
 それにしても、世界の自動車メーカーはそんなにトランプ=アメリカ市場が怖いのか?確かに現在、中国市場が減速を続けている以上、アメリカ市場しかないと考えるのは当然。しかし逆に言うと、最早先進国に於ける自動車市場は飽和状態に達しているわけで、これにしがみつくことこそ愚の骨頂。その馬鹿の典型が、トランプとその支持者達なのである。この際、旧世代技術の典型である自動車など見捨てて、新事業展開を図るのが常道だろう。ずばり云えば、航空宇宙産業とか、海洋底開発とかである。
(17/01/10)

 ウオール街には、10年おきに7が付く年に異変(パニック)が起こるというジンクスがあるらしい(昨日BS朝日「イマセカ」)。ということはトランプ景気四月ダウン、トランプ政権も一年がせいぜいという、筆者のトンデモ大予想も、あながち、はったりではない、ということだ。
 最近の7年は2007年で、番組ではこの年に翌08年リーマンショックの先駆けとなったサブプライムローンが発覚した、と説明する(実はその前年にはアメリカNBCなどは住宅ローン破産を報道していたのだが、それに気が付いた経済学者はいなかったらしい)。では今のアメリカで、似たようなことはあるのか?実はあるのだ。それは自動車ローンである。
 オバマ政権の超低金利政策を利用して買い替え需要を喚起するため、自動車メーカーが低金利自動車ローンを組んだ。つまりサブプライムローンの自動車版である。さて問題は次のトランプ政権。財務長官はゴールドマンサックスの元CEO。もともと、銀行・証券業界は高金利ドル高が有り難い。トランプもこれによって、海外から資金を集め、それを公共投資他の景気対策に充てようとしている。
 今のところ、イエレンとトランプは水と油の関係だ。トランプはFRB議長の交替を主張している。次のFRB議長が利上げを容認すれば、自動車ローンが焦げ付き、中小金融業者は倒産し、リーマンショックの二の舞になる。被害者は、不法移民はそもそもローンが組めないから関係ない。富裕層はローンじゃなくて現金だ。ブルースウイルスやアンジェリーナジョリーが低金利ローンで車買うなんて、想像できますか?一番の被害者は中西部の白人労働者階層・・・つまりトランプのコア支持者達。自動車ローンが払えなければ、家や給料まで差し押さえに合う可能性もある。
 この影響はサプライサイドにも及ぶ。これには、安値販売に足元を移したGM・フォードなどの国内メーカー、現代紀和などの韓国メーカーやVWなどの欧州系。日本ではマツダ・ニッサンが危ない。トヨタは切り抜けるだろう。
 実はこの問題、既に昨年の10月か11月頃には、ネットでは話題に上っていたのである。だから目先の早いメーカーは既に手を打っているはずである。しかし、一番ダメなのがトランプ自身と、その草の根支持者達なのである。
(17/01/09)

 昨日BSフジプライムニュース。テーマはトランプ外交・安保政策。ゲストスピーカーは自民副総裁の高村と、元外務省の岡本行夫。岡本の意見は、トランプ外交の行方は、国際緊張を招き、その影響は日本にも及ぶというもの。それに対し高村は、「将来は分からない分からない」と言いつつも、トランプもいずれ、常識的な線に落ち着くだろうと、トランプ贔屓ではないにせよ、楽観的見方。筆者自身は岡本の見方の方がより現実的で、高村はいささか甘いのではないかと思う。これが与党・官邸のコンセンサスとすれば、いささか危機感に欠けると言わざるを得ない。おりしも当日朝、トランプはトヨタ車への課税検討をツイット。高村発言はいささかタイミングを失したようだ。
 このような保護主義的経済政策・・・それも個別企業を狙った恣意的政策・・・は、一時的効果をもたらしても長続きなどとは、まともな人間なら誰も思っていない。第一メキシコとアメリカとでは、平均賃金で5倍の差があるのだから、高額関税を払ってもメキシコで生産した方が得だ、という考えもあるし、顧客はアメリカだけじゃない、メキシコで作ってカナダやヨーロッパに輸出してもよい、という考え方もある。要するにお客はアメリカだけではない、それがグローバリズムなのである。
 ところがトランプは、お客はアメリカだけ(アメリカファースト)だ、お前たちはアメリカの下請けだから、客の云うことを聴けというだけで、下請けへの利益還元の話はしない。これでは下請けもやっていけない。また、アメリカへの工場移転は当然コストアップに繋がるから、下請け会社も採算が取れなくなる。そうすると株主は逃げ出したり、へたすると訴訟騒ぎになりかねない。無論今のところ、トランプ経済浮揚策で株価はあがっているが、これはただの期待値、実態を反映したものではない。但しこの化けの皮が剥がれるのは、早ければ半年後の企業決算期、つまり今年の秋。遅ければ三年後ぐらいか?保護主義政策が潰れると、一般には悪性インフレに見舞われる。アメリカのような大国なら、大恐慌になりまねない。この災厄の処理を誤れば、第三次世界戦争だ。
 今のところ、これまでのフォード、GMのメキシコ進出に加え、今回のトヨタへの脅し・・・その中には事実誤認もあるが、あの男はそんなもの眼中にない・・・に共通するのは、メキシコへの激しい憎しみである。何故彼がこんなにメキシコを憎むのか、その理由はよく分からないが、日本人の中の一部にある、嫌韓・反中意識と共通するものがあるのかもしれない。
 アメリカとメキシコとの関係がズーット良くなかったのは事実である。特にテキサス・アリゾナ・ニューメキシコは元々メキシコ領だったのを、アメリカが武力に奪い取ったのだから。また、19世紀末のメキシコ独立戦争、その先のメキシコ革命では、アメリカからコロラド旅団のようなゴロツキ・・・ロナルド・レーガン主演のB級ハリウッド映画では、しばしばこういうのを英雄扱いする・・・が現れて、乱暴狼藉の限りを尽くしている。
 しかしトランプがこのような歴史的背景を理解しているとは思えない。また、この憎悪がメキシコから、他に拡散する可能性だってある。その対象は当面はヨーロッパだが、日本は例外という保障はない。
(17/01/07)

 今度はアメリカ24州の司法長官が、オバマ政権の炭素規制法撤回を要望。知事ではなく司法長官がこのような行政に関与するのが、あの国の不思議なところ。開拓時代の保安官制度の名残でしょうか?
 それはともかく、これらの州はみんな所謂サンクスベルトに属する炭鉱業が生き残っている地域。最早中生代の恐竜に過ぎない産業を、生き残らせようという逆向き発想だ。これだからこの地域のアメリカ人はますますダメになるのである。
 1960〜70年代にかけて日本も、深刻な環境問題に襲われた。しかし結果として、その中から様々な環境対策技術が産まれ、更に新時代商品を生み出した。それが日本製家電商品だったり自動車になったりしたのである。
 ところがサンクスアメリカ人は、自分は変わりたくない、都合の悪い制度は変えろというばかり。これでは何時まで経てもイノベーションは生まれない。当面はトランプ効果で一時的には持ちこたえるかもしれないが、そんなもの長続きするわけがない。そのうちアメリカ国内消費者からブーイングされ、自滅するだろう。
(16/12/16)

