アベ殺害と統一教会、日韓トンネルの闇

技術士 横井和夫

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 本日毎日新聞によれば、トランプ元大統領が旧統一教会〈現UPF)から、2021年から22年にかけて計3億円の講演料を受け取っていた。講演時間に直すと、1分1000万円相当。副大統領のペンスもその半分位の額を受け取っていた。
 さて日本のアベ晋三はどうかというと、講演時間はトランプと同じくらいだが、無償だという。まさか、でしょう。もしそれが本当なら、アベの統一教会への入れ込みようは、尋常ななものではなく狂信者レベルだことになる。そんな狂信的な人物を総裁に頂いた自民党の危機管理能力、更に狂信者を国葬とし、皇族を招いた岸田内閣の責任は甚大だということになる。
 普通ならなんらかの対価が支払われた筈だ。金銭なら何処かに架空口座を作って仮想通過で支払うとか、あるいは選挙支援という形での信者の無償奉仕もあり得る。只相手が政治家だから、後者だけという「のは考えずらい。多分なんらかの迂回ルートを使っての献金が行われたはずだ。
 さて、ここで年内にも何らかの結論が出そうなのが、統一教会解散請求の行方である。昨日BSTBS某番組で、元オウム幹部の上祐文博が、「解散しても何にも変わらない。自分自身も監督官庁が無くなったので、色々出さなくてはならない書類が無くなったので楽になった。。国家から敵視されたということで、信仰は更に深化し、地下化する」と警告。
 確かに解散によって上祐が云うようなデメリットもある。解散しても別の団体を作れば宗教活動は従来通りできるが、集金業務は簡単には行かない。まず銀行から口座解説を拒否される。仮想通過取引にしても、取引所からは敬遠される。何よりも法人格を持っていた時は、宗教法人法を盾に拒んできた税務監査が拒否出来なくなる。
 大手の宗教法人、例えば創価学会、立正佼成会、生長の家などは、大抵バックに政治家がいるから税務署も手を惹く。統一教会は当にそれだった。解散してしまえば、宗教法人法の縛りや政治家の干渉がなくなるから、何時でも税務監査ができる。その過程でカネの流れが明らかになる。
 オウムは元々宗教集団だったが、段々とイデオロギー的色彩を強めていき、ついに反国家暴動事件まで起こしてしまった。統一教会は反共イデオロギーで自民党や日本保守派に食い込んだが、その後集金集団と化した。集金集団化の果てがアベ銃撃事件なのである。集金集団ならそのカネの流れを根絶することにより、無力化出来る。その最も効果的な手段が税務監査である。だから解散しても何も変わらない、ということはない。要するに、統一教会は自民党を利用しようと考えていたが、結局は自民党にいいように操られていただけだ。
(23/10/25)

 統一教会が本部を八王子から都内某所に移転を始めたところ、隣接する大学始め近隣住民から、移転差し止め請求のための署名が3万数千筆集まった。これに対し、本日テレビである芸人が「これでは宗教団体というだけで、建物が立てられなくなる」と、いつもながらの見当違いの発言。ある団体(企業や学校、病院等)又は個人が建物を建てる場合、その団体・個人になんの問題もなければ、誰も反対しない。それどころか、学校・病院などは歓迎される場合もある。
 反対運動が起きるのは、その施設が宗教関連かどうかではなく、事業者に何らかの問題がある場合だ。何故問題があれば反対されるのか?その点を、この芸人は全く分かっていない。問題がある団体がくれば、必ずその周辺の地価が下がる。例えばある町内に反社会組織が事務所を構えれば、誰も近寄らなくなる。地元の商店街は売上が下がるし、引越ししたくても買い手がつかない。つまり財産権が侵害される。だから反対運動が起きる。これは事業者へのイジメではなく、周辺住民の自衛策でもある。
 そもそも統一教会がなんら問題がない団体といえるか?政府から解散命令を前提にした扱いを受けている団体だ。そんなのが来て気持ちが良い筈がない。だから反対運動が起きる。これは統一教会だけでなく、戦後日本の宗教界が宗教法人法を盾に、甘い暮らしをしていたからだ。つまり身から出た錆だ。
(23/07/30)

 アベ晋三銃撃事件から1周年。アベオタクの高市早苗が「未だアベさんの魂はこの世に留まっている」てなことを喋ったものだから、早速ネットでは、オカルトだ、スピリチュアルだとか非難ごうごう。何のつもりでこんなことを云ったのか、よく分からないが、本人も結構スピリチュアル系なのかもしれない。
 仏教、といっても天台系密教、特に浄土系では、ひとは死ぬと49日間無明荒野をさまよい、その間前世の罪障により六道の内のどれかに堕ちるとされる。ところがこの世に強い執着心があると、自分が死んだことを理解出来ず、その魂は何時までもこの世とあの世の境目に留まるものが現れる。彼らが行く先は「天狗道」という世界。そして天狗道とこの世を行き来する。高市の言うように、アベの魂魄が未だこの世に留まっているとすると、アベ晋三は未だ成仏出来ず天狗道に堕ちたと推察される。
 では天狗道に堕ちるとどうなるか。「太平記」にこのようなエピソードが載っている。仁和寺のある僧侶が用事で出かけたが、帰りが遅くなった。小さなお堂があったので、今晩はここで止まり明日帰ろうとした。夜半バタバタと音がするので外をのぞくと、三匹の僧形の天狗が座り、誰かを待っている様子。いずれも南朝方の高名な僧侶だ。するとそこへ四匹目が現れた。それはなんと護良親王ではないか。
 すると天狗達は銅汁を呑み、喉を抑えて苦しみだす。天狗道に堕ちると一日に何度かこの苦しみを味合うらしい。それが済むと天狗達は、これから如何に天下を騒がせてやろうかという悪だくみを始め、夜が明ける前に何処かに飛び去った。天狗道に堕ちたと考えられるアベ晋三は、どこかに自分の化身をつくり、世の中を混乱させる計画をしているはずだ。それは何処の誰か?考えられるのは、統一教会の誰かだ。
 アベ霊魂残留説を唱える高市早苗の本拠は、奈良盆地南部。古代では蘇我・物部・葛城氏等の地主(国津)神勢力の強い処。物部氏の氏神は大物主神。奈良盆地でも特にスピリチュアルパワーの強い地域だ。高市を武智或いは竹内氏の末裔とすれば、物部氏との関連が考えられる。物部氏は7世紀始め、蘇我氏との抗争に敗れ滅亡するが、その魂魄は未だこの世にとどまっているのか。物部氏の歴史を綴ったと云われるのが「先代旧辞本紀」(一般に偽書とされるが、近年再評価の向きもある)。日本オカルトの原点だ。その中の秘儀に、死者降霊術というものがある。高市はこれを使って、今は亡きアベ晋三の霊を呼び出したのかもしれない。
 ではアベ天狗が何故現世に執着するのか?その執着心の素は何か?幾つか要素が考えられるが、一つは祖父岸信介以来、三代に渡る「憲法改正」論。もう一つは、岸家・・・だけではなく長州特に松下村塾系・・・に伝わる強烈な報国主義、それを実現するための権威主義。アベが死ぬ直前に読んでいた本が「山縣有朋伝」だったのは、なんとも予言的だった。
(23/07/08)

 奈良地裁に送られてきた不審物、なんと山上被告罪状軽減歎願署名。おまけに送られてきた段ボール箱の表には、送り主の住所、氏名、電話番号、内容までみんな書いてあった。当たり前だが、宅急便の送り状にはこういうものはみんな書いてある。
 ところが奈良地裁の職員は送り主に確認もせず、不審物と思い込んで、警察に連絡してしまった。こういうのを”アホ・無能”という。日本の役人は何故こんなにアホばっかりになったのか?こういうアホが現場を仕切るから、大事な裁判記録を簡単に捨ててしまう。アホの特徴の一つに、中身を確認したり、理解せずに云われた通り或いは自分の思い込みだけでものごとを片づけようとする傾向がある。今のプーチンもその類かもしれない。
(23/06/14)

 アベ銃撃事件の公判前論点整理で、奈良地裁に何か不審物が送られてきた。警察が調べると金属反応があった。どっちみちカッターか何かだろう。こういうことをやるのは、概ねネトウヨに多い。送りつけた人物は、公判前論点整理と公判との区別がついていないらしい。公判前整理には被告は出席しない。裁判官・検察官と弁護士だけである。公判でも被告が出廷するのは、最初の本人尋問と、判決言い渡しぐらいで、あとは検察官と弁護士とのやり取りだけだ。つまり危険物を裁判所に送り付けたところで、被告への脅しにはならない。
 では誰が、何を目的としているのか?山上の背景になんの組織もないことは、これまでの捜査で明らかである。とすれば、山上が公判でアベに不利な証言をするのを阻止しようとするネトウヨ系ではあるまいか。それとも統一教会の末端信者か?
(追記)その後の報道では、警察は差出人を「東京都内に住む男」と断定した。”男”というからには氏名も分かっているはずだ。何故それを公表しないのか?出来ないわけでもあるのか?例えば”男”がアベシンパの有力者とか団体と繋がりがあるとか?
(23/06/12)

