横井調査設計のMT探査(1)

地表からは想定出来なかった地質構造を、MT探査で明らかにした例を紹介します。


 場所 比抵抗平面図 比抵抗断面図 備考
松山エリエールゴルフクラブ 比抵抗平面左上、断面図中央の寒色帯(高比抵抗帯)は安山岩のネック。周囲は花崗岩。
測点NO13の下に低比抵抗帯が延びており、断層と推定された。ここでボーリングを実施したところ、破砕帯が現れ、ラドン泉になった。
兵庫県吉川町
湯谷
 兵庫県南東部三田盆地西縁に分布する第三紀神戸層群の丘陵。神戸層群は砂岩・礫岩・泥岩(凝灰岩ブロックを含む)からなり、ほぼ水平だが、中に小規模な背斜構造や亀裂の発達が見られたことから、その部分を中心に測点を設定。
 断面図で上部300m程の低比抵抗層(暖色)は神戸層群.。下の高比抵抗層は基盤岩(有馬層群か丹波層群かはMTだけでは不明)。
 左の比抵抗平面図で、左下から右上にかけて低比抵抗帯が延びる。これは断面図で、ほぼ垂直の低比抵抗帯として現れている。基盤岩中の断層と考えられる。低比抵抗帯の背面に沿って基盤岩の小規模な隆起が見られる。前述の神戸層群中の背斜構造はこの中にある。又、平面図右上で低比抵抗帯のずれが見られるが、これも一つの断層。神戸層群の層序がこの部分で合わなくなっている。
この地域は神戸層群を凝灰岩のフィッショントラック年代で古第三紀とした調査の模式地。しかし、凝灰岩をよく観察すると、原位置に堆積したものではなく、ブロックつまり何処か遠方から漂流したものです。神戸層群の年代は凝灰岩年代より新しいことになります。

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