 トランプ大統領の正当性に関する疑惑が、又出てきました。トランプとその陣営は勝った勝ったとはしゃいでいるが、これはあの奇妙な選挙人選挙制度で勝っただけで、総得票数ではヒラリーに200万票差で負けている。サンダース支持でヒラリー嫌い票も含めれば、民主党支持票との差はもっと開く。
 ここに出ていたのが、ヒラリーを落とすためのロシアの陰謀を認めるCIA報告書。トランプはこれを無視するが、マケイン議員はこれを認める発言をした。これに民主党だけでなく、共和党にもこれに賛同する議員が現れてきた。
 つまり、トランプは国民の中の民主党支持者だけでなく、議会にも非賛同者あるいは敵を抱えることになる。アメリカ議会は日本の国会ではなく、上のいうことをペコペコそのまま聞くようなものではない。トランプの発言を実行に移そうとすれば、すべて法律を作り議会承認が必要である。少なくともアメリカ国民の過半数はアンチトランプで、議会も実質そうなるだろう。
 今の日本マスコミ論調はトランプを絶対専制君主のように錯覚し、これにどう対応するかという受け身姿勢のみである。上に述べたアメリカ社会の特徴から見ると、トランプはただの「裸の王様」、幻想にすぎない。もしトランプに対抗したければ、彼を徹底無視することである。現に、EUはトランプの意向を無視して、キューバとの関係改善を図っている。さて日本はどうするのか?
(16/12/13)

 アメリカの低金利自動車ローン・・・つまり自動車版サブプライムローン・・・の破綻が噂されています。既に差し押さえ物件も出ているらしい。原因は北米自動車販売が頭打ちになったことです。この結果は北米市場に資本を注いでいる日本・韓国・ヨーロッパの自動車メーカーやその部品製造を担っているメキシコやカナダなどの下請け企業にも影響を及ぼします。
 で、これがこの先どうなるかというと、ずばりお先真っ暗。現在のトランプ景気でアメリカ長期金利は上昇中。これが何時までも続くとは限らないが、次期財務長官と噂されている人物は、元ゴールドマンサックスで、ドル高主義者。おそらく金利上昇策を取るでしょう。アメリカが金利をhき上げ、更に保護貿易主義を取れば、自由貿易に依存する輸出関連やIT業界は破綻する。それは極端な税収不足を招く。何故なら、トランプを支持する石炭や鉄鋼・自動車など既成産業は、殆ど税金を払っていないからである。1929年ブラックマンデーの再来だ。ではどうするか?トランプは戦争を企図するだろう。
(16/12/02)

 昨日BSフジプライムニュース。テーマはトランプ政権の安全保障で話題は次期アメリカ国防長官。今候補に挙がっているのがペトレイアスとかウリン。筆者はどれも感心しない。ペトレイアスはイラク戦争を終結させられず更迭された。フリンも同じようなものだ。つまり実戦軍人としてはともかく、その上の戦略能力には疑問符が付く。
ところがゲストスピーカーの中谷(元防衛相)は、どちらも勇気がある軍人で、兵士にも人気があった、と肯定意見。国防長官にとって必要なことは国防政策を担える能力・資質があるかどうかだけで、兵士の人気なのどうでもよいことだ。ところが、この元防衛相はそんなこと全く考えず、内輪の話しか関心がないようだ。なんでこの男こんなに頭が悪いのだろうか、と常々感心しているところだ。フジテレビもよくこんあのをゲストに呼ぶものだ。
 それはトもかくトランプ次期政権の組閣が着々と進んでいるといいたいところだが、世間に出てくるメンバーを見ると、なんだか小学校の学芸会か田舎の村芝居のレベルだ。つまりみんな素人なのである。もっとも、座長(トランプ)も、脚本家も素人(政権移譲委員・・・・その1/4はトランプの親族か家族)だから仕方がないが。
 素人劇団というのは、とんでもない芝居が出てくるので傍目には面白いが、これは村芝居ではなく国際政治だから笑って済ませるものではない。まず座長に明確なポリシーというものがなく、役者も座長に近いか、気に入られるかで決まっており、観客の好み屋演技力は無視されている。しかもこういう劇団はとかく内輪もめが発生する。なぜなら、どの役者も、みんな座長の方ばかり見て、云倍や観客のことなどほったらかしになるからである。通常こういう劇団は公演を何回かやった段階でばらばらになり、解散してしまう。それが何時か、が問題だ。4年先か?それとも1年後か?
(16/12/01)