 評論家・・・といっても大したことはないが・・・のFが、今回の和歌山岸田襲撃事件について、「(アベ晋三を銃撃した)山上を、英雄視した報道があるからだ」と某TV番組で喋ったものだから、統一教会追求派の弁護士やジャーナリストから猛反発。
 山上が英雄かどうかは別にして、あの事件がなければ、世間は統一教会問題に目を向けなかったのは間違いない。評論家のFも、お賽銭と献金の違いが分からなかった田原総一郎や田崎史郎も全く注目しなかっただろう。世間の目を覚まさせ、政治の方向性を変えたという点で、あの山上事件は一つの歴史を作ったのである。
 そもそも英雄とテロリストは紙一重。5.15事件は立派なテロ事件で、犯人達も間違いないテロリスト。しかし、いざ裁判が始まると、忽ち起こったのが犯人同情論。世間は、行為は別にして動機は公憤至上溢れるものだ、と犯人を英雄扱いしてしまった。提灯を持ったのは読売新聞と、当時革新派と呼ばれる言論人達。丁度上に挙げたFのような知識人。
 事件を起こした時はテロリストだが、時間がたてば英雄になるケースは多い。明治維新の立役者であり、幕末維新物の映画やドラマでは、英雄とされる桂小五郎は長州テロリストの黒幕で、彼の指図で久坂玄瑞や高杉晋作などの下っ端がテロ行為に奔っていた。坂本龍馬もダンビラ振りかざして、勝海舟宅に押し入ったこともある。そのあとはピストル持って、勝に面会を強要している。立派なテロリストの所業だ。
 ところが彼ら幕末テロリストは、後世皆英雄になった。何故かというと、彼らが元々属していた階層や集団が、その後の支配階層になったからである。当に「勝てば官軍」だ。だから今後・・・100年位先・・・山上や木村らが英雄になる可能性もゼロではない。その逆もあって、今英雄視されている人物・集団が、将来詐欺師、犯罪集団呼ばわりされることだってある。だから大事なことは、現在の世間潮流に流されることなく、自分の立ち位置を見定めることだ。それが今の岸田にできているかどうか、次の選挙の目安にすべきだろう。
(23/04/18)

 これは例の統一教会が主導する日韓トンネル日本側調査抗、坑口部の明り巻きの様子(01/12毎日新聞朝刊)。トンネルに詳しくない人にとっては、何をやっているかわからないと思うので、少々解説を加えます。
 用地や線形の制約の関係でトンネルが斜面に鋭角に突っ込んで行かざるを得ないケースがあります。その時山側の地山が不安定になって、トンネル躯体に偏土圧が働き、施工中の坑内の変形や崩壊、施工後も同じような現象が継続します。それを避けるため、予め坑口部では斜面の反対側にトンネル躯体を先に構築します。構築し終わった後は覆土して仕上げです。lこれを「明かり巻き」といいます。写真はそのトンネル覆工コンクリートの型枠を組んでいるところです。
 ではこういう工法は一般的でしょうか?原則でいえば、こういうきわどい工法は出来るだけ避ける、避けられる坑口を選ぶというのがトンネル技術の基本です。そういう点でこのトンネルは色々問題がありそうだ。なおこのトンネル、何処の誰でも施工できるものではない。統一教会(とゼネコン?)大手が「極東開発」というダミーを作り、ゼネコンがそこに潜ってやっているのです。ではその大手ゼネコンとは何処で、それと統一教会との関連が興味津々。
(23/01/12)


 与野党スッタモンダの末、統一教会の被害者救助法がやっと成立しましたが、ここで又マジ馬鹿が現れました。それは杉村太蔵という元衆院議員。所謂バカの塊といわれるコイズミチルドレンの成れの果て。
 昨日ネットニュースで、先日の某テレビ番組で杉村が「この法律はアベサンならもっと早く出来た」などとタワケ発言をしたことが紹介されていた。この男、事の次第が全く分かっていない。仮にアベが生きていたとすると、今のような統一教会バッシング騒ぎが起こるはずがない。何故なら統一教会の勢力拡大に最も協力したのが、岸ー佐藤ーアベ晋太郎という長州岸一族。アベ晋三は、いわばその嫡流である。統一教会被害が起こっても、大概のマスコミはアベに忖度して取り上げない。
 仮に統一教会問題が今のように広がっても、統一教会に不利になる法案など握りつぶすのは当たり前。従って杉村はあり得ない話をありそうに騙っているだけで、これこそ杉村がアベ教というカルトに嵌っている証拠。全く世の中が見えていない。テレ朝は何故こんなアホをコメンテーターに仕立てるのか、メデイアとしての見識がみとめられない。会社が馬鹿なのか、プロデユーサーがパーなのか?
(22/12/12)

 少し前、テレビを見ていると、ある番組でバブル期に起こった「CoCo山岡」による若者向けダイヤモンドリテール販売詐欺を映像化した番組を流していた。それによる「CoCo山岡」の手口は概ね次のようなものである。
1、まず女性販売員(というより工作員)が、街角で暇そうな若者(カモ)を見つける。
2、アンケートに協力してくださいといって、喫茶店に誘う。
3、若者の氏名・年齢・住所・家族構成・年収など個人情報を聞き出す。
4、次は別の女性販売員に変わって、これがダイヤモンドの購入を進める。カモが買い渋っていると上司に相談するといって、また別の販売員に変わる。
5、上司役の販売員が決断した振りをして、値段を負けて契約させる。前金が足りないときは消費者金融に連れて行って、ローンを組ませる。
 以上のパターン、これ全く統一教会の勧誘法そっくりである。統一教会と「CoCo山岡」と関係があったかどうか知らないが、詐欺師というのは皆同じことを考えるものだ。そういえば豊田商事のゴールド債権詐欺も似たようなやり口である。実際「CoCo山岡」の経営者は特別背任で逮捕起訴された。
 詐欺とは、実際に存在しないもの、或いは存在を通常の手段では確認出来ないものを、あたかも存在するかのように偽って金品資産を略取する犯罪行為である。つまりこのような手口を考え出した文鮮明とその女房韓鶴子、その側近達はプロの詐欺師で、信者とその家族は奴らの詐欺に引っかかった被害者である。今の課題は如何にこの詐欺師集団を壊滅させ、被害者を救出するかであり、そこに注力すべきである。
 とは言いつつ色々課題もある。中でも大きくて性質が悪いのが足を引っ張る連中。これには大きく(1)マスコミ界での擁護派・・・田崎史郎、橋下徹、太田光など・・・、(2)国会内での守旧勢力・・・自民、公明・・・がある。彼らが持ち出す手段は決まって憲法20条「信教の自由」である。そして統一教会も宗教法人法で保護されているから国家は干渉できない、と主張する。
 例えば田崎史郎は自民党の統一教会関係調査について、ある番組でMCが自民党が教会に調査に入れば、というと「その法的根拠は?憲法20条に触れる恐れがある」と教会擁護一点張り。しかし疑われているのは自民党なのだから、それを晴らすためにも教会に調査を要求してもよい。それを逆にメデイアに反発するということは、自民党が何らかの関係を持っているという証拠でもある。
 田崎は人も知る自民党特にアベー菅応援団。ここは何が何でも臭いものに蓋をしなければ、と思ったのだろう。彼はわざとか本当か分からないが、「信教の自由」と宗教法人法とを混同している。憲法が定める「信教の自由」は個人と国家との関係を規定しているのみで、宗教団体の自由を保障するものではない。この点については既に最高裁判決が出ている。しかし田崎、太田らはこの判決(=原則)を・・・わざと?・・・無視し続けている。
 また、対策方法にも色々あって、必ずしも一致していない。例えば対象は統一教会関連団体だけに限るのか、宗教法人全般を対象とするのかでも、色々異論が出る。筆者は統一教会に限るのではなく宗教法人全般を対象にすべきと考えている。何故なら現在宗教法人は13万4000団体ほどある。そしてこの大部分が休眠法人である。この休眠法人の多くが暴力団、詐欺集団など、反社会的団体の闇資金の受け皿になっている。カルトはこれらのほんの一部に過ぎない。
 解散か解体か?現行の宗教法人法では悪質法人には解散命令を出せることになっている。しかしこんな行政命令など一過性で、又元に戻る。例えばオウム真理教は解散したが、実体は上祐派や麻原派(アレフ)他に分裂しただけ。アレフには相変わらず麻原崇拝者が残っている。
 これらのカルト教団に共通するのは、過大献金と洗脳である。中でも教団の維持拡大に重要なものは過大献金。つまり金が全てなのである。この金の流れに手を付ければ、悪質法人をあぶりだすことが出来る。ところが今の宗教法人法や税法ではこれに手を付けられない。だから宗教法人法を少し改正して、例えば1万円以上の献金は全て領収書を発行するとか、全ての宗教法人に対して確定申告を義務付けるなどで規制の輪を強化すればよい。
 又宗教法人の監督も文化庁のようなボンクラ役所ではなく、国税庁に移管する。これだけでこれまでいい加減なことをしてきた宗教法人は震えあがる。無論真面目にやってきた法人は少々規制が厳しくなっても、問題はないはずだ。無論憲法問題は発生しない。
 それでも抵抗勢力は存在する。誰か?無論自民党と公明党。自民党は神政連とか立正佼成会、成長の家、その他大手宗教法人、公明党は創価学会が重要な資金源であるとともに集票機関。こういった既成大教団が政治と癒着して宗教を堕落させてきたのである。統一教会或いはオウム真理教のようなカルト問題は、単に各教団固有の問題ではなく、戦後資本主義社会の中で起こってきた、宗教の堕落の一形態なのである。
(22/10/08)

