リニア新幹線の真実

横井技術士事務所
技術士(応用理学) 横井和夫


 逮捕された大成元常務の後任が談合を認識していたという報道(本日毎日新聞)。但しこれは検察からのリークだから、どこまで本当かは分からない。ネットの書き込みなどを見ると、このような巨大プロジェクトは高度な技術力を持つ四大ゼネコンでなければ出来ないとか、民間工事なんだから談合には当たらないとか、一般ピープルはゼネコンに対し随分甘いと思う。
 ここで技術力云々だが、皆さんは彼らが凄いノウハウを持っていると思っているようだが、中身は大したことはない。四大ゼネコンの内、少し具合が悪くなると大林は直ぐに泣きを入れる。鹿島・大成は政治家を使って脅しを掛ける。まともなのは清水ぐらいで、その清水が談合だと云っているのだから、やっぱり談合なのだろう。トンネルに関して言えば、間・熊谷・飛島・奥村といったいわゆるトンネル屋の方が上だ。
 JR東海が何故4社に限って施工検討を依頼したかというと、JRにはもはやこんなプロジェクトをこなせる人材がおらず、そこで技術力・資金力に優れた4社を選んだという。しかしこの4社もバブル崩壊後、経験のある土木屋・・・特にトンネル部門の技術者中心・・・を狙い撃ちにしてリストラした。だからJRと同じように彼らも劣化していったのである。だから当初談合ではなく技術情報の交換だと言い張ったのは、自社だけでは要求に応えることがことが出来なかったからである。
 トンネルの施工技術はみんなオープンにされ、且つ成熟している。今度のような大工事であればあるほど、実績のあるオーソドックスな工法が選ばれる。海のものとも山のものとも分からない新奇な工法を使って、事故でも起こされれば元も子もない。だから大勢集まって、あれこれ言う必要があるとも思えない。
 一番勘違いしているのは、JR東海ではないかと思われる。この会社、何でもかんでもゼネコンに持ち込めば、なんでもやってもらえると思い込んでいる節がある。 更にゼネコンが、発注者の”お願い”をなんでもペコペコひきうけてしまうことが問題である。その一例が南アルプストンネルの地質調査である。
 あろうことかJR東海はこれを大成に委託したらしい。しかし大成は土建屋であって地質調査には素人である。どうするかというと、三割ほどはねて、出入りのコンサルあたりに丸投げする。これも素人だから、やっぱり三割はねて専門業者に丸投げ。この会社が大手の調査会社ならまだマシだが、中には聞いたこともない会社が請け負うことがある。金額も末端では当初予算の1/3ぐらいになってしまう。つまりみんなで寄ってたかって、予算を食い物にしているのである。これでは手を抜かざるを得ない。これを避けるために公共事業では、設計・調査は施工(ゼネコン)と切り離して発注するのである。このように自分の領分でもないことまで引き受けてしまうには、何らかの下心があるに違いないと疑われてしまう。
 このように甲乙のけじめがついていないことが、現代日本土建業界の最大の病根である。今回の談合事件の背景には、発注者であるJR東海の責任も大きい。そういう体質を作ったのは経営者である。東海の経営トップの葛西はアベ晋三の最大のタニマチ。アベのけじめの無さは森友・加計問題でも明らかだが、リニアにも現れてきた。
(18/03/05)

 

 リニア新幹線談合疑惑で、大成の常務とカジマの部長が逮捕されたが、この程度で終われば事実上の指揮権発動だ。そもそも国費3兆円を投入する巨大プロジェクトの談合が、たかが常務と部長だけで仕切れるわけがない。談合の指示はズーット上から、おそらくはJR東海のトップあたりからだ。
 そういえばJR東海トップの葛西は、人も知るアベの取り巻き。無論、葛西がこんな汚れ仕事を直接指示するわけはない。JR東海幹部にそれとなく匂わせる。ゼネコン連中は幹部の言の葉から葛西の意向そしてその背景にあるアベ政権の意向を忖度して、ことに奔ったのだろう。どちらかというこういうことにやや疎い大林が、早くも脱落したのが予定外だった。
(18/03/02)