 未だヒラリーにチャンスはある、という説あるいは運動がある。それは12月に行われる選挙人による大統領本選挙だ。11月の選挙はあくまで選挙人選挙である。選挙人は憲法上自由な意思に基づいて、大統領を選ぶことができる。このとき、選挙人の何人かが、11月選挙でのヒラリーとトランプとの得票差とか、選挙後のトランプ陣営の・・・特に人事を巡る・・・混乱とか、長女とその婿への公私混同とか、トランプ支持者によるナチ的ヘイト行動に着目して、彼はこの国の指導者として・・・能力並びに倫理・道徳において・・・ふさわしくないと判断して反対行動をとれば、ヒラリー逆転勝利も夢ではない、という話だ。
 無論これが現実的なものとは思えないが、もし実現すれば、トランプ勝利で取るものも取り合えずトランプに土下座しに行った、日本国総理大臣の立場はどうなるのか?普通なら内閣総辞職、アベ訪問にヨイショした政治家や政治評論家は、全員丸坊主か切腹もの。世間から出ていかなくては、落とし前が付かない。それとは別に、今回の大統領選挙人選挙の結果を見ると、今のアメリカの病根及び将来が見えてくる。
1、トランプ勝利で、世間の評論家はみんな、「人々は変化を求めた」と解説した。しかしここで変化とは何か、変化さえすれば何でもよいのか?という点が重要である。何年も前からそうなのだが、アメリカで大きな選挙が行われると決まったパターンが現れる。それは五大湖周辺からミシシッピ川沿いに南へ伸び、テキサスかルイジアナに達する赤い帯である。この帯は共和党勝利地区である。その周りの東部や西海岸地域に青いゾーンがある。これが民主党勝利地域である。
 ではこの二つの帯はどういう違いをもっているのか?それは単に民主党/共和党の支持者分布だけでなく、今のアメリカの経済状況をそのまま反映しているのである。赤い共和党ゾーンの中でも特に赤いのが、中央部を走るミシガン、アイオワ、ペンシルバニアなどのいわゆるラストベルト。そもそもこの地域は19世紀以降石炭・鉄鋼産業で栄え、20世紀には自動車が加わって、アメリカの栄光と繁栄の象徴とも云える地域。ところが現在ではこれらの産業は全て落ちぶれて、アメリカ経済の脱落者となってしまった。
2、ではなぜ脱落者となったのか?答えはリストラ・・・つまり変化・・・を恐れ、さぼってきたからに過ぎない。上記のアメリカ伝統産業が世界に対し圧倒的優位を誇れたのは、せいぜい1950年代まで。エネルギーを例にとると、1930年代までの先進国エネルギー資源は圧倒的に石炭優位だった。その後次第に石油の比重が高まり、60年代には石油優位となった。さらにこれに原子力が加わる。これを仕掛けたのはアメリカの石油メジャーである。理由は戦争が終わって、石油の国内消費が頭打ちになったからだ。アメリカは西側同盟国に、石炭から石油・原子力へのエネルギー転換をしきりに促し、圧力をかけた。日本もその一つである。このため日本は60〜70年代にかけて、徹底的なエネルギー転換と石炭産業のリストラを行った。ところが同盟国に圧力をかけた肝心のアメリカが、全くリストラをやらなかった。そしてそのままずるずると半世紀も引き伸ばしてきた。その結果が、この地域を錆びつかせたのである。
 この地域の石炭業者は、かつての日本の筑豊と同じく中小業者が多く、資本が小さいため大規模な構造転換が出来なかった。採掘方法も、昔ながらの坑道掘削4が主流だ。これでは80年代以降主流となった、カナダやオーストラリアの大規模露天掘りにはコスト面で到底太刀打ち出来ない。石炭の高コスト化は鉄鋼の高コスト化に繋がり、更には造船や重機械産業にも影響を及ぼす。これがアメリカ産業全体の首を絞めていったのである。それならそれで、なんとか工夫をすればよいものを、と誰でも思うが、何もしなかった。それはこの地域の有権者の大多数が、これら没落産業従事者だったからである。この地域に本格的なリストラをやれば、没落産業従事者がいなくなってしまう。その結果、選挙の票が逃げるのが怖い議員達が変化をこばんだのだ。
3、このような脱落者を抱えていても、アメリカ経済は落ちぶれてはいない。GDPは相変わらずの世界トップ。中国が幾ら追いかけてきたといっても、まだアメリカの半分だ。この理由は何かというと、アメリカは常にイノベーション(真の意味の変化)を果たし、世界経済の行く先をリードしてきたことである。そしてそのイノベーションを引っ張て来たのが、西海岸のカリフォルニア、ニューヨーク他の東部諸州、つまり民主党が強いブルーベルトである。前者はIT、後者は金融で世界とアメリカ経済を引っ張ってきた。但し、その双方とも誰でも出来るものではない。これが結果的にはアメリカ社会の分裂・対立を作ってしまった。誰が作ったかというと、その原因はオバマ民主党政権ではなく、ブッシュ共和党政権にあるのは明らかなのだが、世間はそうは受け取っていない。オバマは何もできなかった。その通りだが、オバマ変革の足を引っ張ったのは共和党なのである。
4、トランプが煽ったのは真の意味での変化ではなく、過去への回帰願望に過ぎない。「昔はよかった」というのは、人生に疲れた死にぞこない年寄りの、飲み屋での愚痴か、体育会系同窓会での与太話に過ぎない。トランプは過去回帰願望に夢のような法螺をまぶして、世間をだました。彼が選挙期間中ばらまいた公約が実現できると考えているまともな人間は殆どいない。ただ彼の支持者がそうあって欲しいと願っているだけだ。
 実はこの二つは、現代世界政治の共通アイテムである。だから今後の世界を考える上では、この二つの意味を理解しなくてはならない。筆者が過去回帰に気づいたのはソ連東欧崩壊後だった。そのときは単に歴史は逆転する、という程度の感覚だった。これが積極的願望=具体的行動に変化したとかんじたのは、三年前のISの勃興である。ISのやったことは、奴隷制や通貨デイナールの復活など、単にアメリカや西欧文明への反発というより、過去すなわちムハンマドの時代、あるいはそれ以前の部族制社会への回帰を意味すると考えられる。そしてこれが実は、ISを包囲する周辺諸国へ伝染していったのである。トランプはイスラムを敵視する発言をするが、実は彼こそがン最もイスラム過激派の影響を受けているのである。
5、何故このような過去回帰主義が、一般大衆の心を捉えるのか?過去回帰主義は、論理が単純で反論を許さないという特徴がある。その源は、ユングの云う「集合無意識」にある。これは、ある民族集団・・・あるいはホモサピエンス集団・・・に共通する潜在意識である。キリスト教ではこれを「原罪」と云い、バラモン教でも似たような概念を使う。要するに人間集団が発生した時に、深く植え付けられた記憶で、これは消えることなくDNAによって継承されてきた。それは非論理的で、野蛮な動物的本能である。ほおっておくととんでもなくなるので、人類はこれを宗教や科学・哲学・法律のような、様々な手段で抑圧してきた。その根底にある概念が「理性」である。その結果起こったのが「本能=集合無意識」vs「理性」の対立・抗争である。ニーチェの云う「神は死んだ」という言葉は、理性の敗北を意味する。ニーチェだけでなく、19世紀ドイツ哲学の反キリスト教傾向は、理性に対する集合無意識の反抗でもある。トランプのやったことは「集合無意識」の解放である。集合無意識は誰もが持っている。だが通常は世間の常識、それを作る知性・理性というもので押さえつけられている。つまり、云いたいことも言えない、という状態である。それを刺激し解放するのがポピュリズムである。
6、ポピュリズムとは、一般には大衆の欲求に答え、それを拡大し、政治権力獲得に置き換える手法である。その手段として使われるのが、減税とかナントカ手当とか公共事業とかいったばらまき政策。誰だって税金が安くなって、ナントカ手当がもらえるのなら、反対するわけがない。かくてポピュリズムは巷間に広がる。ポピュリズムも又、幸せになりたいという人間願望を刺激する。かくて過去回帰主義と結束しやすくなる。近代で両者が結合したのがイタリアのファシズムである。これに民族主義・国家主義・人種差別主義が結びついたのがナチズムである。トランプが選挙で主張したことは、すべてこの範疇に入る。つまり、トランプ主義とはナチズム以外の何物でもないのだ。
7、そして今世界で話題になっているのが、トランプ的反知性主義だ。これは経済的にはばら撒きと保護主義を、外交関係では自国中心主義を意味する。過去にもこのような政策を採った政権は少なからずあるが、大抵は長続きせず、最後は他国に征服されたり自滅したりで、ろくなことになっていない。例えば

イタリアの憲法改正国民投票で、反対票が勝利したのでレンツイ中道左派内閣は退陣。これをポピュリズムの勝利とする向きもあるが、実態はその逆。レンツイ改革案は上院の定員権限を削減し、下院に立法権を集中させるため、下院で多数を採れば何でも出来るから、よりポピュリズムに近い。
 さてポピュリズムとは何でしょうか?ずばり云えば、現状に対し不平不満を持つ支持勢力に対するばらまきです。支持勢力は階層・階級や思想信条宗教を問わない。右から左まで、財閥から下級労働者まで、何でもよい。ずばり烏合の衆と云ってよい。ではこんな烏合の衆にばらまきをやればどんなことになるのでしょうか?
 現在ポピュリズムの代表例と挙げられているのは、アメリカのトランプです。日本のアベ内閣も立派なポピュリズム政権ですが、それを指摘する人は少ない。ギリシア・ローマ時代以降、人類史上ばらまきポピュリズムは幾らでもあった。
 