 いよいよ明日はあの評判が悪いアベ国葬です。反対派が6割超、賛成派はせいぜい3割。この賛成派の賛成理由というのに多いのが、例えば二階俊博のように「みんな騒ぎすぎる、黙って見送ればよい。国葬すれば良かったと思う、日本人なら」とか、和田アキ子のように「反対するのは故人や遺族に対し失礼」といった、国葬を一般葬儀と勘違いしている意見が多い。実はアベ晋三をあの世に見送る儀式は、とっくの昔に終わっている。
 反対派は国葬を政治の延長と捉えている。一方賛成派は宗教行事と言い張る。しかし賛成派に共通するのは、宗教に対する無知・鈍感である。これは統一教会への対応にも共通する。葬儀とは「死者を別世界に送る」祭祀である。この様式は各宗教によって大きく違う。故アベ晋三の本葬は7月16日、東京築地本願寺で行われた。これから見ると、アベ家の宗旨は浄土真宗と考えられる。
 元々仏教は無神論であり現実主義である。釈迦自身「死んでから何処へ行くかなど、誰も見たことはなく、あるかどうか分からないものにくよくよしてはならない。それより今を真剣に生きよ」と述べている。だから初期仏教では来世のことは重視していない。法華経は紀元1世紀頃北西に起こった大乗仏教の根本経典だが、そこにも来世のことや葬儀の件は一言も述べられていない。又5、6世紀頃に起こった密教でも、その根本経典である大日経や理趣経などにも、変身と超能力獲得の奥義*は述べられているが、葬儀の祭礼などは触れられていない。
 ところが、我々日本人で仏教と云えば、「葬式仏教」という言葉で表されるように、あの世のことを述べている宗教という捉え方が多い。それが最も顕著に現れた象徴が葬儀である。上で述べたように本家のインドでは殆ど無視されていた「あの世」という概念、そのための葬儀という祭式がどうして生まれたのか。
 それは仏教東遷の過程で中国を経由したからである。この過程で中国の儒教・道教と混淆・習合して「中国仏教」となり、それが日本に伝わって「日本仏教」となった。皆さんよくご存じの閻魔大王の審判や、三途の川の物語などは中国で作られた偽教の産物。お盆やお彼岸なども中国の習慣が日本に伝わって、仏教の衣を着ただけだ。
 元々のインドでは殆ど意味を持たない葬儀だが、日本では中国の影響で様々な葬儀祭式が行われるようになった。これも宗派によって異なるが、最も簡単なのは浄土真宗である。例えば日蓮宗や真言宗では49日間掛かる死者供養も、真宗では一日で終わってしまう。本葬が終われば一日で、死者が行くところが決まっている。アベ晋三の場合、死亡したのが7月8日。本葬が7月16日だ。この時にアベ晋三の魂魄はあの世に行っている。いないものを改めて送るとはどういうことか?こういう基本的な点を賛成派は分かっていない。
 もし未だアベの魂魄がこの世にいるとすれば、凄い執着心ということになる。この執着心を解かねばアベは永遠に成仏出来ないことになる。そのための国葬というなら別に構わない。但し岸田はその点を「丁寧に」説明しなくてはならない。しかし今時こんなことを真面目に喋れば、世間から物笑いの種になるだけだ。
 なお国葬には秋篠宮ご夫妻が参列し、天皇からの弔辞も与えられる。統一教会がこれを宣伝材料に使わないはずがない。岸田はその覚悟が出来ているのか?

*これが空海の云う「即身成仏」だが、実は金属特に水銀精錬の秘伝という説がある。これが面白い。日本特にヤマトは古代では東アジア最大の水銀産出国だったのだ。
(22/09/26)

 佐賀県唐津で掘り進んだ(今は休止中)日韓トンネル。断面は日本の新幹線サイズ、覆工も旧国鉄仕様。日本流でやっている。ヘルメットを見ても何処の会社か分かりません。坑外には「極東開発」という看板がありますが、そんな会社、トンネルの世界では聞いたことがない。
 写真では二次覆工まで終わっているので地山の状態や掘削工法が何かは分かりませんが、感じではNATM でやっている。地場の中小ゼネコンでは無理なので、坑外の看板といい、おそらく大手ゼネコンが「極東開発」というダミーを作って、そこに潜ってやっているのです。つまり統一教会というのは何でも隠すのだ。自分のやっていることによっぽど後ろめたいことがあるのだろう。そんな団体の仕事を請ける方も請ける方だ。何処だ?!アベ印なら、大成あたりが怪しい。
 なお宗教団体は金にルーズだから、単価はこっちの言い値、支払いは良い。だから宗教がらみの仕事はズバリ儲かる。但し後でしっかり大枚のキックバックを要求される。これは地元対策費・・・つまり地元議員や右翼・暴力団・解放同盟などの交渉、口止め料・・・だとか、上部機関への上納に消える。無論業者もそれを折り込み済みで見積もりを作るのだから、損はしない。
 この写真の記事で、統一教会は信者に対し、トンネルは1ミリ掘るのに5万円かかる、とか言って5万円献金というのを強制したとある。この程度のトンネルなら、ネットで1mあたり50万から60万円。つまり1ミリ当たり、500円か600円だ。それで5万円まきあげるのだから、強欲振りにあきれ果てる。二流のペテン師文鮮明、嘘つきババアの韓鶴子らしい。まるっきりの詐欺工事だ。それを「日韓トンネル促進連盟」とか何とかを作ってはしゃいでいる代議士や県知事・議員・大学長らは、詐欺の片棒を担いでいるのだ。
(22/09/15)

