国内の地震の話題

横井技術士事務所
技術士(応用理学) 横井和夫


 能登半島珠洲地震の原因について、当初から地下の流体の存在が指摘されてきました。その根拠は昨年行われた深部物理探査(多分TDEM法)で検出された、低比抵抗帯を水の影響と解釈したためでしょう。しかし筆者はこれを能登半島北部の地熱構造を表すものと指摘しています
 このほどやっとそれに気が付いたのか、付近の温泉の泉質調査が行われるようになった。しかしこんなショボイ調査では何にも分からない。思い切って5000から10000m級のボーリングをやって、徹底的に調べたほうが良い。コストは大体数10億円位で済む。
(23/05/12)

   
 F-1  F-2


 昨日の石川県能登半島地震で、珠洲の海岸沿いで地盤隆起があったと云われます。報道写真(F-1)を見る限り、これは地盤の液状化です。ここでは地盤がにクラックが入り、そこから泥水が噴き出したともいわれるから、間違いない。
(23/05/06)

  能登半島地震で生じた、何処かの川の堤防の崩壊。堤体の円弧すべりと思われますが、基礎地盤の液状化の可能性もある。

 なお今回の地震、規模は小さくはないが大したものでもない。少なくとも官邸がワアワア騒ぐレベルのものではない。
(23/05/08)

 

03/11朝首都圏で発生した地震の震源(E.C.)。東京湾北岸を走る「東京湾北縁活断層セグメント」の直上です(「産総研活断層データベース」より)。
(23/03/12) 

今朝南関東を襲った地震。震源は、産総研データベースによると「東京湾北縁活断層セグメント」という活断層。この断層、データベースではとぎれとぎれになっているが、全体を繋げると結構大きな断層。延長は100q位になるのではなか。これと並走するのが「立川断層セグメント」。いずれも東京直下型地震の震源断層になり得ます。
 筆者は先日発生した世田谷区の斜面崩壊で生じた崖面に、断層(f?)の存在を示唆しています。崩壊地の場所が分からないのでなんとも言えませんが、「立川断層」の活動に関係する割れ目かもしれません。そしてこの「立川断層」と東京湾北縁活断層セグメントの間がどうなっているかわかっていない。
 先月生じたトルコ東アナトリア地震の最初の震源は、東「アナトリア断層とそれに交差する東西性断層の中間で発生しており、既知の断層とは直接関係していない。東京直下地震も同じで、「立川断層」と「東京湾北縁活断層セグメント」との中間で起こるかもしれない。
 又異なる系統の断層が近接する場合、両者で地震が連動して発生するケースがある。例えば、「平成28年熊本地震」とか、今年のトルコ「東アナトリア地震」がその例である。東京でも何処かで地震が発生したとき、別の場所で立て続けに地震が発生する可能性がある、ということだ。
(23/03/11)

 

 本日未明徳島県東部でM4.1の地震がありました。場所柄からいって、「仏像構造線」の近傍と考えられます。最近この辺りで地震が多い。昨年10月には対岸の和歌山県湯浅付近で起こっています。今のところこれを南海トラフ地震と関連づけるのは難しいが、震源が50qと深いのが気にかかる。
(22/06/17)

昨夜半、いきなりの地震。京都府南部を震源とするM4.4の直下型地震。縦揺れ成分が多く、横揺れも多少あったので、震源はそれほど近くはない。亀岡で震度4、高槻では震度3。最近京都府南部特に亀岡周辺を震源とする地震が多い。一昨日の昼にもあった。震源は多分亀岡断層でしょう。
(22/05/03)


 本日東京を襲った年末地震。すわ東京直下地震の前ぶれか、なんて声も聞こえそうだ。震源は山の手の台地で、場所柄から言って「立川断層」かその周辺ではないかと思われる。東京湾岸部の揺れ(震度)が小さいのが不思議。まさか温泉の掘りすぎが原因ではないでしょうねえ。今から20年以上前、兵庫県の北摂地方で群発地震が発生したことがあった。調査に当たった知り合いの京大教授からその結論を聞くと、「温泉の掘りすぎで地下水の水圧分布が変化したから」とのご託宣。嘘か本当か分かりませんが。
(21/12/29)