 トランプ候補の勝利で、なんだか悪い夢を見ているような気分になりました。一夜明けて突然全米各地で起こったのがアンチトランプデモ。こんなこと前代未聞だ。通常は当選者には、例えお愛想でも祝福するものだ。
 選挙期間中トランプは、自分が負けたら何らかの行動を起こすと云っていた。今まさに自分がそれをやられているのだ。「人を呪わば穴二つ」という例えは、まさにこれだ。これを見て、トランプに投票した人も、後悔しているのが多いのではあるまいか?ちょうど今年の夏のイギリスEU脱退国民投票で、脱退賛成に投票したのが、いざ脱退となると途端に腰砕けになって後悔したのと同じだ。しかし「覆水盆に返らず」、このあと暫くトランプと付き合わなければ仕方がない。
 さて、実際の得票数は、ヒラリのー方が100万票近く上回っていた。16年前の大統領選でも、民主党のゴアの方がブッシュを上回っていた。それにも拘わらず少数得票者が勝利する。この矛盾は、選挙人選挙という変則小選挙区制度に由来する。日本でも小沢一郎が「小選挙区制が民意を反映する」と云って強引に導入したが、その後の経緯では必ずしもそうはなっていない。最近の衆院選では、野党側が得票数で上回っているのに、結果は与党が圧勝するというケースが多い。小選挙区制は区割りによって、投票行動が左右されるから、与党に有利というのは定説だ。
 つまり、小選挙区制というのは、もはや民意反映のアイテムとしては時代遅れなのである。同じように、アメリカの大統領選挙制度も、交通が不便な開拓時代の名残に過ぎない。こんなことを何時までも繰り返していると、アメリカのイノベーションはますます遅れ、アメリカは世界の孤児になるだろう。
(16/11/10)

 一昨日のテキサス州ダラスでの銃撃事件。警察は犯人のひとりをロボットで爆殺したとの報道。そのロボットとは、筆者は当初映画ロボコップに出てきた人型ロボットではないかと思っていたが、そうではなく戦車型ロボット。見かけは第二次大戦中にドイツ軍が作った、ギガントというラジコン戦車とそっくりだ。
 これは無線誘導で動くおもちゃ型豆戦車で、車内に爆薬を装備し、目標地点に達すると無線で自爆するというもの。主に鉄条網とか機関銃座とか、障害物の破壊に使われたが、少し大きな石やコンクリートのブロックとか、溝があれば直ぐひっくり返って動かなくなるので、あまり使い勝手はよくなかったようだ。
 それでも、なんでも作ってしまうのが、中世以来のドイツマイスタークンデ(魂)。日本でも工廠の職工に、江戸時代以来の職人DNAが残っていて、大量生産など職人のやるこっちゃねえと粋がるから、本来消耗品であるはずの兵器が工芸品になり、果ては芸術品までなっちゃった。迷惑するのは前線の兵隊ばかり。日本が戦争に負けたのは、その所為じゃないかと思う。まあ、80年前の武器が21世紀に蘇るとは、お釈迦さまでも気が付かないだろう。
(16/07/11)

 フロリダでの大量殺人事件。本人はISに忠誠をちかっていたというし、ISもそういう声明を出す。しかし本当でしょうか?犯人の元妻は、夫はISとは無関係だったといっている。IS声明は単なる利用だった可能性が高い。
 しかし元妻は興味深い証言をしている。犯人である夫は永年ステロイド系薬物を使用していたということだ。これはうつ病治療薬である。甲状腺に作用して抗精神治療薬として用いられる。アメリカに蔓延している病には、銃器と薬物がある。今回の事件はその両者の複合作用である。
 さて問題は、わが国総理大臣アベ晋三に、政権奪取以来ステロイド疑惑があるのだ。その証拠は幾つかある。ステロイドホルモンの劇的作用は内臓筋肉増強であるが、もう一つは抗精神効果である。これは精力的職務執行能力を発揮させるが、一方突然の方針変更という副作用もある。つまり精神の安定が維持できなくなるのである。そういう疑惑のある人物を、我々は首相にいただいているのである。
(16/06/13)

 アメリカ民主党代表戦はヒラリーの圧勝に終わりそうだ。これで大統領選はヒラリーvsトランプの対決になる。この戦いも多分ヒラリーの圧勝に終わるだろう。世論調査では支持率は拮抗し、ケースによってはトランプ有利という数字もでているが、中身が問題である。今は未だ6月、11月の大統領選までまだ5カ月もある。この間に何が起こるか判らない。
 筆者はトランプの人気は今がピーク、後は下るしかないと考えている。ヒラリーを常に視聴率を稼げるベテランタレントとすれば、トランプは一発芸人。一発芸人はこれまでには無い芸風で大衆の人気を捕まえるが、飽きられるのも早い。おまけに彼は今、トランプ大学という訴訟案件を抱えている。この事件は、学生に巨額なローンを組ませておいて、ろくに授業もせず、金だけをむしり取るという詐欺商法だ。実は彼が不動産王になる過程で様々な詐欺的商法を使ってきた疑いがある。これまで10幾つかの企業を倒産させてきたと云われるが、これが計画倒産だったとしたら、まさに詐欺師そのものである。これが選挙期間中に明らかになれば、大きなダメージ。
 ヒラリーには中高年女性とか黒人・ヒスパニック系移民のようなコアな支持者がいる。彼らの投票率は高い。一方トランプは逆である。共和党予備選の場合は、別に共和党員でなくても投票に参加できる。トランプの公約が非現実的な笑い話ということぐらい、誰でも分かる。それにも関わらず、これまでトランプに投票した人間には面白半分も多かったはずだ。果たしてこういう人達が、真面目に大統領本選で投票するでしょうか?
(16/06/08)