 相変わらずの統一教会報道だが、これには大きく統一教会批判派(攻撃派)と、中立派(擁護派)に分かれる。前者の代表は、例えば日弁連の霊感商法対策弁護団とか、鈴木エイトのような一部反カルトジャーナリストである。このグループの目的は最終的には、宗教法人法を改正して、統一教会を追放しようとするもの。筆者は無論、このグループを支持する。
 後者は前者ほど明確な目的や集団性を持たないが、前者を左翼リベラルと捉え、論点を憲法やその他些末な法律問題にすり替え、統一教会やそれに関係した自民党議員への攻撃を矮小化しようとするもの。保守系政治家や評論家、芸能人に多く見られる。
1、憲法問題について;統一教会(やカルト団体)を法律で規制しようとすると宗教法人法の改正或いは新たな規制法が必要になる。すると反対派が必ず持ち出すのが、憲法20条「信教の自由」問題と宗教法人法との関係である。
 一番の問題は反対派が、統一教会が宗教団体と勘違いしていること、そして宗教法人と宗教団体の区別がついていないことである。その結果、憲法の主旨や法律の中身を全く理解せず、見かけのことだけを論じている。憲法が保障しているのは個人の内面の問題であり、宗教法人が好き勝手なことをやって良いとは云っていない。
 つまり個人の信仰に対しては国家は介入してはならず、又国家が個人に特定の宗教行為を強制してはならない、ということだけである。一方、宗教法人法は、法人承認や登録手続き等外形上の様式手続きを定めるのみで、教義や礼拝・儀式等の宗教行為については、それが著しく社会の規範に逸脱したり、日本の法律の枠内である限り、原則として関与しない。つまり、憲法の規定と宗教法人法には何の関係もない。これは1997年、霊感商法裁判の最高裁判決で明らかになっている。統一教会の法的規制に憲法問題を持ち出すことが間違っているのであり、それこそ彼らの思う”壺”だ。
 問題は現行の法人法は性善説に基づいているのか、法人格を取得する「ハードルは低く、解散させるハードルが高い」ということなのである。この結果、休眠法人が溢れ、それが暴力団等反社会的勢力のマネーロンダリングなどに利用されていることだ。これを防ぐには法律を改正し、怪しい宗教法人を一掃することである。ところが、こうなると必ず既成教団から、やれ宗教弾圧だ、などと惚けた妄言がでてくる。そもそもまともなことをやっておれば、法律の規制が少々厳しくなっても、問題はないはずだ。それを宗教法人法を盾に、権力争いや私財の蓄積、果ては自分の借金返済のために寺宝の売却などにうつつを抜かしているから世間から冷たい目で見られるのである。
2、統一教会は宗教団体か;世界的に見て、統一教会を宗教団体と見ているのは、どうも日本人だけらしい。本家の韓国では、あれはビジネス集団と見られている。アメリカではトランプ始め共和党保守派に統一教会シンパが多いが、彼らだって統一教会をどう見ているか分からない。只のビジネスパートナーか裕福な資金源と思っているだけかもしれない。その資金を、身を削ってせっせと送っているのが日本人信者だ。筆者の見解は、「日韓トンネル」を見てもわかるように、統一教会の実態は、金集めだけが目的の国際詐欺集団である。当初の反共イデオロギーだって怪しいもので、日本保守派に食い込むための道具に使っただけだろう。そしてその詐欺の被害に最も多くあっているのが、日本人信者なのである。
3、統一教会への規制は国際問題になりますよ;これは某TV番組でMCを務める漫才師が言い出したこと。統一教会は韓国では合法化されている。それを日本が非合法化すれば国際問題になりますよ。アメリカに対してもそうです。本当になるでしょうか?なるわけないですね。
 日本でも今現在では、統一教会は合法的な宗教法人である。そして日本も韓国もどちらも主権国家です。仮に日本で統一教会を非合法化しても、それを韓国に押し付けることはない。つまり国際問題にはなり得ない。例えば銃は日本では特定の職業についている人以外は、原則所持は禁止される。しかしアメリカでは合法で、国中に銃が溢れている。だからといって日米で問題になったことはない。
4、一般信者は反社会組織の構成員か;これも上掲の漫才師の意見だ。要するに統一教会が反社会的集団と認定されると、末端の信者までその一味と思われてしまう。重大な人権侵害だ。
 しかしここにも重大な事実誤認がある。統一教会が反社会的勢力と認定されたとしても、首謀者と一般信者は分けて考えなければならない。本当の首謀者は(文鮮明)、韓鶴子ら文一族とその周辺である。一般信者はむしろ被害者である。この点を多くの人は混同してる。但し、仮に洗脳されとしても、無価値の壺や印鑑を高額で販売すれば、詐欺の共犯に問われる可能性はある。但し状況によっては情状酌量の余地はある。だから一般信者はそんなに恐れる必要はない。むしろ、統一教会規制法の目的は被害信者を作らない、増やさない、如何に救済するか、にある。
5、高額献金は不法か?;これは霊感商法にも関係するが、主に新自由主義系の評論家から持ち出されるロジックである。例えば、霊感商法で安物の壺や印鑑をン100万円で買っても、それは本人が了解して買ったのだから仕方がないという自己責任論である。しかし誰が見ても数万円にしかならない品物をン100万で買わせるには、何らかの仕掛けがなくてはならない。
 まず買主が了解したとしても、買主がその価値を理解したかどうか、売主がその価値を十分に説明したか十分な情報提供をしたかどうか、が問われる。もし十分な説明をせず、何らの誘導又は買主の不安に付けけ込んで買取を強要したとすれば、その取引は無効である。90年代霊感商法訴訟では、裁判所がこの点を認めて統一教会側敗訴となったのである。新自由主義経済は基本的には自己責任論によるが、企業がなにをしても構わないというシステムではない。経営に当たっては、十分な説明と情報公開が求められるのである。
 献金・寄付についても同じことが言える。献金・寄付とお賽銭とどう違うのか?そもそも寄付を禁止する法律はない、という人物がいる(例えば自民党の二階とか自民党系の田崎)。彼らは統一教会が自民党議員や自治体などに出した寄付と、一般信者に強制した高額献金をごっちゃにしているのである。
 神社やお寺のお賽銭は、いわば神仏への挨拶のようなもので、それになにか対価を要求するものではない。寺社は色々功徳や効果を宣伝するが、そんなものまともに信用するものは誰もいない。一方統一教会は、対価としてやれ「運命が開ける・・・霊感商法」とか、やれ「今先祖が地獄で苦しんでいるのは、過去の怨念の祟りだからそれを払わなくてはならない」とかありもしない出鱈目を言って、630代前まで遡っての徐霊だといってン1000万円だかを巻き上げる。それがアメリカの共和党や北朝鮮に送られるのだ。これなど誰が考えても詐欺以外の何者でもない。お賽銭とは明らかに違うのだ。
 寄付・献金となると話は別で、これは何らかの目的をもって資金を集めるものだから、その目的は明確にしておく必要がある。特に法人が集めた寄付は収支を明確にしておかないと、所得税法に引っ掛かる可能性がある。これは宗教法人でも同じである。
 通常の寄付・献金は原則個人の善意によるものである。企業等の営利法人や公益法人は、寄付行為そのものが禁止される。統一教会の場合は献金額が信者の階位によって予め決められ、集金方法がシステム化されノルマが決まっているという強制献金だということである。統一教会の献金を只の寄付やお賽銭と同一視してはならない。その程度のことも分からない田崎史郎など、ジャーナリストの風上にも置けないゴキブリ野郎だ。
 統一教会が犯した大きな悪の一つが、信者に対する強制献金である。その結果が霊感商法などの違法行為や家庭の崩壊等の悲劇を産んでいる。それが極端に表れたのが、今回のアベ殺害事件なのである。しかるに今になってなお、信教の自由を盾にとって統一教会流献金術を擁護しようとする、田崎史郎ら保守派言論、橋下などの新自由主義者らの頭の中が理解できない。彼らこそ隠れた統一教会シンパなのか、それとも只のアホなのか?。
 そしてこの問題に切り込もうとすると、最も強く反対するのが公明党と創価学会である。創価学会も戦後間もない30年代、40年代には似たようなことをやって信者を食い物にしてきた。ひょっとすると統一教会は、それを真似たのかもしれない。因果は巡る回り灯篭。この際、創価学会も巻き込んで一網打尽にしてしまえばよい。、
(22/09/03)