 本日午前に起った地震。震源位置は地質的には西南日本外帯、「仏像構造線」の少し北だから秩父累帯中帯。「有田川構造線」のあたりか?フイリピン海プレートの押し込みによるものと思われます。
 最近、四国から紀伊半島にかけて、仏像線の周りで小さい地震がよく起こります。南海トラフ地震との関連は不明。
(21/10/15)

 今月始め(06/04)に神奈川県三浦半島周辺で異臭が発生し住民に不安を与えた。これに対し・・・多分何処かのマスコミ取材・・・ある地震学者が「これは南海トラフ地震の予兆である」なんて言ったのが本日ネットに載っていた。
 ズバリこの解釈は間違いです。地震屋は何でもかんでも地震の所為にしたがるが、大抵ははずれている。彼の根拠は以前大阪市立大学と誰かが、岩石の破壊実験をやったところ、異臭が発生したことがあるというだけである。大阪市大でこんな実験をやるグループは多分筆者がよく知っている連中。実験そのものは間違いではないが、いきなり地震に結び付けるのは乱暴である。
 今から20数年程前、奈良県は天理市の某高校のグラウンドでいきなり異臭が発生し、生徒の何人かがバタバタ倒れたという事件があった。同じような現象は他でも何か所か同時に発生している。事故調査委員会が設置され、その結果次のような結論が得られた。「上空で雷活動があり、その影響でメタンが作られ、それが異臭をもたらした」。
 1960年代か70年代に、アメリカのある科学者が地球初期の大気と同じ組成のガスを圧力容器に閉じ込め、高圧電流をスパークさせるとメタンとアミノ酸が出来た、という実験結果を発表した。地球初期大気成分とは窒素、水素、二酸化炭素、アルゴンなどで、これに電流が加わると有機物が生成されるということで、彼らはこれが地球生命発生起源と主張したのである。又他にも隕石が落下したとき異臭が発生した。隕石を分析するとアミノ酸が出来ていたという話もある。
 奈良の異臭騒ぎも上空で高圧電流(=雷)が発生するとメタンが作られ、その二次生成物として臭気性ガスが発生する。三浦半島での現象もこれと同じで、地震とは無関係の単なる上空静電気現象(=雷)か、あるいは隕石の落下である。その証拠に、従来日本では多数の地震が起こっているが、その中に異臭騒ぎはない。今発生している中部地方の地震でもそうである。
 世の中、何か変わったことが起こると直ぐにやれ地震だの、惑星衝突だのあり得ないことに結び付けるのが多い。コロナワクチンと同じで、あまりうまい話には乗らないことが肝要である。だからといって、筆者は三浦半島付近での地震発生を否定するわけではない。三浦半島沖の相模トラフは東南海沖地震の震源域だり、何時地震が発生しても不思議ではない。これと奇妙な現象を短絡的に結びつけるのが問題だ、と云っているのだ。
(20/06/19)

   本日千島沖でM7.5の地震が発生。海溝型地震としては規模が中途半端だ。今後数年内により大規模な地震が発生するおそれがある。勿論その時は北海道東部は大津波に、三陸海岸もまたも津波に襲われる可能性があるということだ。
(20/03/25)

今朝9時頃、いきなりドンと大きな揺れがあって、さて地震かと思ったらそれっきり。実はこれが今朝9;11の千葉県東方沖地震。規模はM5.5と大したことはなく、震源も遠いのに何故高槻まで振動が届いたのでしょうか?S波という感じはしなかった。あの波は一体なんだったのでしょうか?
(19/06/24)