 中西部インデアナ州で大勝し、共和党大統領候補指名を確実にしたトランプ。彼の支持者の中核を占めるのは学歴も低い白人労働者階層だという。こういう人達は一体どういう産業に就いているのでしょうか?その一つに石炭産業が挙げられる。先日の毎日新聞にアパラチア地方のある炭鉱町の取材が載っていた。テーマはTPPである。TPPが実施されれば、彼らは職を失い路頭に迷うことになる。だからTPPに強硬に反対するトランプを支持するというのである。
 日本の自由主義的経済学者は、日本人及び日本社会を、規制が厳しい、日本人は保守的で変化に対応出来ていないと批判するが、それ以上に保守的・伝統主義的なのが欧米特にプロテスタント白人社会である。その典型をアメリカ石炭産業に見ることができる。
 日本のエネルギー資源も、昭和30年代前半までは石炭が中心だった。ところが当時の岸内閣がいきなり石炭から石油へのエネルギー転換政策を打ち出した。理由はこの頃立て続けに起こった、北陸本線北陸トンネル列車火災事故や播但線生野トンネル窒息死事故だったが、実態はアメリカ石油産業が海外特に日本に販売先拡大を求め、当時のアイゼンハワー政権に圧力を掛けたことである。
 対米へなへなの岸内閣(孫のアベも同じ。血は争えん)はこれを受け入れ、強引にエネルギー政策転換を図った。この結果起こったのが、全資本vs全労働の戦いと云われた三井三池争議。ところが岸内閣が倒れ、所得倍増を掲げる池田内閣が誕生すると、この騒ぎも高度成長の波に吸収されてしまった。誰が吸収したかと言うと当時急成長下にあった土木・建設産業である。この結果日本には失業者が発生しなかった。いくらかギクシャクはあったものの、無事産業の構造転換が出来た。
 実はその逆がアメリカなのである。何故アメリカは日本に石炭/石油転換政策をせまったのしょうか?常識的には、アメリカも同時にエネルギー転換を諮った、日本は遅れているからオレを見習えというところだろうが、実はアメリカ石炭産業や石炭労働者、その関連産業の抵抗が激しく、これ以上石油の売り上げ増大が見込めないから、日本に押し付けようと言うのが本音だ。それは原発も同じで、ウランを幾ら生産してもアメリカでは規制が厳しいから売れない、そこで日本に売りつけようと言うわけだ。それに飛びついたのが岸と中曽根康弘。両方ともアメリカの余計物をあり難く頂戴したのである。当に乞食売国外交である。
 いささか本題を外れたようだが、トランプ支持者とは何者か?そして彼らが言う格差の拡大とはなにか?トランプ支持者の中核を占める白人労働者とは、上で述べた石炭産業のような、将来の展望が無い産業従事者である。彼らは祖父や父親から受け継いだ仕事をそのまま受け継ぐことが義務と考えている。インデアナ州の圧勝に見られるように、彼らの多くはプロテスタント福音派である。頑固で変化を嫌う。その結果、産業の変化に取り残されてしまう。ところがアメリカ資本主義は彼らを何時までも面倒見ているわけには行かない。進んだ部分は金融やITなどの先端産業に移動する。これでは古い伝統産業が勝てるわけが無い。その結果が格差の拡大なのである。
 つまりトランプ支持者自体が格差拡大に寄与してきたともいえる。これは日本の格差とは意味が違う。アメリカの格差拡大の原因は、産業構造の転換を怠って生じた構造的要因である。一方日本は構造転換を図ってきたにも拘わらず、その効果が末端に浸透しない政策的要因である。その張本人は竹中平蔵といいう頭の可笑しいチンピラ学者と、それにおだてられたコイズミ純一郎というアホ政治家の過ちの所為である。アメリカの構造的問題をほったらかしにして、経済建て直しを広言するのは大矛盾である。
 それはさておき、今のトランプ進撃を喜んでいるのは誰か?それはロシアのプーチンであり、中国の習近平であり、北朝鮮のキムジョンウンである。シリアのアサドも大歓迎だろう。オバマは海外のトラブルに距離を置く態度をとったが、トランプは無関心主義だ。そうなれば上に挙げた四人はやりたい放題になる。無論その真似をする連中も現れる。彼らは海外に展開するアメリカ企業やアメリカ人を標的にするだろう。
 又トランプが掲げる外交経済政策は、20世紀前半に作られた古いアナクロ政策の再現である。これでは彼が言うアメリカNO1ではなく、アパラチアの潰れかけの炭鉱のようにワースト1になるだろう。日本にとって、これがチャンスだという見方は当然ある。ハゲタカのようにアメリカの死肉を食い散らすチャンスだ。アベの対米へなへな外交が、それを実現できるでしょうか?
(16/05/05)

 嘘も100回つけば真実になる、と云ったのはアドルフヒトラーだったが、今それを地にいっているのが、アメリカのドナルドトランプ氏。昨日も何処かの集会で、日本も韓国もNATOもみんなアメリカ頼りだ、もっと金を出せと怪気炎。このオッサン、各国の防衛費を、みんなアメリカが出していると勘違いしているようだ。この原因は従来のアメリカ政府が議会に対し、防衛負担費をキチンと説明してこなかったからだ。
 世の中こういう勘違いで動くことが多い。例えばアベノミクスも壮大な勘違いの産物だ。100回の嘘を真実にしてしまうのは誰か?それはマスコミです。ヒトラーの嘘を宣伝しまくったのは当時のドイツマスコミ。特にラジオが酷かった。今のトランプ騒ぎを煽っているのはテレビ。つまりテレビ露出度が多く、民衆の不満を代弁したがる人物こそ、ヒトラーの子孫なのです。
(16/04/03)

 アメリカ共和党大統領選指名候補トランプ氏の暴言が止まりません。今度は日韓の核武装を認める代わりに、日(韓)米安保条約の見直しを示唆しました。彼の頭にあるのは日韓両国が何も努力せずに、アメリカだけを頼っているという先入観です。もし安保条約を破棄した上で、日韓両国が核武装をした時、その目標は何も中国や北朝鮮だけとは限らない。アメリカの態度によっては、アメリカを向くこともあり得るのである。特に日本はイプシロンロケットという、何時でも大陸間弾道弾に転用できる固体燃料ツールを持っている、ということが判っていない。又、日(韓)米安保条約を破棄すれば、アメリカの防衛予算は更に増えるだろう。
 この背景にあるのは「安保ただ乗り論」ですが、一体誰がこういう愚論を撒き散らしたのかよく判らない。アメリカではレーガン辺りか、日本でも中曽根康弘のような自民党保守派や外務省の一部、中曽根など防衛産業から金貰っていたのだろう。
 もう一つ経済政策。トランプは所得税率を下げ、更に法人税率を現行35%から15%まで下げる、その結果外国企業をアメリカに呼び込めると主張する。又ロイターはトランプの経済政策で300万人の雇用が増える、但しアメリカ政府財政は破綻するだろう、と報道している。勿論外国企業がアメリカに殺到するのは目に見えている。一種のバブルが発生するだろう。しかし彼らの目的はアメリカに納税することではない。
 300万人の雇用が増えるのは嘘ではないかもしれない。しかしそれはアメリカ国内で、とは限らないのだ。アメリカの法人税率が下がれば、当たり前だが外国企業は当然営業拠点をアメリカに移す。また既に海外展開をやっているアップルやマイクロソフト・GoogleなどIT企業や資源産業にとっても美味しい話だ。無論トランプグループだって例外ではない。アメリカ納税者の犠牲で、トランプが目の敵にするメキシコやアジアで、雇用が増えるでしょう。誰のためにやるのでしょうか?トランプによるアメリカ新税制を利用して連結決算すれば、大幅節税が出来る。私だってそう考える。つまりトランプ政策は国内低所得者層には何の恩恵ももたらさず、儲けるのは中国・台湾やアラブ等外国資本だけ。国家財政を破綻に導き、多国籍企業だけが儲かる仕組みである。ひょっとして、それが本音ではあるまいか。
 トランプや彼の支持者の特徴は、経済・外交・情報の双方向性を理解していないことである。世の中はアメリカを中心とし、全てそこから発生し、その影響はアメリカには及ばないと勘違いしている。だから、アメリカ人のためにと思ってやった政策か、返ってためにならなくなることがある。かつてのブッシュもそうだった。だから彼はイラクで惨めな敗北を味わった。従ってトランプ”大統領”も同じ失敗を繰り返すだろう。但しその過程で発生するマイナス効果は、ブッシュよりはるかに大きくなるだろう。偉大なアメリカの復活どころか、アメリカの破滅だ。その陰で復活するのは?
(16/03/27
)

 本日WSJによれば、トランプ氏はもし共和党大会で自分が指名を得られなければ、予期しない危険な状態が発生するすると警告。そこで思い出したのが1930年代初頭のドイツ。32年総選挙でナチは地すべり的勝利を収めたが、得票率は30数%。翌33年大統領選でもヒトラーはヒンデンブルグに敗れた。これに怒ったナチは大統領官邸前で、タイマツを持つSAの行進など大規模な示威運動を行った。これに怯えた首相のパーペンは辞任し、ヒトラーに政権移譲を大統領に委ねた。これがドイツのナチ支配の始まりである。
 大衆の支持、暴力の示威、言語の圧力。これがナチ=ヒトラーのやり方である。トランプは当にこれの申し子だ。おっともう一人忘れてはいけないのがいます。それは「おおさか維新」最高顧問の橋下徹。彼も同類なのである。
(16/03/17)