 東京地検が大成建設本社から、常務私邸更に社員寮まで家宅捜索し、隠匿資料を押収。常務は「罰金を伴う守秘義務にかんする技術的資料」と説明するが、常識的に考えて、こんなことはあり得ない。
1、民民の契約で「罰金を伴う守秘義務」とは穏やかではない。工事契約で罰金(ペナルテイー)を科すケースはあるが、大抵それは工期の遅延とか、事業者の承諾を得ない設計変更で当初予定されていた機能が発言できなかった場合である。
 又守秘義務とは誰に課したものか?この常務個人か、それとも大成建設に対してか?常識的には前者はあり得ない。後者ならそうい重要書類は本社内の別室の金庫か何処かに格納しておくものだ。ところが地検の捜査が及ぶという情報が入ると、最初は常務私邸、次いで社員寮へ移すなど、中身は見られては困る内容が含まれていると考えて当たり前。
2、技術的秘密情報とは
 トンネル工事(だけでなく土木工事全般)に、技術的秘密など存在しない。技術的には「トンネル標準仕方書(トンネル技術協会)に従わなければならない。そうでなければ国交省の認可どころか労災認定もうけられない。つまり何処にも技術上の秘密が存在する余地はない。従って、大勢常務の説明は嘘である。つまり大成は限りなくクロに近いグレーである。
 検察が押収した資料の中には、落札に至る経緯やゼネコンだけでなくJR東海側の様々な要望も含まれているはずである。中には公に出来ないこともある。
 総額ン兆という大事業の談合がゼネコン4社だけで出来るわけがない。おそらくはJR東海、それもトップクラスからの指示があったはずだ。問題発覚後のJR東海側の妙な落ち着きぶりも気にかかる。
 筆者が推測するに、この談合事件はJR東海トップの示唆による一種の官製談合で、鹿島・大成が主導し、大林・清水はそれに追随しただけではないか。
(18/02/08)

 リニア談合事件で、大林を除く三社が談合を否定するという意外な展開。各社は4社による工区割りを、正常な営業活動の結果だと主張。この工区割りが4社による談合の結果でなかったとすると、上からの指示、つまり官製談合ということになる。誰が指示したのか?筆者はJR東海会長の葛西が一番怪しいとおもっている。何故なら、彼はこの問題が発覚してからも、一切表に出ていないからである。
 そもそもこの4社の営業担当者は、談合の意味を分かっていないのではないか?これら営業担当者はせいぜい執行役員部長級で、本人には談合の意識はなく、受注調整や工区割りなどの具体的な行為はなかったかもしれない。そもそもの発端はJR東海の某役員が大成の暴役員へ工事予算情報を流したという内部告発から始まったのである。
 これ自身公正取引法で禁止されている競争入札妨害に該当する。つまり入札予定価格が発注者から一部の受注者に伝わっておれば、その受注者は他の受注希望者に対し圧倒的に優位に立てる。これが公取法違反なのである。偶然かどうか知らないが、昨年度発注工事は全てゼネコン4社で決まってしまった。何故か?4社間での話し合いはなかったかもしれないが、JR東海トップと各社との話し合いがあったのではないか?それぞれの希望に沿って東海側が発注工区を調整したのなら、これもアウトである。
 それと不思議なのは、何故こんな原始的というか幼稚なやり方をしたのでしょうか?普通の公共事業なら公募制競争入札で、落札予定価格が公表される。その下で各社が競争するのである。ところが今回は公募制とは名ばかりで、現実には一社指名の随意契約。JR東海は落札予定価格を公表すると、それが他の工事価格に影響すると説明。こんなバカな話はない。世間では落札予定価格公表が普通。それで何の問題も起こっていない。単価など発注工事毎に変えればそれで済む。神戸市はある工事の最低落札価格を参考に、単価を変えていく・・・つまりどんどん安くなっていく・・・から、業者は油断できないのである。
 そもそもこんな簡単なことも分からないのは、JR東海という会社が技術力を失っているということである。その原因は旧国鉄の民営化である。特に土木系中でもトンネル屋はみんなリストラされてしまって、何も残っていない。こんな会社があんな長いトンネルを掘れるでしょうか?自分に自信がないから、結局はゼネコン頼みになってしまうのである。
 本来は中間にコンサルを置いて、コンサルによってゼネコンをコントロールするのが筋だが、何かあった時コンサルは弱小資本だから頼りにならない。記者会見から監督官庁への報告・地元説明等全部を発注者が被らなくてはならない。一方ゼネコンを絡ませておけば、そういうややこしい仕事はゼネコンがみんな引き受けてくれる。数年前のJX水島トンネル陥没事故でも、テレビにでてきたのは発注者であるJXではなく、受注者のカジマだ。JRはその手を考えて居るのだろう。それより工事区間の8割りがトンネルというのに、熊谷、間、奥村と云ったトンネル屋が外されているのはなぜか?技術は彼らの方が、いわゆるビッグ4より上だ。足りないのは政治力だけだ。
 但しゼネコンに任せておけば、JRはのんびり出来るだろうが、最終的にはものすごく高くつく。トンネル本体は概ねNATMでやるだろう。これの積算体系はすでに確立されているので、たいして遊びはない。その代わりゼネコンは補助工法で稼ぐのである。例えばやらなくてもよい薬液注入とか、無駄なロックボルトやパイプルーフなどである。その付けが設計変更の請求書で回ってくる。トータルとして1兆円ぐらいは目論んでいるのではあるまいか。当初から出ている大量湧水などの工事困難宣伝は、そのための伏線だ。問題は今のJR東海には、その適否を判断できる技術的ノウハウが残っていない可能性があるということだ。
(18/01/18)