 本日日向灘を震源とするM63の地震が発生しました日向灘は、瀬戸内海の安芸灘や響灘と同じように地震の巣です。日向灘での地震でM6級は普通。2数10年毎にM7級の地震が起こることがあります。今回の地震が次の南海トラフ地震の前触れとは考えられません。世の中にはそういうフェイクを流す輩がいるでしょうが、気にしないように
(19/05/10)

 これは昨日21:18に静岡県で発生したM4.5地震の震度分布です。震源位置から見て、これは東海沖地震ではありません。むしろフォッサマグナ地震です。
 フォッサマグナではことし5月に新潟県西部でM6.2の地震が起こっています。太平洋側の海溝型地震や内部の直下型地震だけでなく、フォッサマグナ地震にも注意すべきです。
(18/08/11)

 昨日新潟県西部でM5.2の地震。あまり大きな地震ではなく、被害も殆ど生じていないようだが、震源から見て、糸静線の活動に伴うものでしょう。今回は小さかったが、将来もっと大きな地震が発生する可能性は大きい。
 さて確か来週日曜は新潟県知事選。果たして今回の地震が選挙に影響を及ぼすのかどうか、及ぼすとしたらどういうふうにか、など中々興味が尽きない。東電や自公陣営は、よりによってこんな時期にと、ムカついているでしょう。
(18/05/26)

 昨夜だったか今朝だったか、家がいきなりガクンと音をたてたので、何事かと思ったがそれっきり。その時は気のせいかと思ったが、これが今朝の島根地震。ネットで震源と活断層の有無を検索。震源のそばに活断層はない・・・産総研データベース。これは多分「未知の活断層」で片付けられるだろう、と思っていたら、案の定防災科研が「未知の活断層」と発表。実は「未知の活断層」というものはない。無能且つ頑迷な地震屋の逃げ口上に過ぎない。なお一昨年10月の鳥取中部地震も、「未知の活断層」で片付けられている。
 断層を活断層と認定するかどうかは、相対的なものである。度胸のない人間や、スポンサーである電力会社、政府の意向を気にする忖度研究者ほど、認定のハードルを上げたがる。その結果、「未知の活断層」が濫造されることになる。スポンサーの覚えはめでたくなるが、学問への信頼度は低下する。
 中国地方には、多数のリニアメント(概ねNE-SW性が多い)が発達する。これらの多くは、活断層としては認められていない。しかしこれらのリニアメントは、断層とそれに伴う破砕帯で形成されたものである。そしてこれらがしばしば地震の震源や、豪雨時土砂災害の素因となる。地形的にはっきりしているリニアメントは、少なくとも「活断層・・・・直下型地震の震源断層・・・候補」と認定すべきである。
 なお「未知の活断層」が不利と見るや、こんどは「ひずみ集中帯」というのを持ち出してきた。「ひずみ集中帯」とは何か?、地球オーダーでは日本列島自身が「ひずみ集中帯」である。つまり日本の至るところにひずみが集中している。ひずみの局所的集中が限界に達した時、地殻上の弱点である断層に地震が発生する。だからこれもまた、逃げ口上。「断層はあります。それに気が付きませんでした」と謝ればそれで済む。それをしないのは、今の財務省とアベ官邸とそっくりだ。
(18/04/09)

 本日朝豊後灘で生じた地震。震源は宇和島沖で近くに「仏像構造線(BTL)が走っている。近年BTLに沿って時々地震が起こります。但し南海トラフ地震とは関係ありません。
(18/02/19)

 昨日朝7時頃、突然の地震。震度は1か2程度。我が家から1〜1.5qのところに「有馬高槻構造線」があって、それがよく動くので、多分その所為だろうと思って寝てしまいましたが、それが昨日の長野県王滝地震。
 震源は随分離れているし地震規模もM5.5と大したことはない。それにしては我が家での揺れ方が大きい(昨年の鳥取地震は規模はこれよりはるかに大きく、震源も近いが我が家では殆ど揺れは感じられなかった)。さてこの違いは何か?また、体感では、前後2回の揺れが感じられた。つまり、岩盤は2回に渡って破壊されたのである。
 距離はあっても、地震波を伝えるような構造があれば、遠距離でも揺れが大きくなる現象はある。しかし長野県中部と大阪府北部を繋ぐような地質構造(例えば活断層セグメントなど)は、筆者の記憶では見当たらない。さてあの揺れの原因は何でしょうか?
(17/06/26)