 アメリカイリノイ州での共和党党員集会で、トランプ排斥派と支持派が対立し暴力事件に発展。こういう騒ぎはギリシア・ローマ世界ではしょっちゅうあったのだが、現代の先進文明国ではあまり聞いたことがない。そこで思い出したのが、30年代のドイツ。ここでは左派の社民党や共産党と右翼(轍兜団とかナチ)が激しく衝突した。ヒトラーが左翼の攻撃からナチの集会を警備するため、逆に左翼の集会に殴り込みを欠けるために作った組織が「突撃隊(SA)」で、みずからその隊長となった。彼はその著書の中で、何処そこの共産党集会をぶち壊してやったと自慢気に述べている。
 トランプは自らこの暴力行為を指示したり唆したりはしていないが、支持者の行為を擁護的に評価しているから、否定していないことは間違いない。今後この種の抗争は更にエスカレートするだろう。トランプは言うことだけでなく、やることも段々とヒトラーに似てきた。ヒトラーは死ぬ間際に「100年後にはまた復活するだろう」と語ったが、まさかたった70年で、まさかアメリカとは、お釈迦様でも気がつくめえ!
(16/03/13)

 トランプ氏の言動について、今度は一部の外国外交団がクレームを付けた(この中に日本も入っているという情報もあるが秘密)。先日は米議会の外交関係議員がトランプの言動はアメリカ外交政策を危うくさせるとクレーム。イギリスやヨーロッパ各国も欧米関係について警告を発している。その前には元CIA長官のハイデン氏が同様のことを発言している。彼らは皆高学歴の社会エリート。所謂知性派である。
 それにも拘わらず、トランプはこれらの意見を意に介せず、支持率は逆に上がる一方。これは何故か?彼の支持者は南部のプアーホワイトや中西部の農場主・労働者達だ。白人でプロテスタント、世間(外国)のことには無関心。正直且つ信心深い。何よりもアメリカが一番で正しいと信じている、アンチエリートの反知性主義。
 彼らにとって、アメリカが正しいと主張するトランプこそ救世主なのである。トランプを攻撃するエリートこそ権威主義者・既存権益層である。主イエスはユダヤ人からの攻撃やローマの迫害によって犠牲となった。救世主への批判は、彼らにとって自分自身への攻撃と映る。だから外部から批判されればされるほど、返って彼らは結束を強め勢力を拡大する。だから幾らやってもイタチごっこだ。悪魔は悪を吸収して、ますます勢力を強める。
 本選で仮にトランプが負けても、彼の支持者がなくなるわけではない。ヒラリーが負けても、反トランプ派(これはアメリカ国内だけでなく海外にもいる)は様々な行動を採るだろう。嫌でもアメリカ国家の分裂が避けられないおそれがある。なおこの原因を作ったのが、トランプ本人であることは疑いようがない。
(16/03/09)

 アメリカのCIAやNSA長官を勤めたマイケル・ヘイデン元空軍大将が、もしトランプ氏が大統領になって、彼がその公約を実行しようとしたとき、米軍はその一部を拒否する権利がある、と表明。トランプの公約の中に、メキシコ国境に壁を作り、その費用をメキシコに払わせる、というものがある。現実にそんなことできるのかあ?
 もしメキシコが支払いを拒否したらどうするのか?軍隊を送ってメキシコを占領し、資産を没収して支払いに当てるのだろうか?第二次メキシコ戦争だ。そうなれば中南米反米国家を中心に義勇兵がメキシコに乗り込んでくる。トランプは彼らをテロリストと言うだろうが、どっちにしろアメリカは自分の庭先でゲリラ戦にまきこまれることになる。アメリカ南西部がシリア化するのだ。てなことを考えていた内に、上のような警告が出てきたというのは、アメリカのエスタブシュメントには未だ健全な常識が残っているといえます。
 しかし軍トップが大統領の命令を拒否しても、末端の兵士が反乱を起こすかも知れない。アメリカ版2.26事件だ。このように、トランプはアメリカ社会に深刻な分裂を引き起こしまねない危険人物だということだ。
(16/02/29)


 アメリカ大統領予備選はいよいよ中盤に差し掛かってきています。民主党はヒラリーvsサンダースが拮抗。共和党はトランプが頭一つ抜け出た印象。と言うわけで次期アメリカ大統領はヒラリー、サンダーズ、トランプ、クルーズの四人に絞られてきました。そこでこの四人は共に、日本は為替介入国家だ、TPPは見直すと発言している。つまり四人の内誰が大統領になっても、今の円安やアメリカに不利になる貿易協定は認めないということだ。ということは、アメリカはアベノミクスを認めない、少なくともその修正を求めてくるということに他ならない。
 そもそもアベノミクスの三本の矢の一本目は、異次元の金融緩和である。この主旨は為替レートが日本輸出産業にとって競争力が出てくるまで、日銀が資金を供給し、円安を誘導するということである。これは誰がどう考えてみても、政府・日銀による為替介入である、と筆者は当初そう思ったのだが、マスコミも経済界もそんなことは云わないから、こんなこともありかと錯覚してしまった。ところが天網恢恢疎にして漏らさず、世界はちゃんと見ていたのだ。
 しかし日本側にも言い分はある。90年代前クリントン政権は当に異次元の金融緩和を行った。ワシントンの輪転機はうなりを立ててドル紙幣を刷りまくり、ドル安を演じた。これを主導したのがFRB議長のグリーンスパンだ。その結果、アメリカは双子の赤字の内、財政赤字をチャラにしてしまった。その勢いを駆って打ち出したのが、インターネット戦略、これがアメリカにとっての成長戦略だ。但し次のブッシュがこの成果をぶっ潰してしまった。その代わり世界中に溢れたドルが、あちこちでバブルを作ったり、原油や株の乱高下という経済不安定性、言い換えれば投機資本主義を作ったのである。一番被害を受けたのが我が日本。ドル安政策のお陰で円高となり、せっかくの橋本行革も小渕・宮沢景気対策も砂漠の水になってしまった。過去20数年のデフレの原因は、このドル安政策にある。アメリカこそ為替管理国家ではないのか!
 現在のアベノミクスはこのクリントンーグリーンスパン戦略の二番煎じだ。マイナス金利の所為で国債金利負担が既に数10兆円消えたといわれる。黒田はさだめしグリーンスパンの気持ちだろう。しかし、二番煎じは所詮二番煎じにすぎない。既に世界中に溢れているドルに対して幾ら円を供給しても、ドルに呑み込まれるだけで、思ったように円は動かない。ここ暫く対ドル112円台の円高傾向に留まっているのがその証拠。
 次期アメリカ大統領がどのような要求を突き付けてくるかで、アベノミクスの命運は定まるだろう。余り楽観しないほうがよい。最大の問題は三本目の成長戦略のイメージが未だに具体的に見えてこないことである。
(16/02/24)