 統一教会問題で最近注目されてているのが「日韓トンネル」問題。岸田の後援会長である熊本の某大学長が、「日韓トンネル」に関する協議会の議長を務めていたとあって、統一教会疑惑は萩生田のようなチンピラを飛び越えて、岸田の身辺まで及んできている。
 「30年ほど昔、務めていた会社に鉄建公団OBのオッサンがいて、ある時「横井さんこういうのはどうじゃね」と持ってきたのが「日韓トンネル」のパンフレット。みると協賛会員には鹿島、大成他日本の大手ゼネコンが名を連ねている。役員はどうかというと、協議会の日本側代表は中曽根康弘、韓国側は文鮮明。『こりゃ統一教会だ、やめとけ』と云ってご破算にした。
 日韓トンネルというのは戦前からある構想で、東京から朝鮮ソウルを経て新京までを結ぶ鉄道構想の一部。戦争で一旦は消えたが、何故か高度成長期以後、出ては消え消えては出てくる、M資金に並ぶ謎のプロジェクト。統一教会が絡む政治詐欺と思って間違いない」。
 これは7/12に筆者が書いた記事の一部である。つまり既に30年前に、大阪のある会社のサラリーマン・・・但しトンネルや公共事業にはプロ・・・でも「日韓トンネル」と統一教会の関係について気が付いていたのである。それを大物衆議院議員の後援会長が、知らぬ存ぜぬでは片腹痛い。
 ここで件のパンフレットの中で気が付いたことを思いだしたので1、2付け加えて置く。
1)技術顧問として、ある高名な人物を挙げている。その人物とは本人の名誉もあるから伏せておくが、旧い筆者と同世代のトンネル屋なら誰でも知っている。映画「青函トンネル物語」主人公のモデルでもある。彼の名前を出されれば、日本中のゼネコンはみんな信用してしまうだろう。
2)事業報告の中に、ナントカ事業団を通じて調査の予算化が決まったというような文面があった。事業団というのは、国や自治体、民間企業が資金を出し合民間だけではでい、きない事業を肩代わりする、公共企業体。こういう名称を出されれば、誰でも一旦「日韓トンネル」とは公共事業と錯覚してしまう。ところがそんな名前の事業団など聞いたことがない。つまり嘘なのである。このように、統一教会は有名人や公的機関を騙って近づき、金品をだまし取るのが手口なのである。
 あれから30年、事業といえば九州と対馬で二か所、調査抗と称して、100mから200mのトンネルを二か所掘っただけ。事業団と称する割にはやることがお粗末。
 小断面トンネルだから掘削(一次覆工)単価はせいぜい20万円/m。ということは工事費は3000万から4000万円程度。二次覆工は同じくらいかかるから、合計で8000万円。それ位信者を一人騙せば簡単に出てくる。しかしこれを1億と偽れば、差額の2000万は、文鮮明他教団幹部の利権に化ける。あの田中富広会長も、結構おすそ分けに預かって居たのだろう。このような闇利権が廻りまわって自民党に廻っている可能性は十分ある。そうでなければ、たかが選挙応援程度で、これほど深く広く浸透するわけがない。
 このように統一教会は有名人を広告塔に使って世人を安心させる。更に事業に如何にも公共事業のような偽衣を被せて権威づける。安心と権威、これが日本人が一番弱いキーワードだ。これを使って政治に食い込めば利権は思いのまま。つまり「日韓トンネル」こそ、絵にかいたような「政治詐欺」なのである。
 だから坊主とナントカは、三日やったら止められなくなるのだ。実はこういう闇利権は創価学会霊園事業でも見られるが、宗教法人法の建前で守られているだけだ。宗教法人法の見直しについて、公明党がいち早く反応したのは、法が変われば公明ー創価学会つまり池田利権に司直のメスが入りかねないからだ。卑しい話である。
(22/08/25)

 政治家が統一教会との関係について問われると、決まって出てくるのが「そんな団体とは気が付かなかった」とか、「普通の団体と思っていた」とか、酷いのは「何が問題かボクチャンわかんなーい」てな言い訳。知らない分けがない。本当に知らなかったとすれば、それは只のアホ。知っていて知らなかったと言い張るのは嘘。合同結婚式から霊感商法まで統一教会がらみは世間の常識だ。つまりみんな嘘をついて、知らぬ存ぜぬで逃げおおせると思っているのだ。この嘘で逃げ切る手法こそアベ晋三直伝。晋三しして、嘘は残る。
 統一教会関連のキーワードがあって、それに気を付ければ、誰でも直ぐに見分けることができます。但しこれは時代によって変化し、巧妙化しているので見分けは段々難しくなる。
 まず日本にやってきた初期の60年代から70年代にかけては、「統一」と「原理」が特徴的だった。大学キャンパスを中心に発生した「原理研究会」などがその例である。80年代から90年代にかけては「原理」が消えて「統一」に「世界」が加わった。合同結婚式や霊感商法が流行ったのがこの時期である。
 霊感商法が社会的に問題になると、統一教会の活動は表向き影を潜めたが、どうやらこの時期、地下活動に力を注いでいたのだろう。97年文化庁に名称変更申請を行っている。これ以降、「統一」に「家庭」という言葉が付け加わる。そして15年、正式に名称変更が認可された。
 以上のキーワードを見ると「原理」とか「家庭」のような補助ワードは変遷するが、「統一」だけは変化していない。この点は創業者の文鮮明が、北朝鮮生まれの韓国人であることと関係しているのかもしれない。北朝鮮も韓国も「統一」は国是だからだ。つまり団体名称の中に、「統一」とか「世界」という言葉が何らかの形で入っておれば、それは統一教会系と判断できる。
 「世界」で思い出したが、今国会議員の中に「日本・世界平和連盟議員懇談会」という組織があり、その代表代行が自民党の奥野信亮という人物。この議員連盟、名前から見て統一教会国会支部であることは顕か。又代表代行奥野は奥野誠亮の息子だろう。誠亮は昔文部大臣の時、トンでも発言をして首になった。それしか記憶に残らない。その信亮がアベを殺害した山上に対して「家庭がしっかりしておればこんなことはしない」と発言した。山上家は元々しっかりしていたのだ。それを怪しい言葉を吹き込んで破壊したのが統一教会である。このことから奥野は統一教会の代弁者、それどころか正真正銘の統一教会信者*と云える。こういう人間こそサタンの生まれ変わり、地獄に堕ちろ、だ。
 奥野の選挙区は衆院奈良3区。奈良盆地南部から吉野郡を含む広大な地域だ。この地域、広いだけでなく中に飛鳥や葛城、吉野など日本古代の諸民族が集まる八百万神の本場。蘇我物部の子孫が巣くっているのである。要するに古代から進歩せず、旧い因習にしがみつくが権利だけは主張する、民度の低い土地なのだ。奥野など、さしずめヤマタノオロチのようなもの。そんなややこしい地域だから、スピリチュアル信仰が流行るのは当たり前。近代的な法理が通用するところではない。
*本人自身、父の誠亮が「国際勝共連合」に加わっていたと述べているから、筋金入りの統一教会一族だ。
(22/08/06)

 統一教会と接触経験のある自民党議員の氏名が次々と明らかになっています。その数なんと100名以上、率としては25%。そして自民党に次いで多いのが「日本維新の会」の13名。数として少ないが衆参合わせて62名に対する汚染率は21%となり、自民党に次ぐレベル。
 これでやっぱりと思ったのは、このところの選挙での維新の躍進。例えば今回の参院選や昨年の衆院選、JR高槻駅前歩道橋は各党の絶好の宣伝スポット。土日には各党が日替わりで大物弁士を投入する。中で目を引くのが維新。候補が現れると何処ともなく大勢の若者が現れ、ビラ配りや応援拍手・・・サクラに決まっている。こんなの何処にいるのか、と思うぐらいだ。しかしウイークデーにはさっぱり現れない。始めは学生のバイトかと思っていたが、これが統一教会からのボランテイア派遣と思うと納得がいく。
 ビラ配りとか戸別訪問、電話カケなどの選挙運動を、有償で第三者に委託すれば、公選法違反に問われることがある。また、金品の支払いが伴えば、領収書などの証拠が残る。しかし個人が無償ボランテイアで手伝えば、何も証拠は残らない。立候補者にとってまことに便利である。岸信夫は、「以前そういうお手伝いを頂いたことはある」と述べたが、まことに正直だ。その他「選挙への関わりは一切ございません」という回答のほうが余計信用できなくなる。
 維新は、接触があった議員は「日本維新」で13名、「大阪維新」で16名を挙げ、どちらも選挙への関わりはなかったと説明しているが、実際傍らから維新の選挙を見ていた者の眼からは、「マサカ」という気しか起こらないのである。無論、議員自身はボランテイアが統一教会と知らなかった可能性もある。しかし今の時代、おんないいわけが通用するでしょうか?
 例えば、大抵みんな朝はメールチェックをするはずだ。その時気を付けなくてはならないのは、心当たりのないメールは絶対に開かないことだ。一旦クリックすれば、たちまちこちらの個人情報が盗まれる。これは現代の常識である。それと同じことである。
 対人関係にも同じことは言える。見も知らない人、素性のしれない人間・・・又は団体・・・が近づいて来た時は、特に注意すべきである。選挙に統一教会の応援ボランテイアが居た議員は、その点の人を見る目が足らず、脇が甘かったのである。
(22/08/04) 