 今朝新聞を取ると、やっぱり出ていました16年鳥取地震=「隠れ断層」。こんな言葉、地震学どころか地質学にもない。地質学には「伏在断層」という言葉はあるが、これは他の地域で存在が確認または存在の可能性が極めて高い断層が、堆積物に覆われて、地表では確認出来ないケースである。別に隠れているわけではない。
 気象庁は地震波解析からL18q×W13qの断層があって、その上限が地表から500mだったから地表には現れなかった、と釈明。こんな与太話、信用しますか?この話だと、もともとこういう「断層があったが、やや深かったためこれは地表には現れなかった、だから分からなかったということになる。これは地震断層と地質断層をごっちゃにして、事実をねじ曲げているに過ぎない。例えば「阪神淡路大震災」を見てみよう。この場合でも地震断層は後から出てきたが、地下深くで地表には現れていない。しかし震源断層になった野島断層は、ズーット昔から地表ではトレースされてきたのである。
 今回見つかった地震断層は、地震波解析から求められたもので、結果にすぎない。問題は原因となる震源断層が認識されていたかどうか、である。気象庁の説明では、今回見つかった地震断層が、いきなりできたように聞こえる。しかしM6.6という地震規模は、そう小さなものではない。かなり以前から、ひずみの蓄積があったと考えなければ説明できない。
 多分、道路工事や災害の度に、この地域では断層がある、という認識はあったはずだ。ところがこれは工学系認識だから、理学系で凝り固まっていいる気象庁や地理院には届かないのである。かくて、日本の地震学は同じ過ちを何度も繰り返す。
(16/10/23)

 昨日の鳥取中部地震。ここではあまり取り上げたくなかったのですが、政府やマスコミが大きく取り上げるので、しかたがない。昨日昼過ぎ、家がやけに揺れるので、これは地震だと思った。果たしてこれは近いかどうか、しばらくすると第2動。こちらの方が大きい。前者は横波(P波)で、後者が縦波(S波)ということは明らか。P/Sの間隔がかなりあるので震源は遠い。しかし継続時間が結構長い(数10秒程度)ので、規模はそこそこ大きい。そこで隣室のテレビで見てみると、震源は鳥取県中部で、規模はM6.6。ま、そんなところかと納得して居間にもどる。
 鳥取県には名前は忘れたが、活断層がいくつかある。そのどれかだろうと思い、産総研HPで震源を検索。すると震源の東方に小さい活断層セグメントがあった。しかしこれを延長しても震源には一致しないし、長さから言ってもM6.6にはほど遠い。そこで検索エリアを広げてみると、ずっと南東に山崎断層の延長となる活断層セグメントがある。さてはこれが犯人かと思ったが、産総研はこれを震源まで伸ばしていない。震源付近での地震波の解析結果を見なくては、うっかり結論は出せない。
 そこで思ったのが「未知の活断層」という必殺逃げ口上。案の定本日朝刊に、これが出ていた。「未知」というのは、現在ほど空中写真その他情報手段が発達している社会では、実際にはあり得ない。実態は無知か無視のどちらかである。問題の根源は何時か忘れたが、政府の中央防災会議が、震源域の重点調査域を決め、その中に含まれる活断層調査に、政府予算が重点的に注ぎ込まれることになった。これから外れた場所は予算根拠はなくなるから、活断層の空白地域が残ることになる。この地域で起こった地震には、政府(国土地理院)の手抜きだったとは言えないから、「未知の活断層」でごまかすのである。
 空白地域の活断層調査は、現地の研究者の自主調査とか、運が良ければ何か公共事業に引っかかれば、我々の業界が調査に入れる。しかしこれで活断層を見つけたとしても、国特に国土地理院が認めなければ、活断層とは認められないのである。この結果、いつまでたっても未知の活断層はのこるのである。
 言い訳と云えば、最近の日銀梅田の2%物価上昇目標の再延期。17年度(黒田の任期)以降もありうるという発言。そもそも黒田が日銀総裁に就任した時の約束が、2年間で2%物価上昇だった。ところが4年経っても達成出来ない。出来ないから何時までもずるずる引き伸ばし。昔よく見た、宿題出されても出来なくて、先生の前で泣きべそ泣いているのを(ワタクシではないですよ。ワタクシは宿題なんか放課後の1時間ぐらいで全部片づけて、あとは遊びに行く)。アベノミクスの「この道を何処までも」の延長だ。おんぼろ道を何処までも行ったら、崖から転落てなことになりかねない。これこそ最悪の言い訳だ。
(16/10/22)