 リニア談合が見つかって、JR東海の社長が会見。「今後工事発注方法を見直します。しかし基本は変えません」。この社長、事態の重要さが全く分かっていないようだ。その点では、貴ノ岩騒動での日本相撲協会と何もかわらない。
 もともとリニア東京ー名古屋間建設費はJR東海が全額負担でやるはずだった。ところがいつの間にか、政府資金でおおよそ1/3の3兆円がつぎ込まれることになった。これJRが要請したというより政府が無理やり押し込んだと云われる。いわゆる押し貸しという奴である。何故か?政府予算のあるところ利権あり。JR東海単独事業では政治・官僚利権にはならない。それでは困る。なんとかせねば、というわけで政治家が間に入って、3兆円分の利権がゼネコン並びにそれに関わる自民党利権に化けたのである。
 大雑把に言えば公共事業の場合、全体工事費の内土木にかかわるのが1/3、用地及び周辺整備費が1/3、設備に係るのが1/3という割り振りである。リニア建設費の内トンネル建設費が土木とすれば、国庫補助金枠と丁度一致する。つまり問題になっているトンネル工事費はまるっぽ国費だということだ。そこに談合が行われていたとすれば検察もだまっていられない。これだけの巨大利権、とてもJR東海という田舎会社のトップからだけとは思えない。おそらく官邸の奥深くからの意図によるものだろう。今回特捜が入ったのはそういう背景があるのだ。森・加計やスパコン汚職とは比べ物にならない、一大疑獄に発展してもおかしくない。
(18/01/02)

 昨年終盤に出てきたリニア新幹線談合。計画発表前にゼネコンが工区割りを決めていたという報道。しかしこんなの当たり前なのだ。工区割りから工法指定まで、全て整ってから計画発表なのである。そういえば今から20数年前、大阪JR東西線築造工事。ある時大林組本店土木設計部にいったら、設計部長は「工法検討どころかウチはどこ(の工区)を取ればもうかるかでもめとるよ.」と大笑い。世の中そういうものなのだ。無論その背景に大物政治家がいることは云うまでもない。
 今回のリニア談合、追いかければ間違いなく政権トップに行き着く。これが分からないようではジャーナリストではない。JR東海会長は永年アベ晋三の支援者だったのは有名な話。
(18/01/01)

 日本の四大ゼネコンが絡むリニア新幹線談合事件。当初JR東海の社員が、工事予算を大林組の誰かに渡していたことが発覚したことから始まった。JR東海の社員とは何者か?普通の人なら課長かせいぜい部長ぐらいと思うでしょう。しかしリニア談合に関わる巨大予算をこんな中堅や末端が知っているわけがない。おそらくはJR東海の相当上のレベルの人物と思っていた。そういえばJR東海の会長・・・名前は忘れた・・・はアベ晋三の強力な支援者。この辺りから情報が漏れたか?
 折も折、JR東海の元常務(故人)が大成の元常務に情報を漏らしたという疑惑。随分都合よく死んでくれたものだ。死人に口なしでこの世界、何か古い情報(大体ヤバイ)を貰おうとすると、本人はもう死にましたという返事が返ってくることが多い。もっともワタクシもその手を使ったことがあるから、他人のことは言えない。だからよく分かる。なお情報を受け取ったとされる大成元常務も、今は元がつくだけで受け取った時は現役のバリバリでしょう。
(17/12/26)

