国内の地震の話題

横井技術士事務所
技術士(応用理学) 横井和夫


 今朝新聞を取ると、やっぱり出ていました16年鳥取地震=「隠れ断層」。こんな言葉、地震学どころか地質学にもない。地質学には「伏在断層」という言葉はあるが、これは他の地域で存在が確認または存在の可能性が極めて高い断層が、堆積物に覆われて、地表では確認出来ないケースである。別に隠れているわけではない。
 気象庁は地震波解析からL18q×W13qの断層があって、その上限が地表から500mだったから地表には現れなかった、と釈明。こんな与太話、信用しますか?この話だと、もともとこういう「断層があったが、やや深かったためこれは地表には現れなかった、だから分からなかったということになる。これは地震断層と地質断層をごっちゃにして、事実をねじ曲げているに過ぎない。例えば「阪神淡路大震災」を見てみよう。この場合でも地震断層は後から出てきたが、地下深くで地表には現れていない。しかし震源断層になった野島断層は、ズーット昔から地表ではトレースされてきたのである。
 今回見つかった地震断層は、地震波解析から求められたもので、結果にすぎない。問題は原因となる震源断層が認識されていたかどうか、である。気象庁の説明では、今回見つかった地震断層が、いきなりできたように聞こえる。しかしM6.6という地震規模は、そう小さなものではない。かなり以前から、ひずみの蓄積があったと考えなければ説明できない。
 多分、道路工事や災害の度に、この地域では断層がある、という認識はあったはずだ。ところがこれは工学系認識だから、理学系で凝り固まっていいる気象庁や地理院には届かないのである。かくて、日本の地震学は同じ過ちを何度も繰り返す。
(16/10/23)

 昨日の鳥取中部地震。ここではあまり取り上げたくなかったのですが、政府やマスコミが大きく取り上げるので、しかたがない。昨日昼過ぎ、家がやけに揺れるので、これは地震だと思った。果たしてこれは近いかどうか、しばらくすると第2動。こちらの方が大きい。前者は横波(P波)で、後者が縦波(S波)ということは明らか。P/Sの間隔がかなりあるので震源は遠い。しかし継続時間が結構長い(数10秒程度)ので、規模はそこそこ大きい。そこで隣室のテレビで見てみると、震源は鳥取県中部で、規模はM6.6。ま、そんなところかと納得して居間にもどる。
 鳥取県には名前は忘れたが、活断層がいくつかある。そのどれかだろうと思い、産総研HPで震源を検索。すると震源の東方に小さい活断層セグメントがあった。しかしこれを延長しても震源には一致しないし、長さから言ってもM6.6にはほど遠い。そこで検索エリアを広げてみると、ずっと南東に山崎断層の延長となる活断層セグメントがある。さてはこれが犯人かと思ったが、産総研はこれを震源まで伸ばしていない。震源付近での地震波の解析結果を見なくては、うっかり結論は出せない。
 そこで思ったのが「未知の活断層」という必殺逃げ口上。案の定本日朝刊に、これが出ていた。「未知」というのは、現在ほど空中写真その他情報手段が発達している社会では、実際にはあり得ない。実態は無知か無視のどちらかである。問題の根源は何時か忘れたが、政府の中央防災会議が、震源域の重点調査域を決め、その中に含まれる活断層調査に、政府予算が重点的に注ぎ込まれることになった。これから外れた場所は予算根拠はなくなるから、活断層の空白地域が残ることになる。この地域で起こった地震には、政府(国土地理院)の手抜きだったとは言えないから、「未知の活断層」でごまかすのである。
 空白地域の活断章調査は、現地の研究者の自主調査とか、運が良ければ何か公共事業に引っかかれば、我々の業界が調査に入れる。
 しかしこれで活断層を見つけたとしても、国特に国土地理院が認めなければ、活断層とは認められないのである。この結果、いつまでたっても未知の活断層はのこるのである。
 言い訳と云えば、最近の日銀梅田の2%物価上昇目標の再延期。17年度(黒田の任期)以降もありうるという発言。そもそも黒田が日銀総裁に就任した時の約束が、2年間で2%物価上昇だった。ところが4年経っても達成出来ない。出来ないから何時までもずるずる引き伸ばし。昔よく見た、宿題出されても出来なくて、先生の前で泣きべそ泣いているのを(ワタクシではないですよ。ワタクシは宿題なんか放課後の1時間ぐらいで全部片づけて、あとは遊びに行く)。アベノミクスの「この道を何処までも」の延長だ。おんぼろ道を何処までも行ったら、崖から転落てなことになりかねない。これこそ最悪の言い訳だ。
(16/10/22)

 昨日発生した茨城県南部でのM5.0地震の震源。これも中央構造線地震の一つです。
(16/07/18)

 今年4/1に紀伊半島沖で起こったM6.1の地震。筆者は翌日これを「南海トラフ地震の前触れで、再発時間は狭まってきた。避難経路の整備を急ぐべき」と指摘しました。最近やっと一部の地震学者が同様の見解を述べるようになりました(サンケイ))。しかし、気象庁とか地震研、中央防災会議など国の機関は知らん顔。見て見ぬふりを決め込んでいるのか。学者が動かなくては行政は動かない。事は急を要しているのだ。
(16/06/23)

 昨日午前に紀伊半島沖でM6.1の地震がありました。気象庁はこれが直ちに大地震に結びつくわけではない、と説明する。それはそうだろうが、M6.1と言う規模は大きくは無いが小さくもない。要するに中途半端なのである。こういうのが、今後大地震に発展する可能性は大きい。
 東北太平洋沖地震の前20年ぐらいにはM6〜7位の地震がしょっちゅう起こっていたのである。三陸沖に比べ南海トラフのアスペリテイは遥かに小さい(三陸沖での大地震は概ね1000年サイクル、それに比べ南海トラフ地震は200〜250年サイクルだ)..。と言うことは、この先この種の地震の発生間隔が短くなり、規模も段々と大きくなる。その内でかいのが来る。それが何時かを予測するのは難しいが、5年或いは10年以内といったところか。そう思えば、役に立たない防災構造物を、高い金を出してつくるより、避難場所と避難経路の整備、避難訓練にエネルギーを注いだ方がましなのである。
(16/04/02)

