オーストラリアの隕石落下跡?それとも核実験跡?

 オーストラリア大陸の表面には、非常に興味のある太古の地学現象が保存されています。今回グーグルアースで見つけたのは、オーストラリア大陸のほぼ中心(下の写真で、大陸中心部に斜め上から下に向かって、白い筋がありますがその周り)で見つけた隕石衝突の跡ではないか、と思われる環状構造です。



今回見つけたのは右の写真のA、Bの二カ所です。中間の白い筋は太古の海が干上がった跡に出来た「塩の河」。

上の写真A地点(E132゜27´、S24゜59´直径約5〜6q)に近寄ってみました。カルデラ状の地形があります。これは火山活動か、隕石(小惑星)衝突の跡かの二通りの可能性が考えられます。
 通常、隕石(小惑星)衝突跡には、中央に衝突時の溶融物や破砕物からなる突起が出来ますが、この写真にはそれが見られません。しかし、カルデラの中に河川の跡が見られ、突起は浸食で消失してしまった可能性が考えられます。又、注目すべきはこのカルデラを取り巻いて、同心円状にひび割れのような筋が並んでいることです。これは通常の火山活動では見られないことで、隕石衝突のショックで周辺の岩盤が破壊されて出来た割れ目と考えられます。
 以上の事から、私はこの地形を隕石(小惑星)衝突の跡と考えています。
 
(09/02/08)


ではB地点に近寄ってみましょう。ここでは三つの環状構造が並んでいます。中央の環の真ん中には青白色の岩があり、Conners Rock)という観光スポットになっているらしい。ではこのConners Rockとは何物でしょう。
 グーグルでは観光客が撮った写真を見る事が出来ます。それによると、これは頂上が平坦な残丘状の丘が砂漠に取り残されたもの。この丘が何で出来ているかは不明。
 では他の過環状構造は何でしょう?Aと同じように核実験の跡でしょうか?もしそうだとすれば危なくて近寄れません。

オーストラリアには未だ巨大な環状構造が見られます。下の写真はオーストラリア大陸北西部にある二つの巨大環状構造です。それぞれ直径が800〜1000qもある巨大なものです。日本列島がすっぽり入って未だ余ります。これらの内部やその周辺に、茶褐色のゾーンが広がっていることが判ります。一体これは何でしょう。


(写真1)
これは構造Aのほぼ中央部に見られる陥没のような凹地です。それを取り巻いて地層が激しく褶曲しているように見えますが、これはそうではなくて、凹地に向かって地すべりを起こし、その崖面に周囲の地層が現れているだけです。地層を構成する岩石が何かは、この写真だけでは判りません。何となく火山砕屑物のような感じは受けますが、オーストラリア特に西部では、大規模な火山活動があったと聞いたことはありません。

(写真2)
これは写真1の南東に見られる凹地で、写真1と同じ様な陥没地形が見られます。ここでも周辺斜面は凹地に向かって地すべりを起こしているように見えます。陥没地右上の尾根に沿って小さな凹地や茶褐色の瘤のような塊が続いています。

これは構造Bの南端部の一部分です。中央斜めに走る白い帯は太古の海が広がった跡に出来た塩の河。その北側に茶褐色の崖が続いています。見かけ上溶岩台地の感じがしますが、西オーストラリアでそれはないでしょう。

 結局謎が深まるばかりです。オーストラリアの地質図があれば直ぐに判りますが。



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