 昨日発生した茨城県南部でのM5.0地震の震源。これも中央構造線地震の一つです。
(16/07/18)

 今年4/1に紀伊半島沖で起こったM6.1の地震。筆者は翌日これを「南海トラフ地震の前触れで、再発時間は狭まってきた。避難経路の整備を急ぐべき」と指摘しました。最近やっと一部の地震学者が同様の見解を述べるようになりました(サンケイ))。しかし、気象庁とか地震研、中央防災会議など国の機関は知らん顔。見て見ぬふりを決め込んでいるのか。学者が動かなくては行政は動かない。事は急を要しているのだ。
(16/06/23)

 昨日午前に紀伊半島沖でM6.1の地震がありました。気象庁はこれが直ちに大地震に結びつくわけではない、と説明する。それはそうだろうが、M6.1と言う規模は大きくは無いが小さくもない。要するに中途半端なのである。こういうのが、今後大地震に発展する可能性は大きい。
 東北太平洋沖地震の前20年ぐらいにはM6〜7位の地震がしょっちゅう起こっていたのである。三陸沖に比べ南海トラフのアスペリテイは遥かに小さい(三陸沖での大地震は概ね1000年サイクル、それに比べ南海トラフ地震は200〜250年サイクルだ)..。と言うことは、この先この種の地震の発生間隔が短くなり、規模も段々と大きくなる。その内でかいのが来る。それが何時かを予測するのは難しいが、5年或いは10年以内といったところか。そう思えば、役に立たない防災構造物を、高い金を出してつくるより、避難場所と避難経路の整備、避難訓練にエネルギーを注いだ方がましなのである。
(16/04/02)