 次々と明らかになる、自民党と統一教会との関係。それも何故か清和会系に集中する。この経過はマスコミ報道では、まず73年頃に岸信介に笹川良一が持ち込んだ話に岸が乗ったことになっている。しかしそのころには既に岸邸の隣には統一教会の建物が経っている。岸は笹川が持ち込む以前に、統一教会の存在を知っていたはずだ。そう言える証拠は未だある。
 筆者が未だ大阪市大の学生だった三回生か四回生に教養「のキャンパスで「国際勝共連合」のビラを見た記憶がある。1965年か66年頃だ。天下に冠たるアカ大学の市大に「勝共連合」とはいい度胸しとると思った。大阪の田舎大学生ですら知っていることを、天下の岸信介が知らないはずがない。
 岸と笹川が合った1973年頃、なにがあったか。両者は日本の共産化を防ぐため統一教会を招いた、というがそんなことはあり得ない。まず共産党は55年の6全協で、暴力革命路線を放棄した。これに不満を抱いた学生らが結成したのがブントや革共同。60年安保以後、日本の左翼運動を主導したのは彼らである。これらが70年安保粉砕を目標に再集結したのが新左翼で、それが66年頃。しかし新左翼の暴力革命路線は警察権力に抑え込まれ、70年安保闘争は、68年10.21国際反戦デーで事実上終わった。その後は分裂抗争を繰り返し、大学紛争や内ゲバその他の散発的内部抗争に埋没してしまった。つまり73年当時の日本に、共産革命の芽はなかったのである。
 一方、それ以上に重要なことが起こった。それは72年の米中国交回復に続く日中国交回復と台湾との断交である。これを主導したのが田中角栄。台湾政府はこれではイカンと日本に台湾ロビーを作るべく政界工作。その受け皿となったのが岸信介。彼はその後も台湾ロビーのドンとして君臨し、福田、中曽根など保守派議員を手元に置いた。この時、保守派(=反中派)を繋ぎとめる役割をになったのが統一教会=国際勝共連合ではなかったのではないか、と筆者は考える。
 70年代の自民党の党内勢力を見ると、圧倒的に強いのが親中の田中派。これは90年代に竹下経世会になっても変わらない。これに対抗するのが、角栄のライバルだった福田赳夫の系譜を引く清和会。田中ー竹下派が親中なら清話会は反中で行くしかない。その時反共を掲げる統一教会は極めて便利な存在。こんな便利な組織を他派閥に穰らなければならないいわれはない。その結果、統一教会は清話会御用達となった。
 なおその後、この統一教会ルートは一時中曽根康弘が受け継いだ。福田と同じ上州ヤクザの繋がりか?中曽根の下で統一教会と連携を取っていたのが、官房長官や外務大臣をやったアベ晋太郎。同時期のアメリカ大統領R.レーガンもアメリカにおける統一教会シンパと云われるから、ロン・ヤスの関係も統一教会ルートかもしれない。そしていつの間にか、このルートはアベ家に引き継がれる事になる。
 一方日中国交回復は経済面で大きな変化をもたらした。いきなり日本の隣に人口10億の巨大市場が出現したのである。この利権は政界では田中-竹下経世会が、ビジネスでは伊藤忠が独占することになった。その割を食ったのが旧福田派(清話会)と統一教会である。その後、田中ー竹下派は勢力を膨張するばかり。統一教会も政界コネを失った。
 そして90年バブル崩壊。実は自民党は90年代を通して集票能力を失っていた。ひとつはバブル崩壊とそれに次ぐ金融不祥事、金融再編成で銀行や金融界の献金能力が著しく低下した。もう一つが地方の集票機関である農村部は高齢化が進んだこと、金融引き締めで中小企業、特に地方建設業の倒産が相次ぎ、選挙機動力が低下したことである。これではイカン。そこで00年小泉内閣が打った手が自公連立、つまり創価学会の集票能力を自民党にも利用しようというわけだ。
 そうなると連立政権の中で公明党の比重が段々大きくなる。これは憲法改正最強硬派の清話会にとって、上手い話ではない。12年総選挙で自民党は政権に返り咲いたが、その時点での自民党は公明=創価学会抜きでは選挙を戦えないほど落ちぶれていた。これを立て直すために新総裁アベ晋三が接近したのが「大阪維新の会=吉本興業」と「統一教会」である。
 もう一つ重要な点がある。それは北朝鮮拉致問題である。これは第二次アベ政権でも重要な課題だ。しかし12 年頃には日朝間に殆どパイプがなかった。そこに現れたのが統一教会である。文鮮明は元々北朝鮮の出身。金日成との関係を誇示する映像をしばしば公表していた。アベとしては、藁にも縋る思いで統一教会に接近した可能性もある・・・しかしこれは無駄な期待だった・・・。そう考えれば、統一教会に汚染された議員が何故清話会に集中するか、第二次アベ政権で自民と統一教会との密着度が高くなったかが理解できる。
 一方統一教会にとってもアベ政権との密着は悪い話ではない。清話会冬の時代は統一教会にとっても冬の時代。金が集まらないそこで始めたのが合同結婚式始めイヴェントビジネス。世間からなんと言われようと、テレビに映れば宣伝効果は莫大だ。これも「洗脳」疑惑が報じられるとやばいので、90年代に始めたのが「霊感商法」。これの悪質性は既に世間に知れ渡っている。なかには違法行為で信者に品物を売りつけたケースもあるだろう。この時政権与党、中でも総裁派閥とコネクションがあれば、事件をもみ消すのも簡単。
 かくて統一教会と自民党中でもアベ派とその周辺との癒着はますます広がり、国民財産は統一教会へ、更には韓国や北朝鮮へも渡っていく。当にアベ内閣というのは亡国滅民政権だった。その中でも岸信夫の開き直り発言、「統一教会との協力の何が問題ですか?僕には分からない」という福田達夫のアホ発言・・・筆者はこれまで政治家の嘘発言は随分聞いてきたが、こんなアホ発言は初めてだ。福田達夫というのは正真正銘のアホだ・・・には驚かされる。どっちも年は幾つだ!40も50にもなってこんな言い訳しか出来ないとは、知性の貧困極まれりだ。親の教育が悪かったのだろう。
(22/07/30)

 統一教会に入信すると文鮮明語録である「天聖教」なる大部の本を買わねばならない。その値段なんと一冊430万円。ヒトラーの「我が闘争」は各戸に一冊が義務付けられていたが、価格はドイツの一般労働者で購入出来るようリーゾナブルに設定されていたはずだ。筆者は茨木の本屋で新潮文庫版で買ったから、一冊数100円程度。中国の毛沢東語録は、小中学生の小遣いで買える程度だ。
 それはともかく、この本の肝は、”勝利は善、敗北は悪”という善悪二元論と、韓国はアダム国家、日本はイヴ国家。イヴの日本はサタンに惑わされ堕落したから、その罪を償うためにアダムの韓国に奉仕しなければならない、という旧約創世記の原罪思想の独自解釈。ここでサタンという言葉が何度も出てくる。筆者はこの点から、統一教会はキリスト教というより、グノーシス派の影響を大きく受けているように思われた。
 そもそもサタンという言葉は旧約聖書にはほとんど出てこない。語源は古代ペルシャ語の”シュイターン”又は”シャイターン”である。これがヘブライ語でサタンとなり、日本ではシュテン=酒吞童子となった。ペルシャ語のシュイターンは砂漠に住み、隊商を驚かす妖怪程度、これがキリストに対抗する強大勢力になったのは新約の時代。
 元々初期キリスト教徒ではサタンとはローマ、特に徴税史、つまり税務署のことである。ローマでも2~3世紀にはキリスト教は下層階級から貴族、上流市民階層まで浸透した。そこでカトリック教会は現世の財産を持っていても天国には行けない、神を称えなさいと言って教会に寄付させた。特に未亡人などは遺産をそっくり教会に寄付する者まで現れた。当然帝国の税収は減る、なんとかせねばとキリスト教会に課税することにした。そこで徴税史が教会に向かうとキリスト教徒は教会内に立てこもって投石などで抵抗する。そこで税務署側が何をしたかというと、外から火を放って、信者を教会ごと一緒に焼き払ってしまった、てな話がギボンの「ローマ帝国衰亡史」に紹介されている。これが世に名高いデイオクレテイアヌスのキリスト教弾圧である。この背後にあるのは、信者の身ぐるみを剥ぐ当時のカトリック教会の強欲さである。今の統一教会と変わらない。
 カトリック教会の強欲はそれでは留まらない。中世10世紀に入ると、ヨーロッパではエルサレム巡礼が盛んになった。それが集団で武装したものが十字軍である。十字軍に参加するには「参加料」が必要である。これは所管のカトリック教会が受け取る。又、中には全財産を処分して十字軍に参加する「清貧の騎士」も現れた。これらの寄進は、最終的にはバチカンの利権に消えて行く。
 これだけでは足りず、中世末期にはローマ法王庁は「免罪符」なるものを売り出す。魂の救済を金で買えというわけだ。魂を買うのだから半端な値段ではない。庶民階級には一財産に相当するぐらいだろう。当に「霊感商法」である。しかしこれが引き金になって、ルターの宗教改革が始まり、カトリック教会の権威失墜の原因になったのである。
 紀元前1世紀、ギリシアやエジプトなどヘレニズム世界には終末説が広まり、その中から様々な思想・宗教運動が生まれた。グノーシスもその一つで、全宇宙を統一する唯一原理を極めようという思想運動である。救世主思想もこの中から生まれた。悪魔(サタン)と戦うイエスキリストもその一人と考えられた。
 ところがこれに大きな影響を与えたのが、イランのゾロアスター教。ここでは宇宙は、光(神=善)vs闇(サタン=悪)の善悪二元対立抗争によって成り立っているとする。そこでグノーシス思想では全てをこれで理解しようとする。例えば金(神)を閉じ込めているのは鉱石(サタン)。サタンから神を解放するのが錬金術。これが廻りまわって、現代の新自由主義経済による、デジタル錬金術となる。統一教会の霊感商法も似たようなものだ。
 グノーシス派哲学には拝金(ゴールドであってマネーではない)主義的なところがある。それはあらゆる物質の中で、金だけが変質しないからである。そこから錬金術、現代の化学、物質科学が生まれた。それが現代では変質して、マネー錬金術になってしまったのである。統一教会にとって、日本こそマネー錬金術の実践場。しかも自民党や岸=アベ家という良い鴨がいる。彼らを使ってサタンから日本を解放しよう、てなところか。これらの操作がいつの間にか秘儀化し、魔術となる。
 なおグノーシス思想は非常に複雑難解でとても筆者が説明できるようなものではない。その後、カトリック教会から正式に異端宣告され、表の世界から姿を消した。しかし姿かたちを変えてあちこちに影響を与えている。例えば中世から伝わるフリーメーソンなどの秘密結社やそれに伴う陰謀論、ヨーロッパオカルトにハリウッドホラーとか。みんな他愛もない噂だが、それに引っ掛かるお人よしも多いのが実情だ。 
(22/07/26)