 これは先日公開された中央新幹線の山梨/長野工区の作業抗(斜坑)の状況。一見大丈夫そうに見えるが、良いところだけを見せているのだよ。一番手前は二次覆工コンクリート、その先に見えるのは一次覆工の鋼アーチ支保工。一番奥に見えるのはブームジャンボ。
 断面形状は道路屋の目からは今一.。ズリ出しを考えれば、幅員をもう少し広げ作業車の離合を円滑に出来るようにした方が坑内事故を防げる。そのかわり天を端もう少し下げなければならないが、これは天端補強でどうにでもなる。先受けボルトを入れる場合でも、その方がやりやすい。

(17/09/06)

 リニア新幹線の工事について色々問題点が指摘されています。今の所マスコミレベルで出ているのは次の2点です。
1)トンネル掘削で発生する残土処理
2)トンネル掘削による地下水位低下と環境への影響 
 ワタクシは他にも色々あると思うが、世間はあまりこれに注目していない。ここではとりあえず上記2点についての所見だけを述べておきましょう。
1)トンネル掘削で発生する残土処理
 トンネル掘削で出てくる残土量は約6700万m3。一般人は物凄い量と思うでしょうが、これは関空一期工事分の約半分に過ぎない。これをどう処理するかは当然JR東海が責任を持つはずなので、筆者のような部外者が口出しすべき課題ではない。
2)トンネル掘削による地下水位低下と環境への影響 
 マスコミレベルでは、南アルプス始め巨大山脈を通過することから、かなり大量の湧水が発生すると報道されている。JR東海の湧水量予測手法がどのようなものか明らかではないのでなんとも云えないが、多分旧国鉄方式ではないかと思われる。だとすれば相当の過大値を与えている可能性がある。この方法は地山地質を均質と考え、地下水位は地表面近くにあり、トンネル掘削後の地下水位はトンネルに対し放物線状に変化するものと考えるのである。又計算の前提値として比流量の正確な測定が必要である。トンネル掘削高(以下土被りと言う)が小さい局所的変化であればこれでも構わないが、土被りが大きくなったり地質構造が複雑な場合はこの方式は適用出来ない。
 リニアルート通過区間での大きな山脈といえば、南アルプスの赤石山系、次に中央アルプスを作る木曽山系である。この中でも赤石山系はこれまで大きなトンネル工事もなく、そこに土被り1000数100mというトンネルは、いわば未知の領域なのである。従って、湧水問題もこの山系の突破に集約されるだろう。
 筆者の結論は水は出ないとは云わないが、それは予測値を遥かに下まわるだろう。つまり殆ど水は出ず環境に与える影響は・・・・坑口近くの一部を除けば・・・殆ど無いということだ。何故こういう結論になるかというと、当該ルートの地質構造を考えればそうなるのである。赤石山系は所謂西南日本外帯に属し、それを作る地層は主に白亜系四万十層群および古第三系瀬戸川層群。これはいずれもプレート付加体であって、プレートがユーラシア大陸下に沈み込むところに出来た雑多な土砂の集積体(メランジ又はオリストストローム)である。プレートの押し込みによってこの中には低角度の逆断層(衝上断層)が発生する。南アルプスではこれは主に西傾斜の低角度断層となる。
 さてリニア新幹線は概ねこの構造に対し、直交或いは急角度で斜交する関係で交差する。この低角度断層は何本もあり、従って土被りが大きくなると、トンネルの上には幾つもこういう断層があることになる。さて、トンネルを掘ったときに発生する湧水の起源は何かと言うと、土被りが1000数100mぐらいであれば、殆どが雨水・降雪などの季節水です。これらの季節水は一旦低角度断層の上に滞留するがその後次第に側方に流出していき、直下には流出しないのである。つまり南アルプスほど土被りが大きければ、トンネルの上には幾つも低角度断層があり、それはあたかも傘が被っているようなものである。だから湧水は殆ど無いといってよいでしょう.。これは何も山勘でいっているのではない。筆者が関係した国道169号伯母谷第一トンネルとか四国の寒風山トンネルが当にそうだった。と言うことで外帯特に四万十帯では土被りが十分大きければ湧水はさほど気にしなくても良いというのが結論である。
 一方こういう断層は数千万前に出来た古い構造である。第四紀に入って南アルプスは急速に隆起を始めた。これは主にフィリピン海プレートの押し込みによるものである。この結果これによる新しい断層が発生する。これは赤石山系では主にN-S方向、垂直の断層である。これによる地表水の引き込みがあり、局所的な湧水が発生する可能性は大きい。上で例に挙げた伯母谷第一トンネルでは、低角度断層の下では湧水もなく工事も順調にはかどったが、一部に新しい高角度断層があり、そこからの湧水が見られた。これはトンネルルートの外側の沢水の引き込みと考えられる。この種の水は量的には大したことは無いが、土被りが大きいと高い圧力を持つ。この圧力によって切り羽が返るというケースはあり得る。この圧力をどうするか、抜くべきか抑えるべきかいろいろ議論はある。
 以上は本抗の話だが、距離から見て何箇所か斜坑を入れて工区分割をせざると得ないと思われる。上で述べた赤石山系の地質構造の特徴から、この斜坑やアクセス道路の仮設で、異常湧水や地すべりなど思わぬ事故が発生する可能性はある。こういう場面の対策こそ筆者の最も得意とするところだ。
3)問題は他に
 上で述べたように赤石山系を作る地質は白亜紀から古第三紀に懸けてのプレート付加体。この種の地質は主に泥質基質をベースに、砂岩やチャート・玄武岩など様々な異地成岩石が混入したランダムなもの。しかしプレート沈み込み方向で規制される一定の構造は持っている。こういうところに1000数100mと言う土被りで掘削すればどういう現象が発生するか?トンネル周辺には大きな応力集中が発生する。まず砂岩やチャートなど硬質塊状岩石には脆性破壊という現象が起こる。これは所謂「山はね」である。これが発生すると、収まるまで待っておくしか方法はない。次に泥岩および泥岩優勢オリストストロームの場合だが、ここでは「山はね」現象は起こらない。その替わり泥岩部分における箭断変形が大きくなり、内空変位がなかなか収束せず、これが工程の足を引っ張る可能性は大きい。対策としては切り羽の早期吹きつけが挙げられるが、場合によっては長尺ロックボルトによる切り羽補強も挙げられる。土被りが大きく岩盤強度も上がっているのに切り羽補強とは矛盾だが、工程確保という視点では止むを得ないかもしれない。
 付加体のオリストストローム中には、クラストと呼ばれる砂岩の塊が存在する。この中には直径が数10から数100mに及ぶものがある。これは塊状で硬質だから、土被りは数100m以上になると、「山はね」と呼ばれる脆性破壊を生じる可能性がある。これは一旦始まると、応力が再均衡するまで続くので切り刃はストップだ。対策としては@事前の地質調査で「山はね」が起きそうな区間を予測する。、AAEか何かで、地山の応力変化を計測する。B「山はね」区間の手前からケーブルボルトか何かで天端を引っ張っておいて(プレストレスを与える)その下を掘っていく、南アフリカのダイヤモンド鉱山ではこの手でキンバライトのなかを掘っている。
(15/06/30)