昨日20:40頃関東地方を中心に広範囲に地震があったらしい。らしいと言うのは、豊岡など近畿北部でも有感だったが、ここ高槻では全く地震が感じられなかったからである。さてこの地震、震源は小笠原西部、深さなんと590qという発表。ホントかと思ったが、今日になっても訂正報道もないので、本当なのだろう。590qという数字は震源はマントル内で、しかも相当の高温高圧状態であることを示す。
 太平洋の拡大速度を3〜4p/y、プレートの沈み込み速度をこれと同じと仮定するtと、震源が今の位置にたどり着くまで1500万〜2000万年懸かる。一般にM8クラスの巨大地震が一つの沈みこみ帯で発生する確率は1000年にI回とされる(実は東北太平洋沖地震はこのセオリー通りに起こったのである)。と言うことは、このプレートは沈み込みを始めてから、1.5〜2万回ぐらい地震を発生している。地震と言うのは岩盤の脆性破壊である。と言うことはこのプレートは既にずたずただ。それと地下590qという深さでは、最早プレートは岩盤という状態を保てず、周囲のマントル物質と一体化してしまっているのではなかろうか?
 固体物質には脆性物質と延性物質がある。脆性物質の代表的なものがガラスである。僅かな衝撃で簡単に割れてしまう。つまり小さな歪で破壊するのが脆性物質である。ところがこのガラスも融点まで加熱すると、幾らでも延 びる。これが延性物質であり、ガラス細工の素である。
 元々海洋プレートを作る岩石は玄武岩で、これは鉄・Mgが多く、非脆性的性質をもっている(玄武岩をボーリングすれば直ぐに判る。羊羹を切るようなものだ)。これが590qという深さで元のような脆性を保っているとは考えられない。しかもM8.5という規模では相当の広がりで岩盤が一体化しており(東北太平洋沖地震の経験では数100q四方)、それがずれたことになる。非脆性物体の中での破壊とは、物体のゆっくりとしたずれである。つまり、これぐらいの面積(ずばり伊豆諸島全域を覆う)がずれたわけだ。本当でしょうか?
 このときには当然低周波の波が長時間発生する。今回の場合1時間経過したと言われるが、その程度は覚悟しなくてはならない。つまり長周期地震動である。又このずれは短期勝負ではなく、今後長期間に判って継続すると考えるべきである。
 筆者の疑問は、590qという深さで果たしてプレートテクトニクス理論が適用できるのか?ということである。出来ないとすればどういう理論があるか?マントルプリュームテクトニクス理論は興味がある。つまり伊豆小笠原沖に新たなマントルプリュームが産まれつつあるということだ。そしてこれは日本に新たな領土や資源をもたらしてくれる。昨年話題の西ノ島新島などこの類。それどころか、この深さでの地震活動なら、その活動でダイヤモンドが出来ているかもしれないのだ。日本はいずれダイヤ大国になれる、というのを予感させるのが今回の地震です。次にこんな深部で発生した地震はかつて無い。これから発生した地震波にはマントルークラスト間の様々な情報を含んでいるはずである(屈折波でなく、直接波だから意味がちがう)

 と言うわけで、今回の伊豆沖地震は非常に興味の在る地震です。
(15/05/31)

本日昼に関東地方で起こったM5.5地震。震源位置から判断すると「中央構造線」で起こったものと考えられます。平成23年東北太平洋沖地震以来、関東地方では、「中央構造線」の活動と思われる地震が幾つかあります。しかしワタクシ以外、それを指摘する人間がいない。理由は地震屋が東北地震の余震と、その他の構造性地震をゴッチャにしてしまったからである
 M5.5と言うのは地震規模としては全く大したことはない。この程度で騒いでおっては話にならない。しかし逆に今後中央構造線で期待される地震に対しては規模が小さすぎる。ネパールの地震みたいなものだ。将来もっと巨大な直下型地震・・・おそらく埼玉県北部を震源・・・に備えるべきである。
(15/05/25)

これは本日10時29分徳島県南部で生じたM5地震の震央(気象庁データに加筆)。ここでMTL;中央構造線、BTL;仏像構造線、ATL;安芸構造線。震源位置はそのどれにも懸からず、BTLとATLにはさまれた所謂四万十帯の中間です。この領域は活断層調査の主流である空中写真判読では殆どリニアメントは見つからない


だから地形屋地震屋は活断層はないと思い込む。しかし丹念に地質調査を行うと、明らかなネオテク断層が存在することが判ります。これは地質屋でなくては出来ない。
(15/02/06)

本日昼過ぎに突然の地震。揺れ方から見て「震源は近い、多分大阪府の北か、京都の南、山崎か長岡京の辺りだろう」と判断(あの辺りは地震の巣)。するとテレビにテロップがきて近畿地方に地震がありました、念のため津波に注意して下さい」。アホか!あんな地震が海洋型じゃないのは直ぐに判る。何故判らないのか、それが判らない。何で津波がくるんや!
 すると又テロップ「震源は大阪府北部、津波の心配はありません」。
 感じでは我が家の震度は2程度。しかし発表では3になっている。一般に自治体の計測地震計震度は、国立防災研のK-NETや実態より、大きめの値を出す傾向がある。その所為かも判らないし、家の構造によっても影響は受けるかもしれない。
(13/10/06)