 ある心理学者がアベ晋三を射殺した山上徹也の心理について「独善的世直し思考か」と題して、次の5段階の心理的変化を説明している。
1)私的な苦悩や政治・社会への怒り
2)被害者意識に基づく独善的な物語造り
3)思い込みが強まる。善悪二元論。自分を英雄視。
4)自己顕示欲から殺意を示唆、声明を作成
5)私的、社会的状況の変化に伴うトリガー
 この中で4)、5)はともかく、標題と1)から3)までは、殺されたアベ晋三にも、鏡に映った自分のようによく当て嵌る。
1)私的な苦悩や政治・社会への怒り
 これの主な原因はコンプレックス。アベの場合、それは学歴コンプレックスだ。祖父、大叔父、父、従弟みんな東大出。それに比べ俺は成蹊という二流の下大学。就職先も神戸製鋼という田舎会社。これだって爺さんのコネだ。何から何まで劣っている、馬鹿にしやがってと、怒りを社会に向ける。
 一方山上は奈良県トップクラスの進学校を優秀な成績で卒業した。この点でコンプレックスを抱く余地はない。その後父親の自殺とか、母親の統一教会入信などの、自分の責任ではない事件が重なって、社会の負け組になってしまった。この原因はコイズミー竹中ーアベ構造改革にあって本人の責任ではない。怒りの矛先は原因を作った統一教会と、それを放置した自民党特にアベーコイズミラインであって社会全体ではない。
2)被害者意識に基づく独善的な物語造り
 なんといっても14年前の屈辱的な参院選敗北と退陣。誰が俺をこんな目に合わせたのか!野党とマスコミ、中でも朝日新聞だ!絶対に許さないぞ、と復讐を誓う。そして出てきたのが政権奪取計画とアベノミクス。これで勝負をかければ間違いない。
3)思い込みが強まる。善悪二元論。自分を英雄視。
 政権を取ったまでは良かったが、あとがよくない。当初掲げた四つの目標・・・・①北朝鮮拉致問題解決、②北方領土問題解決、③憲法改正、④景気回復・・・は全て事実上失敗。何を聞いても「未だ道半ば」。アキレスと亀の例えではないが、これでは何時まで経っても”拉致”は開かない。
 これを批判されるとますます憤りは中にこもり、自己正当化を図るため自分は正しい、自分を支持する維新や吉本興業、統一教会こそ善、批判する奴・・・朝日新聞や野党・・・こそ悪だ、という善悪二元論になる。三年前の統一地方選での「こんな連中に負けるわけにはいかない」という、内閣総理大臣としては似つかわしくない発言に繋がるのである。これまた自分を英雄視している証拠だ。
 ここで標題の「独善的世直し思考」に戻る。この言葉は始めの”独善的と”世直し思考”の二つに分解できる。果たして被疑者山上は”世直し思考”を持っていたか?「世直し」とは現状の政治・経済体制が実情に合わない、従ってこれを強制的に・・・場合によっては暴力も伴う・・・矯正しようとする行為である。つまり何らかの形で政治性社会性を帯びざるを得ない。逮捕後警察は「被疑者はなんら政治的意図を持っておらず、アベ元首相個人への恨みもない、統一教会への個人的な恨みである」と発表している。つまり事件が政治性を持たない。つまり「世直し」ではないのである。そうであれば、その行為が独善的かどうかは意味をもたない。
 むしろ「独善的世直し論」に最もよくあてはまるのは、殺されたアベ晋三や彼のシンパ達・・・例えば堀江、橋下、維新・・・の方である。アベ自身は自分の世界観、歴史観を文書で残していないので、発言その他で推測するしかないが、本人自身自分を維新の志士になぞらえていた可能性はある。
 彼にとって日本史とは明治維新以後のみに意味があり、その前は遅れた只の暗黒時代に過ぎない*。明治維新こそが日本近代化の始まりで、それを主導したのが長州藩。自分は山口県出身・・・実際は東京生まれの東京育ち・・・だ。だから故郷の偉人達に倣って、この日本を引っ張っていかねばならない、と思い込む。それどころか、何年か前の世界遺産登録で「明治以後の日本近代化遺構」として、松下村塾というバラックを押し込んだ。これこそ”独善的世直し論”以外の何物でもない。長州と明治維新、これがアベ晋三の深層心理を解くキーワードである。150年遅れている。
 アベ晋三にとっての暗黒時代は民主党政権下の三年間。民主党と左翼リベラル、自民党内左派、これらこそ守旧派江戸幕府である。これを倒し乱れた国家秩序を糺すことが正義と、「独善的世直し」観**に捉われた。当に明治維新の再現である。統一教会はあんまり関係はない。
 アベにとって統一教会は、数ある支援団体の一つに過ぎない。しかし統一教会にとって、アベ晋三は目が離せないしっかり抑えておかなければならない”玉”なのである。そこを山上に狙われたのは、単に運が悪かっただけ。これを政治テロだなんだと大げさに騒ぐことこそ、政治利用とそしられる素になる。
*実はこういう思想は明治以降、政府によって小学教科書等の手段で国民に刷り込んだプロパガンダである。これは戦後も結構生き残っていた。筆者が小学生の時、社会の授業で江戸時代の特徴を生徒に発表させた。するとみんな江戸時代は遅れた時代、何もない貧しい時代てな白土三平か鞍馬天狗的意見ばっかり。そこで筆者は「江戸時代にも日本特有の文化が栄えた」と反論した。みんな黙っていたが。
**これに似た世界観を持つのが、アメリカのトランプであり、ロシアのプーチン、維新の橋下である。アベも含めて似たもの同士だ。
(22/07/21)