 
リニア決定で、日本中大騒ぎだ。ワタクシはバブル崩壊後の90年代不況の時こそ、リニアをやるべきだった、と考えている。それをやっておればその後のようなデフレは無かった。第一次大戦後バブルが潰れた昭和不況時こそ、満州などに行かずに列島改造をやるべきだった。そうすれば対中米戦争はやらずに済んだ。経済政策は同じことでも、タイミングを間違えば全く逆効果を生むという例。
(13/09/20)

 リニア大阪ルートでいまだに京都タッチ案が残っている。そもそもの中央新幹線ルートは奈良ルートだったのが、ある時京都タッチ案が出てきた。ワタクシがそれに気が付いたのは、未だダイヤコンサルタントにいた今から25年程前。隣の部署が北陸新幹線の地質調査を担当していたが、その中に、とってつけた様に琵琶湖南部地域が入っていた。そこでヒョットという気がしたのである。その後、ある会合でゼネコンに行っている大学先輩から、リニアのルートは判らンかと囁かれた。そこでワタクシは、ヒョットして京都タッチもあるかもしれん、と囁き返した。お互い技術士同士だから(守秘義務が懸かっている)、大きな声は出さない。
 段々生臭い話しが表に出てきそうな具合です。
(13/09/19)

 リニア新幹線東京ー名古屋間の駅候補地が発表されました。25年程昔、大林の本店土木設計部に行ったら、土木営業の誰やらがやってきて、「東京ー大阪間500qを50工区に分割して、そこへゼネコン50社を割り当てれば、リニアなど10年で出来る」と云ったものだから、設計部長が「もの凄い計算するなあ!」と吃驚したのを憶えている。
 それはともかく、リニア新幹線を長いアンテナと考えると、リニアが通る度に周囲に超低周波の地電流が流れる筈。これを観測する事により、中部日本特にフォッサマグナ周辺の深部地下地質構造、特に地熱構造がより詳しく判るようになる。無論、地震予知にも使えます。
(13/09/18)