 もう一度アメリカ大統領選の行方。次のアメリカ大統領がどういう政策を採るかは、アメリカ国民だけでなく、世界中に影響を及ぼす。ここで世界で親米国家と反米国家とどちらが多いかと言うと、実は反米国家の方が多い。この点は日本人、特に保守系と言われる人ほど気がついてない。
 ロシア・中国が反米と言うのは明らかだが、中南米諸国は軒並み反米。ヨーロッパではイギリスはブレア時代は新米だったが、今のキャメロンは距離を置いている。その他の欧州諸国は元々反米だ。アフリカは一部には新米国家もあるが、特に北アフリカでは反米武装集団にのっとられるケースが多い。アジア太平洋諸州も複雑である。オーストラリア・NZは一応親米と見なしてよいだろうが、インド・パキスタン・ミャンマーなど新興国は微妙。タイは最近反米色を強めている。
 こういう中で際立って親米色を強めているのが、日本アベ政権である。果たしてこれが今後の日本外交にとって、プラスになるかマイナスになるか判らない。アメリカに突き放されればそれで終わりだ。事実トランプはそういうことを仄めかしている。つまり、日本は世界で孤立する可能性がある。しかしそれをアメリカが助けてくれるとは限らない。自己責任でなんとかしろというわけだ。
 何故アベ政権がここまで親米路線に奔るのか。一見不思議だが、ジジイの岸信介も極端な親米主義に奔った。その原点は吉田松陰にあるのではないか、という気がするのである。
(16/02/21)

 混沌を極めるアメリカ大統領選予備選挙。右の極端がトランプとクルーズ、左の極端がサンダーズ、真ん中やや右がブッシュで、左がヒラリーという構図。ドッチも極端派が支持を伸ばし、真ん中は形勢不利となっている。海の向こうの外国の話だから、日本には関係ない、と云いたいところだが、そうはいかない。一つは経済、もう一つは安全保障である。極端の二人は経済問題はシロートのようだから何をするか判らない。例えばサンダースは大学授業料無償とか社会保障の拡大を主張するが、その原資は?と問われるとウオール街に払わせる。一方でウオール街をぶっ潰すとも云っている。潰れたところに請求書は廻せない。シカゴのギャングでもそういうことはやらない。多分両方ともTPPを破棄し、アメリカ農業資本拡大を世界に要求するだろう。そうなれば当然日本にも副作用が及ぶ。他人事ではないのだ。
 一方のトランプはと見ると、支離滅裂振りはサンダースに劣らない。中国・日本をやっつけて金を巻き上げろというわけだ。要するにアメリカ中西部か南部の小さいカントリーの感覚でものごとをみているのである。その典型が安全保障問題である。特に際立つのがトランプだ。彼の主張は日本はアメリカを守ろうとしない、そんな日本をアメリカが守る義務はない、というもの。これは上に挙げたカントリーアメリカ人の共通認識だろう。
 しかし彼らは世界地図を見たことが無いのではないか?太平洋を中心とした地図を見てみよう。もしこれから日本列島を消去すればどうなるか?第一列島線はなくなり、アメリカと中国・ロシアが直接対峙することになる。日本列島-沖縄・琉球諸島列があることにより、中国海軍の行動が抑制されているのである。10年程前、中国海軍のある幹部が、アメリカ太平洋艦隊の幹部と会談し、太平洋を米中で二分割しようという提案を行ったことがある。東はアメリカへ、西は中国へだ。アメリカ側はこれを冗談と受け取ったが、筆者はなにか不吉なものを予感した。中国人は一旦口にしたことは、時間を懸けて着々と実現するのである。その典型が南シナ海への進出である。
 別に日米安保条約や憲法条項を盾に取る気はないが、アメリカにとって日本を守るということは、アメリカを守るということでもある。もしトランプ政権が誕生し日本との距離を置くような態度をとれば、それはたちまち日本国内に反米気運を高め、かえって中国に利することになる。その結果が第一列島線の喪失になりかねないのである。
(16/02/20)

 ヒラリークリントンが大統領選挙線向けに、2750億ドル(33兆円超)のビックリ公共投資案を発表。確かに今のアメリカインフラ設備は老朽化が著しく、今後予想される気候変動に対応出来なくなっている(それは日本も同じだ)。
 これに対し共和党は当然反対。しかしレーガノミックスの名の下に、道路・河川・鉄道など後に資産として残るインフラ投資を止め、イラク戦争のような、犠牲と国民の分裂といった、負の遺産しか残さなかった無駄な公共投資を進めたのは共和党だったのだ。その挙句出てきたのが、トランプのような人類進化史上の汚点と言うべき人物である。
 さて我がアベノミックスはどちらの方向を目指すのか?それがさっぱり判らないのがアベノミクスなのである。只判るのは、アベノミックスの役割は、選挙に勝つため、内閣支持率を上げるためだけ、後に残るのは借金だけだということだ。
(15/12/01)

 11時間に及ぶ、ヒラリー前国務長官に対する米議会公聴会。これが来年の大統領選の前哨戦で、ヒラリーを叩いておこうという共和党の作戦であることは明らか。では結果はどうか?ヒラリーは共和党の追及を無難にこなし、立ち往生することはなかった。しかも後で、この公聴会を「魔女刈り」呼ばわりしている*。むしろいくら追求しても尻尾を出さないヒラリーに対し、焦ったのは共和党ではないか?さすが、かつて全米最高弁護士と云われただけのことはある。
 結果というと、これでヒラリーは民主党内競争でトップランナーに躍り出ることが出来た。一方共和党は、只恥をかいただけ。マイナスイメージは避けられない。全くの逆効果。何故こんなことをやったかというと、結局共和党にヒラリーに勝てる候補がいないのが原因。党首討論で、トランプがヒラリーに勝てるわけがない。とにかくこの際、ヒラリーを引き摺り下ろそうということだ。しかし結果は失敗。誰がこんなイベントを考えたのか、責任のなすりあいが始まるだろう。
*夫のクリントンが始めて大統領になったとき、アメリカメデイアはみんな、ヒラリーをホワイトハウスのマクベス夫人と評した。そういう意味では魔女的要素は多分にある。今はハロウインの季節。あちこちに魔女が出没しても、不思議ではない。
(15/10/24)

 アメリカボルテイモアでの警官隊VS黒人の衝突。全市に外出禁止令・・・まるで戒厳令だ・・・が出る騒ぎ。その間首都ワシントンでは騒ぎを他所に、アベの間の抜けた演説を間抜けのアメリカ議員が間抜け面で聞いていた。彼等が我に帰ったのは演説後の記者会見。ここでオバマはアベが期待していた日米同盟より、ボルテイモア問題に時間を費やす羽目に陥った。40点減点。
 弁証法的に云えばボルテイモア騒動は、強者vs弱者の対立ではなく、実は弱者同士の対立なのである。暴れた黒人も社会的弱者なら、対する警官隊も白人社会では経済的弱者。弱者同士を戦わせ、エネルギーを消費させて資本家の既得権益を維持するのが資本主義である。19世紀にマルクスが描いた極めて初歩的な社会矛盾を、21世紀になってもやっているのがアメリカ。日本もアベノミクスをやっているようでは大して変わりはない。
(15/05/01)

