横井調査設計の地形・地質調査
地表踏査、空中写真判読、調査計画
地表踏査・空中写真判読は地質調査の基本中の基本です。地質屋であれば誰でも出来るとお思いでしょうが、これが出来ない人(や会社)が結構います。基本であるが故に最も難しい分野です。
当社のモットーは次のとおりです。
踏査のための踏査ではありません。あくまでも次のステップである調査計画、更には設計上の基本方針を決定するための踏査です。
地質構造調査
これは横井調査設計の最も得意とする分野です。ここで紹介している地表踏査に加え、空中写真判読、CSA-MT探査、ボーリングコア解析を併用して調査地域の地質構造を解析します。
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左の写真は奈良県大淀町に見られる「中央構造線」の露頭です。写真上の黒っぽい部分は白亜紀和泉層群の断層粘土。下の白灰色部分は第四紀菖蒲谷累層・竜門層。6500万年前の地層が数10万年前の地層の上にほぼ水平にのし上がっている例です。但し、この断層は今後再活動するおそれはありません。この露頭の100m程北に、ほぼ東西方向の谷があり、ここに新しい断層が通っていると考えられます。この次、この地域で「中央構造線」が再活動するとすれば、こっちの方でしょう。 |
広域地質構造調査
地下水・温泉探査へ
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日本は世界でも有数の災害多発国です。地震・地すべり・土砂崩壊が後を絶ちません。
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砂防、地すべり、広域防災
これも横井調査設計が最も得意とする分野です。地すべり調査は、先ず現地踏査を行い地すべり範囲を決定した後、ボーリングその他の調査計画を行います。
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左の図は和歌山県のある砂防河川の流域地質図です。図の右半分は中新世熊野酸性岩の凝灰岩及び花崗斑岩。左半分は同熊野層群の砂岩・泥岩。両者の境界付近に大量の落石が発生しています。これらは段丘化が進んでいるのでかなり古く、おそらくは数万〜数10万年前のもの。落石は直径10数mのものが珍しくありません。この落石堆の中で、図中央の渓流に向かって多数の土石流が発生しています。いわゆる「蛇抜け」というもので正面から見るとなかなか迫力があります。 |
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トンネル
トンネル実施設計で最も重要なことは、抗口位置の設定と抗口対策工計画です。これの合理的計画には詳細な地質調査が必要なのです。しかし、合理的な・・・無駄・無理・むらの無い・・・調査計画が要求されます。そのためには、事前に抗口部地質を把握Xしておくことが極めて重要です。現代のプロポーザル合戦にうち勝つためにも必要なのです。
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これは、和歌山県下で計画された、あるトンネル抗口周辺の地質図です。抗口地山は崖錘で、抗口に近接して断層が予測されました。抗口を前に出した方が良いのは言うまでもありませんが、ICとの関係で、これ以上抗口を出すことは出来ません。抗口位置を現計画に保って、抗口対策工で突破する、と言うのが結論になります。 この点から
が今後の調査計画で重要であると言えます。 |
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これも和歌山県下での某トンネル計画の例です。 地質は四万十帯のオリストストロームとそれを覆う段丘礫層。トンネルは段丘礫層の中を通過します。 段丘の上は農村地帯です。こういう処にトンネルを掘る場合、最も気を付けなくてはならないのは水です。これはトンネル内湧水のことではありません。周辺の水利用への影響です。近くに稼働中の井戸があって、それの水量がトンネル工事で減ったりすると、トンネル工事どころではなくなります。従って、こういうケースでは地質などは二の次に置いて、井戸調査をしなければならないのです。 というわけで、概査の次いでに周辺を見て歩くと、なんと、トンネルルートのすぐ側に古くからの湧水池が見つかりました(図の右端)。それも神社付きです。果たして、このトンネルの運命や如何に。 道路計画高を上げて明かりにするのが一番良いように思います。 それとこういうややこしいトンネルの設計は無理に取らず、知らん顔をしてよその会社に押しつけるのが一番頭の良い方法です。 |
なお、トンネルの問題解決には、様々な方法があります。その一つとしてCSA-MT探査をお奨めします。MT探査のトンネル計画への摘要例はここをクリックしてください。
特殊問題
様々なケースを取り扱いますが、一例として地下空洞探査を紹介します。