昨日20:40頃関東地方を中心に広範囲に地震があったらしい。らしいと言うのは、豊岡など近畿北部でも有感だったが、ここ高槻では全く地震が感じられなかったからである。さてこの地震、震源は小笠原西部、深さなんと590qという発表。ホントかと思ったが、今日になっても訂正報道もないので、本当なのだろう。590qという数字は震源はマントル内で、しかも相当の高温高圧状態であることを示す。
 太平洋の拡大速度を3〜4p/y、プレートの沈み込み速度をこれと同じと仮定するtと、震源が今の位置にたどり着くまで1500万〜2000万年懸かる。一般にM8クラスの巨大地震が一つの沈みこみ帯で発生する確率は1000年にI回とされる(実は東北太平洋沖地震はこのセオリー通りに起こったのである)。と言うことは、このプレートは沈み込みを始めてから、1.5〜2万回ぐらい地震を発生している。地震と言うのは岩盤の脆性破壊である。と言うことはこのプレートは既にずたずただ。それと地下590qという深さでは、最早プレートは岩盤という状態を保てず、周囲のマントル物質と一体化してしまっているのではなかろうか?
 固体物質には脆性物質と延性物質がある。脆性物質の代表的なものがガラスである。僅かな衝撃で簡単に割れてしまう。つまり小さな歪で破壊するのが脆性物質である。ところがこのガラスも融点まで加熱すると、幾らでも延 びる。これが延性物質であり、ガラス細工の素である。
 元々海洋プレートを作る岩石は玄武岩で、これは鉄・Mgが多く、非脆性的性質をもっている(玄武岩をボーリングすれば直ぐに判る。羊羹を切るようなものだ)。これが590qという深さで元のような脆性を保っているとは考えられない。しかもM8.5という規模では相当の広がりで岩盤が一体化しており(東北太平洋沖地震の経験では数100q四方)、それがずれたことになる。非脆性物体の中での破壊とは、物体のゆっくりとしたずれである。つまり、これぐらいの面積(ずばり伊豆諸島全域を覆う)がずれたわけだ。本当でしょうか?
 このときには当然低周波の波が長時間発生する。今回の場合1時間経過したと言われるが、その程度は覚悟しなくてはならない。つまり長周期地震動である。又このずれは短期勝負ではなく、今後長期間に判って継続すると考えるべきである。
 筆者の疑問は、590qという深さで果たしてプレートテクトニクス理論が適用できるのか?ということである。出来ないとすればどういう理論があるか?マントルプリュームテクトニクス理論は興味がある。つまり伊豆小笠原沖に新たなマントルプリュームが産まれつつあるということだ。そしてこれは日本に新たな領土や資源をもたらしてくれる。昨年話題の西ノ島新島などこの類。それどころか、この深さでの地震活動なら、その活動でダイヤモンドが出来ているかもしれないのだ。日本はいずれダイヤ大国になれる、というのを予感させるのが今回の地震です。次にこんな深部で発生した地震はかつて無い。これから発生した地震波にはマントルークラスト間の様々な情報を含んでいるはずである(屈折波でなく、直接波だから意味がちがう)

 と言うわけで、今回の伊豆沖地震は非常に興味の在る地震です。
(15/05/31)

本日昼に関東地方で起こったM5.5地震。震源位置から判断すると「中央構造線」で起こったものと考えられます。平成23年東北太平洋沖地震以来、関東地方では、「中央構造線」の活動と思われる地震が幾つかあります。しかしワタクシ以外、それを指摘する人間がいない。理由は地震屋が東北地震の余震と、その他の構造性地震をゴッチャにしてしまったからである
 M5.5と言うのは地震規模としては全く大したことはない。この程度で騒いでおっては話にならない。しかし逆に今後中央構造線で期待される地震に対しては規模が小さすぎる。ネパールの地震みたいなものだ。将来もっと巨大な直下型地震・・・おそらく埼玉県北部を震源・・・に備えるべきである。
(15/05/25)

これは本日10時29分徳島県南部で生じたM5地震の震央(気象庁データに加筆)。ここでMTL;中央構造線、BTL;仏像構造線、ATL;安芸構造線。震源位置はそのどれにも懸からず、BTLとATLにはさまれた所謂四万十帯の中間です。この領域は活断層調査の主流である空中写真判読では殆どリニアメントは見つからない


だから地形屋地震屋は活断層はないと思い込む。しかし丹念に地質調査を行うと、明らかなネオテク断層が存在することが判ります。これは地質屋でなくては出来ない。
(15/02/06)

本日昼過ぎに突然の地震。揺れ方から見て「震源は近い、多分大阪府の北か、京都の南、山崎か長岡京の辺りだろう」と判断(あの辺りは地震の巣)。するとテレビにテロップがきて近畿地方に地震がありました、念のため津波に注意して下さい」。アホか!あんな地震が海洋型じゃないのは直ぐに判る。何故判らないのか、それが判らない。何で津波がくるんや!
 すると又テロップ「震源は大阪府北部、津波の心配はありません」。
 感じでは我が家の震度は2程度。しかし発表では3になっている。一般に自治体の計測地震計震度は、国立防災研のK-NETや実態より、大きめの値を出す傾向がある。その所為かも判らないし、家の構造によっても影響は受けるかもしれない。
(13/10/06)