 アメリカランド研究所が中国軍の根本的弱点についてのレポートを発表しました。ところがこの研究所の判断は間違いだらけなのです。例えばベトナム戦争当時のドミノ理論は全く間違いだったことは、現在の東南アジア情勢を見れば判ります。又イラク戦争当時の「民主化の拡大、不安定の弧」理論も全く間違いと言うことも判ります。
 アメリカ保守政権の政策決定に、この研究所は大きな影響力を持っていますが、その主張は全て間違いで、その過程で多くのアメリカ兵の犠牲や莫大な税金負担が発生するのです。
 従って、今回のランド研レポートもその延長であり、俄かに信用してはならないのです。
(15/02/14)

 アメリカ中間選挙で民主党が敗れましたが、これは既に予測されていたことで別に驚くにはあたらない。かといって勝った共和党に明確なテーゼがあったわけではない。第一2年後の大統領選挙に向けて全く候補者が出ていない。ブッシュの弟のジェブをという声もあるが、いくら共和党支持者でも,三代続いてブッシュ家からというのは抵抗があるだろう。それに比べ民主党は本命のヒラリーや、いざとなればケネデイの娘がいる。その割りに男にたいしたのがいない。これは共和党も同じ。と言うわけで今後のアメリカ政権がどうなるか、全く判らないと云ってよいでしょう。とりあえずTPPはお預けになる可能性がある。アメリカが共和党伝統孤立化政策にシフトすれば、ウクライナや中東状勢は更に不安定になるでしょう。日中問題も影響されます。沖縄では更に日本の負担を求められます。
(14/11/06)

 アメリカで宇宙ステーション向け貨物船シグナスを積んだ、民間ロケットアンタレスが打ち上げ途中で炎上爆発。この事故で(有害物質が付着しているから)ロケットの破片に触らないよう警告。
 通常、民生用ロケットは液体燃料ロケットで、その燃料は液化水素と酸素。燃えてしまえば水になるから問題はない。有害物質を含むということは、このロケットが固体燃料ロケットだったということだ。一民間企業にしてはいい度胸だと思う。まあ、一からやり直しと言うことだろう。
 その後の報道で、このロケットエンジンは30年以上前に旧ソ連が作ったポンコツだったということが判明。この打ち上げを企画したオービタル社とは何者か?ユダヤ人経営会社か?
(14/10/30)

 中国食肉偽装事件で日本マクドナルドCEOのサラ・カサノバというのが会見したが、これが英語。名前から見てヒスパニック系アメリカ人だろう。会見内容は、当社に責任はない、やったのは極一部の個人だ、むしろ被害者だと言い訳をまくし立てるのみ。そうだろうか?製造過程の監査では、事前に監査予定が連絡されていたという。内部にゆるみがあったのは間違いない。
 多分この会社では英語が公用語なのだろう。言葉が英語だと、社風もアメリカ的になる。ミスが生じても自分のミスは認めず、他人かシステムの欠陥に転嫁してしまう。その所為で最近なんでも包装が厳しくなって、開けるのに一苦労だ。自らのモラル向上を無視してきたために、いたずらに包装コストが高くなってしまった。いくら外装の見栄えをよくしても、中身が腐っていては何にもならない。
(14/07/3
0)

アメリカロス銃撃犯人の背後にちらつくNewWorldOrderという団体。確かブッシュ時代に、聞いたことがあるような気がする。ネオコン系団体の一派だろう。
(13/11/03)

 昨日NHKBSプレミアム映画。作品はジェームズ・スチュアート主演の「シェナンドー河」。南北戦争に巻き込まれた開拓民一家の団結と苦闘を描いたアメリカ映画の名作である。その中でスチュアート扮する主人公が、息子を徴兵にやってきた南軍将校に対し抗議するセリフがある。「私はこの土地を自分の力で耕し、作物を作り、子供を育ててきた。その間州は何をやってくれたのか!戦争なんか関係ない」。彼は信心深く正直で、家族を愛し、共同体に対する義務に忠実であり、何よりも自己責任主義者である。ただし、頑固で融通は利かない。彼は古き良きアメリカ人の典型であり、現代のテイーパーテイーの原型なのだ。
 さて、NHKは何を意図してこの映画を放映したのでしょう?
(13/10/23)

 2016年にはアメリカの大統領選。民主党はヒラリーで決まりと思っていたが、本日ニューズワイドを見ると、本人も満更どころかやる気満々。
 さて対する共和党はと見ると、人材不足でおまけに内部はテイーパーテイー系と穏健派に分裂。果たしてこんなことで大統領選が戦えるのか、と思っていたら俄に注目されてきたのが、ジョージの弟のフロリダ州知事ジェブブッシュ。果たして共和党予備選では、茶会系クルーズとの一騎打ちになるのか?
 やっぱり人材不足だ。
(13/10/21)

昔々1980年代の頃、アメリカ通商代表団は日本の政治を「カブキ」と皮肉った。ココロは、始めから答が判っているのに、筋書き通りに大げさに(政治家が)演技することである。
 さてそれから20数年。同じ事を今ワシントンがやっている。本日アメリカ歳出法修正案が可決。要するにデフォルト回避。こんなことは始めから決まっていたのである。これまでの民・共対決は支持者向けパフォーマンス。これこそ「カブキ」。いや、「カブキ」にもなれない村芝居のレベル。脚本家と役者が下手過ぎる

(13/10/17)

 アメリカAPEC欠席で中露は、もうアメリカは終わりだ、これからは俺達の天下だと大はしゃぎ。確かに海外評論なんかでは、今のアメリカ政治の混乱を「終わりの始まり」と云う早とちりもいる。
 しかしアメリカの歴史では、こんな騒ぎは何度もあった。国を二分する戦争にまで発展したり、経済が完全に崩壊したこともあった。ところがその度にアメリカは、前にまして強くなって蘇っている。今回の騒ぎは、茶会と称する、一部の分からず屋のオッサン、オバハン、ジジ、ババに、共和党の欲深が選挙目当てにすり寄っているだけの、つまらん騒ぎである。アメリカが茶会に支配されることはない。茶会もアメリカを支配する気はない。茶会などいずれ消えてなくなる。
 それよりアメリカがいないAPECなど何の意味もない。今度はボスの熊がいなかったから、キツネと狸が集会を取り仕切ったが、来年熊が又やってきたらどうするのかね?日本には熊の手先のキャロラインオオカミがやってくる。
(13/10/10

今世界の注目はアメリカのデフォルトだが、この原因は野党の共和党に、全体をまとめられるリーダーがいないことだ。要するにみんながドングリの背比べなのである。こういう場合、みんなが強硬路線合戦をやるので、話しがまとまらなくなる。特に力の信奉者が多い共和党では尚更だ。日本も戦前に、軍部や政界がこの症状に陥り、出口を見いだせなくなって戦争に突入した。日本の民主党政権が三年で潰れたのも、この所為である。
(13/10/07)


 アメリカ政府デフォルト危機を受けて、日経平均は続落。本日午前中一時14000円割れ。アベノミクスも所詮ホワイトハウスの操り人形か。
 しかし政府歳出ストップで何故「自由の女神」とか「リンカーン記念堂」がストップするのか?民営化してしまえばよいではないか?国立公園に入れなくなるのも不思議。国立公園は国有地なのか?日本では特別の法律(例えば自衛隊法)で立ち入りが制限されていない限り、国有地は原則立ち入り自由である。だから国立公園には、何時でも誰でも自由に入れる。
 アメリカは民営化・自由化の先進国の割には、様々な点で保守的で遅れている。
(13/10/04)