 いつの間にアベ統一教徒にたぶらかされたのか、岸田がいきなり秋にアベの国葬をやると言い出した。これこそ自民党得意のどさくさまぎれの火事場泥棒。「トラは死んでも皮を残す」と云うが、「アベは死んでも嘘を残す」ということだ。
 そもそもアベが国葬にふさわしい人間かどうか、極めて疑問である。国葬の理由に、史上最長の政権を維持したなんて馬鹿な理由を言うアホが自民党に多いが、政権が長けりゃ偉いというものではない。彼は過去4回の衆院選に勝ったが、どれも野党のスキを突いた抜き打ち解散。支持率アップと延命が目的だっただけ。17年の国難解散など、北朝鮮ジョンウンの核とミサイル発射実験を利用しただけ。それどころか内閣支持率が低下すると北朝鮮が核かミサイル実験をやる。そして支持率は回復する。ジョンウンと晋三は裏で繋がっているんじゃないか、と思うぐらいだ。
 もっと重要なことは統一教会との関係である。j事件後、アベ本人だけでなく自民党保守派・・・特にアベ派・・・と統一教会との関係が次々と暴露されている。それらは単なる噂ではなく、教会幹部のインタビューであったり、ビデオメッセージであったり、選挙応援であったり、具体性を持っている。しかもそれを教会自身が認めている。
 また、合同結婚式や霊感商法等で、統一教会が持つ反社会性・犯罪性は周知の事実である。今やアベ晋三とその周辺と統一教会が無関係だと思うものは少ないだろう。このような人物の死に国葬をもって報いるのは、統一教会を国を挙げて認めることである。声高にアベ国葬を主張する輩は、自分の統一教会との関係を糊塗するためではないか?
 それはさておき葬儀とは一体何か?これは場所・時代・民族によって様々な形態をとる。その起源は旧く、ネアンデルタール人が既に葬祭のような儀式を行っていたという遺跡も見つかっている。
 葬儀の目的としては大きく次の二つが考えられる。
1)死者を来世に送るための儀式
2)死者が蘇るのを防ぐ儀式
 筆者自身は2)が元々の姿で、1)は生と死の関係を合理的に説明するために生まれた形態ではないかと考えている。例えば縄文期の葬制の中に、死者の胸に石を置く「抱き石葬」というのがある。これなど死者の蘇りを防ぐためだろう。また、インカや東南アジア或いは日本にも、村から遠く離れた岩壁の岩屋に死者を安置する風習がある。これなど蘇った死者の霊が村に近づくのを防ぐためだったためとも考えられる。
 古代世界では生と死の境界は甚だ曖昧で、霊魂は現世(ムラ)とあの世を行ったり来たりしていた。古代では死者は穢れたものであり、霊があの世から村に戻ってくると疫病や飢饉などの禍が起こるため、禍霊として恐れられていた。。古事記でもあの世に行ったイザナミが蛆や虫に食われたおぞましい姿になっていた。そこで死者の霊を青の世に閉じ込め、現世に戻らぬようにした。
 人は死ぬとその霊魂が暫くこの世にとどまる。近親者や縁者が嘆き悲しむと、死者はこの世に未練が残って何時までも成仏できず、果てはこの世に禍を残す。特にこの世に強い執着心が残っておればなおさらで、亡者はt六道ではなく天狗道に堕ちてこの世に祟りを起こす。後白河法皇や源義経、後醍醐天皇に新田義貞、楠正成などがその例。そこで篤い法要を行って引導を渡し、あの世に送り込むのである。これが2)のケースである。
 アベ晋三はその生前の言動、また死に様から見て、現世に強い執着心を持っていると考えられる。このような人間は死んでも死にきれず、その魂魄は天狗道に堕ちて現世に禍を及ぼす。或いは亡霊となって蘇る。
 一方定着生活が進み文明が生まれると、宗教というものが発生した。宗教は人間に生と死の関係を説明する。それにによって宗勢を拡大するが、逆に人間からから死の先のことの説明を求められる。それを納得させるために必要なものは、言葉だけでなく目に見える儀礼・祭祀である。そして宗勢が大きくなると国家権力と結びつき、あの世も素晴らしい天国や極楽となる。その結果、戦争による「犠牲も正当化され、葬礼は次第に華美となる。これが1)のケースである。
 アベの葬儀を2)の意味、つまり二度とこの世に戻ってくるな、というなら国葬も意味を持つだろう。むしろ国葬にして、公に引導を渡したほうが世のためだ。
(22/07/15)

 アベ狙撃犯山上の母親が入信していた宗教団体が「統一教会」という説がネット上にあふれています。筆者も当初統一教会を候補にいれていたが、安倍との接点がよくわからなかったのでひとまずペンデイング。元々統一教会は中曽根康弘の縄張り*1で、保守本流の福田派とは肌が合わないはずだ。しかし時間がたてば世の中流れは変わる。昨年韓国で行われた統一教会の国際大会に、アベがオンラインで出場し、祝辞を述べたというから、いつの間にか自民党内にも統一教会が浸透してきたのだろう*2。
 オンラインで参加して祝辞を述べるぐらいだから、教会からアベ個人に献金が行っているはずだ。ということは、アベ周辺の国会議員にも献金を受けているのがいるのは当然。一方日本最大の右翼団体と云われる「日本会議」は自民党保守派の最大支持団体。アベ晋三はこれの最高顧問でもある。この中に「神道政治連盟」とか「成長の家総本部」とかの宗教系団体があるが、これらは神道系で、元々キリスト教と韓国土着のシャーマニズムが習合した「統一教会」とは、肌が合わないのではないかと思うのだが、現実はそうでもないらしい。何処かで双方の思惑が一致する点があるのだろう。
 しかし国粋右翼・・・例えば一水会とか大日本愛国党・・・が統一教会を容認するとは思えない。もし彼らが統一教会から何らかの資金援助を受けていたとすれば、それこそ右翼の堕落である。つまりアベ晋三とその周辺の自民党保守派は、思想的にも道徳的にも堕落していたことになる。
 何故こうなるかというと、根源的原因は全てを経済効果に還元する新自由主義にある。「数は力なり」と言ったのはマルクスだが、「金が力なり」はフリードマン。どっちもユダヤ人だ。宗教活動でも政治活動でも、存在価値を示そうと思えば中身を問わず、信者、支持者を集めなくてはならない。その極端がツイッターの「いいね」ボタンだ。中身はどうでも「いいね」が多い記事が上位にランクされる。
 新自由主義経済における企業価値は、その企業の中身はどうであれ、一株当たりの利益率つまり配当の大小で評価される。その結果、短期利益が重視され、データ捏造や粉飾決算などの企業犯罪を産む原因を作る。それを避けるには法律の整備も必要だが、政治家・経営者等指導的立場にいる人間により高い道徳性が求められる。
 宗教は社会の道徳性を担保するツールの一つである。一方政治は社会の現実的欲求を満足させるためのツールである。従って両者は本来矛盾する存在である。
 しかし新自由主義経済は、全ての社会的ツールに、社会への経済的貢献を要求する。宗教も例外ではない。この結果、宗教も社会的要求に応えるべく、様々な変身を遂げる。例えば宗教祭儀のイヴェント化、ネット化である。そして本来あってはならない政治との癒着が始まる。
 ではこのような政治と宗教との癒着・一体化は過去に無かったのか?とんでもない、古代・中世社会は政治と宗教が一体化していた時代だった。特に古代社会は社会活動が全て宗教に支配されていたといえよう。そしてその宗教を操っていたのは、呪い・占いである。
 21世紀という今の時代はどんな時代か?私の見方では90年のソ連・東欧崩壊以来、世界で始まったのは「歴史の逆回転」である。そして今は古代社会に戻ったのである。古代社会の特徴は専制主義巨大帝国と官僚制、極端な所得格差はあるが、経済活動はほぼ自由の何でもあり社会。それらを動かすのは、呪いと占いである。巨大帝国をGAFAという巨大プラットフォーム、呪いと占いをスーパーコンピューターとAIと読み替えれば、現代社会と何も変わらない。その呪いと占い社会を、この日本で主催しようとしたのがアベ晋三である。アナクロの末路。
*1; 2、30年ほど昔、務めていた会社に鉄建公団OBのオッサンがいて、ある時「横井さんこういうのはどうじゃね」と持ってきたのが「日韓トンネル」のパンフレット。みると協賛会員には鹿島、大成他日本の大手ゼネコンが名を連ねている。役員はどうかというと、協議会の日本側代表は中曽根康弘、韓国側は文鮮明。「こりゃ統一教会だ、やめとけ」と云ってご破算にした。
 日韓トンネルというのは戦前からある構想で、東京から朝鮮ソウルを経て新京までを結ぶ鉄道構想の一部。戦争で一旦は消えたが、何故か高度成長期以後、出ては消え消えては出てくる、M資金に並ぶ謎のプロジェクト。統一教会が絡む政治詐欺と思って間違いない。
*2;なお、11日に旧統一教会代表の記者会見があり、その中で次のような説明をこころみている。
1)アベ氏は当協会の会員でもなく、役員・顧問でもない。
2)アベ氏には当協会の趣旨に賛同いただいております。また、その意味からもアベ派議員には応援をさせていただいております。
 さて1)だが、こんなことはどうでもいいことだ。アベ個人が協会と接点を持っていたかどうかは、本事件の動機にはならない。犯人山上はそう思っていただけである。むしろ協会は役員・顧問など具体的役職名を出したことで、返ってアベが協会と何か他に関係があったんじゃないかと疑わせることになった。
2)アベ派議員に対する”応援”を認めた。議員に対する”応援”には色々色々なパターンがある。最も一般的なものは政治献金だが、これも直接の寄付もあればパーテイー券の購入、議員著書の大量購入という間接手法もある。また、立会演説会での動員も宗教団体が得意とする手法である。なお忘れてはならないのは、アベ派議員にはアベ晋三個人も含まれるということだ。
 つまり協会側の説明は、協会がアベと無関係であるという証明にはなっていない。
(22/07/12)