横井調査設計 大滝ダム「白屋地区」の地盤変動から何が読みとれるか
            外帯の地質を知らない単純地すべり屋が行った失敗

 大滝ダム白屋地すべり損害賠償訴訟で原告勝訴。但し、判決理由に事実認定の誤りがあるように思われる。裁判所は「・・・原告の恐怖を取り除く為に移転等の措置を採るべきだった」と述べるが、筆者は当初建設省が地元に移転を申し入れたところ、白屋の対岸の人知地区(現川上村役場のあるところ)は移転を受け入れたが、白屋は拒否したと聞いている。白屋が移転を受け入れておれば、「白屋橋」のような大構造物や、地区内林道拡幅も必要なくなる。なお、奈良県吉野郡は山ばっかり。おまけに差別のきついところで、郡内に白屋住民を受け入れる地区が無かったからかもしれない。白屋地区民の背後に共産党が暗躍して、住民をたきつけたという噂もある。(11/07/14)

計画以来、40年を経て、平成15年春漸く提体が完成したこのダムが、急に全国的に有名になったのは、03年2月から始まった試験湛水で、上流右岸にある「白屋地区」で地盤変動が発生し、それがマスコミで報道されたからです。それからの顛末は、しばしばTV・新聞等で報道されているので、詳しく説明する必要は無いでしょう。
 私は大滝ダム本体は勿論、「白屋」についても取り付け道路関連の法面以外、殆ど関係は持っていませんが、本体工事が始まった頃から、上流の関連工事の関係でしばしば国道169号を走ることになりました。その時、「白屋」を始め、大滝ダム湛水域の様子を、嫌でも眼にすることになります。その時、「こりゃこのダムは水を貯められん!・・・・・水位が上がるとあちこちで地すべりが動き出すので、結局水は貯められないだろう」という印象を持ちました。ほんとにそうなっちゃたので、こっちの方が驚いた位です。但し、それが「白屋」とは思いませんでした。何故なら、「白屋」こそが、大滝ダムの象徴、国土交通省(旧建設省)が、面子を掛けて取り組んだ地すべり対策の筈だったからです。20年近い時間を費やした裁判、地区末端斜面を覆い尽くすばかりのアンカーの列、あれは一体何だったのでしょうか。


NO 視点・論点 摘要
6 白屋地すべりは止まるか? 08/09/22
5 対策工提案工法を検討する 05/01/23
4 白屋地区地すべり対策工事に於ける国会質疑応答を批判する 04/05/05
3 日本のダムは何故こんなに高くつくか? 04/03/13
2 対策工をどう考えるか 04/03/13
1 白屋地区変動観測結果から何がよみとれるか! 03/11

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